Rauber Kopsch Band2. 326   

[図407]大脳半球の溝と回転,上からみる.

a)溝Furchen

 脊髄の前正中裂Fissura mediana ventralisは,これが延髄に移行するところは錐体交叉によって大きい影響を受ける(図409).錐体交叉Decussatio pyramidum, Pyramidenkreuzungは長さ6~7mmあり,延髄の表面にみえていることもあり,あるいはかなり深くかくれていることもある.そしてこれは各側3~5本の束よりなっていて,これらの束が正中線でたがいに交叉し,脊髄の灰白柱の一部を貫いて脊髄の側索に達して,そこで脊髄の外側皮質脊髄路となる(図405).ふつうは延髄の錐体路の線維の少部分,特にその外側のものが交叉をしないで脊髄の前皮質脊髄路に続いている.橋にすぐ接するところで前正中裂は広がって,盲孔Foramen caecumという1つの小さいくぼみとなっている(図408).

 延髄の後正中溝Sulcus medianus dorsalisは間もなく横に走る髄質の小片,すなわち(カンヌキ)Obex, Riegelによって閉じられて終る(図421).

S.326   

最終更新日13/02/03

 

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