Rauber Kopsch Band2. 247   

 前立腺は左右の外側部Partes Iaterales, Seitenlappenからできている.この両部分が後方は前立腺峡Isthmus prostatae(中葉Lobus medius),前方は前立腺の尿道前部Pars praeurethralis prostataeによってたがいにつづいている.外観的には前面にある浅い溝によって左右に分けられている.峡(中葉)は普通のときには前立腺の1葉という形をしていることは少なくて,ただ結合部という形である.左右の射精管は峡の後方から精丘に向かってすすんでいる.なお241頁と図320を参照されたい.尿道前部は尿道の前立腺部の前方にあって,しばしば前立腺の外側部によって被われている.

前立腺の内部にある諸構造
a)尿道の前立腺部Pars prostatica urethrae(図266, 267)

 男性尿道Urethra masculina, männliche Harnröhreは長さの違う4つの部分,すなわち壁内部・前立腺部・隔膜部・海綿体部Partes intramuralis, prostatica, diaphragmatica, cavernosaからなりたっている.

 前立腺部は前立腺によって包まれていて,長さは3~3.5cm,直径は平均1cmである.その中央部が最も広くて,下端は最も狭い.そして前方に開いた弓を画いて少しまがっている(図266).

[図319]精丘を通る横断図×18

 1 前立腺小室;2, 2射精管,斜めに切れたもの;3, 3尿道腺;4前立腺結石Concretiones prostaticae;5精丘の海綿体部;6, 7 尿道の内表面,6と7のあいだは精丘外側溝.

 粘膜は引き伸ばされないときには縦走するひだをもっており,そのほかに不規則に並んだこぎれいな丈のひくい小さいひだがある.前立腺部の後部には膀胱垂の続きをなす1つのひだがある.これは尿道稜Crista urethralisといい,尿道の隔膜部まで達しており,その下端がしばしば叉状に分れている.尿道の前立腺部の中央で尿道稜は長く伸びた紡錘形のたかまりを作っている.これを精丘Colliculus seminalis, Samenhügelという(図267).その長さは約2cm,最大の高さと幅は3~4mmである.その両側には縦走する溝(精丘外側溝Sulci laterales colliculi)があり,その溝の底には前立腺の腺が多数の口をもって開いている(図267).尿道前立腺部は精丘によって内部Portio internaと外部Portio externaに分けられている.

 精丘の上でその頂上の中央にはすぐ後に述べる前立腺小室が開き,その両側には射精管の開口がある.これら3つの開口部はみな裂け目のような形をしている.前立腺小室の開口部は他のものより広い(図267, 319).

S.247   

最終更新日13/02/03

 

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