Rauber Kopsch Band2. 286   

 壁側腹膜の神経はDogielによると漿膜と漿膜下組織に来ているという.その大多数のものは無髄線維であり,少数のものが有髄線維である.無髄線維は血管に分布しており,交感性神経細胞の小さい集りをもっている.有髄線維は知覚性のもので,漿膜下組織と漿膜において特別な終末装置をもって終わっている.この終末装置には2つの基本型が区別される.すなわち小体性の終末と小体をもたない終末分枝である.

 漿膜では神経終末小体はきわめて表層にあり,上皮のほとんど直下にあることが珍しくない.その構造にはいろいろと異なったものがみとめられる(Ramström, Anat. Hefte 1908).根状小体の簡単な形のものから,完全に発達した層板小体まで,そのあいだの多数の中間形がみられる.これらの終末小体には1本,あるいは大きな形のものでは2本の有髄神経線維が来ているばかりでなく,また常に色のうすい交感性神経線維も来ている.この交感性の線維は内棍の全体にわたって枝分れしその終末小体で終わっている.小体をもたない神経終末装置は小体をもつものと同様に漿膜と漿膜下組織のなかに多数に存在しており,やはり上皮のすぐ下に達しうるのである.腹膜では上皮間に終る神経は存在しないようである.

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最終更新日13/02/03

 

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