Rauber Kopsch Band2. 237   

 それに対して精巣上体の頭は本質的には輸出小管と精巣上体小葉,および精巣上体管の頭部からなっている(図308, 309).

 精巣上体管を引きのばしてうねりを取るとその長さは5~6mになる.

[図308]左の精巣,および剖出した精巣上体×1

[図309]精巣と精巣上体の構造の模型図

 精巣上体管ははじめの直径が0.5~0.4mmで,これは円錐形の部分のうねっている管の直径と等しい.尾のほうに向かって初めは管が細くなって0.3mmくらいになる.ついで次第に太くなり,うねりかたも少なくなり,太い精管に移行する.精管の初まりの部分はまだうねっている.

 精巣上体にはいろいろな変化を示す迷小管Ductuli aberrantesというものがある.ずっと以前から知られているのは普通6~8cm,ときには20 cm以上にも達するかなり太い盲状に終る管で,これがときに枝分れしていて,精巣上体管の下部にあるうねった付属物である.また同じように盲状に終る管が精巣上体の頭にあることもまれでない.これは上述の付属物と同じく巻きこんで小さな1小葉をなしている.近頃になってRothは精巣網にも迷小管を見出した.それによるとこの迷小管は単一であったり,または重複しており,常に精巣網とつながっていて,そこでは輪出小管と同じ広さであり,たいていは精巣上体頭に向かって盲状に終るところで広くなっている.この管の内側は線毛をもつ円柱上皮で被われている.

 微細構造.輸出小管は不規則な角をもった横断面をもち,補充細胞および群をなす粘液細胞をもった線毛円柱上皮からできている.上皮の外側には繊細な条をもった基礎膜と精巣網の筋束につながる輪走筋層がある(図310, 311)・精巣上体管の様子はこれと全く異なっている.横断面は円形で,上皮は丈の高い,長い円柱細胞で,不動毛の束が管の内腔に向かって突出している(Fuchs).細胞の基底部のあいだには基底細胞がある(図312).上皮の外側には薄い基礎膜と平滑筋のよく発達した輪走線維が接している.円錐部をなす輸出小管および精巣上体管のうねっている部分は結合組織の繊細な束でまとめられている.また個々の輸出小管円錐のあいだにはかなり多量の結合組織がある(図310).

S.237   

最終更新日13/02/03

 

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