Rauber Kopsch Band2. 214   

[図285]女の骨盤内臓,骨盤入口からみたところ.

これとほぼ同じ高さで,もっと後方に子宮卵巣索Chorda uterovaricaがついている.子宮頚Cervix uteriは円くてせまい.この部分の下端は腔のなかに突き出ている.したがって腟上部Portio supravaginalisと腟部Portio vaginalisという2つの部分からできている.腟部にはその下端に横の裂け目があり,これを外子宮口Orificium externum uteri, Muttermundといい,子宮腔の腔に対する開口部である.外子宮口は2つの厚い子宮口唇Muttermundlippenでかこまれている.そのうち後方にあるいっそう小さい方のものを後唇Labium dorsaleといい,それより大きい前唇Labium ventraleよりも少し上方にある.しかし後唇には腔が前唇におけるよりもずっと上方で付着してる.それゆえ後唇のほうがいっそう長いように見える.前後の両唇と,も腟の後壁に触れている(図276).

 子宮口唇の縁は処女では平滑で円みをおびている.1度でも分娩をすると平滑でないことが多く,裂け目を示すこともある.子宮口は円くなり,ロート状となる.

子宮の固定装置

 子宮はいろいろなものによってその位置が保持されている.しかしこれらの固定装置の多くは容易に動きうるものである.したがって子宮の位置は正常の状態でもある程度の変化をなしている.

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最終更新日13/02/03

 

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