歴史的な偉大な解剖学書
3. 硬膜枝Ramus meningicus;これは細い枝であって,次に述べる交通枝Ramus communicansから細い小枝を受けとった後に,椎間孔を通って脊柱管のなかに入り,脊髄とその被膜ならびに脊柱管の壁およびこの管の中にあるその他の内容物に分布している.
4. 交通枝Ramus communicans;この枝は特に内臓と血管とを支配し,かつ交感神経の幹とつながっているが,また交感神経からの線維束を脳脊髄神経系のなかに導いてもいる.
神経分節が上に述べた形をなしているのは身体のなかで胸部だけである.腰部ではすでに下肢が存在するためにある程度の変化がおきている.頚部および特に頭部ではこの変化がさらに高度である.
神経系は主として神経組織よりなっている,すなねちニューロン(神経元,神経単位)Neuronとグリア(神経膠)Neurogliaとからなるが,なおその構成には結合組織と筋組織とがあずかっていて,この両組織は血管およびリンパ管として多量に存在するのである.
これらの構成要素のすべてについてはすでに第I巻で述べてある.
ここでは器官としての神経系の構造Organstruktur des Nervensystemsについての重要な点を明かにするために,個々の要素の連絡とその関係についてなお少しばかり書き加えることにする.
[図355]ヒトの中枢および末梢神経の横断
最終更新日13/02/03