Rauber Kopsch Band2. 329   

[図409]脳底

 多くの例では特別な横走線維群が,錐体が橋に入るすぐ前のところで錐体の上端をとりまいている.この線維群は前小橋Propons, Vorbrilckchenという名で知られ,各側とも錐体のそばで,また一方は前正中裂の深いところで見えなくなる.

c)第四脳室Ventriculus quartus, IV. Ventrikel(図408, 410, 421, 422, 438)

 第四脳室は中心管が広がった部分であって,脳脊髄液で満たされている.これに次のものを区別する:すなわち底と蓋,側方から境する2つの縁,かなり遠くまで外側へ延びた2膨出部,中脳水道につながる上方rostralおよび延髄の中心管につながる下方kaudalのそれぞれ1つの孔,ならびに軟膜腔に通ずる1つの正中部の孔と2つの側方の孔とである.第四脳室の長さは約25mmである.

 第四脳室蓋Tegmen ventriculi quartiは上方は前髄帆Velum medullare anteriusと側方からこれを境している両側の結合腕Brachia conjunctivaよりなり,下方は小脳の虫部小節Nodulus,左と右の後髄帆Velum medullare posteriusおよび第四脳室脈絡組織Tela chorioidea ventriculi quartiよりなっている.小脳に向かって尖つている第四脳室蓋の突出部は天幕Zelt,その稜線を室頂Fastigium, Giebelkanteという(図410)

 第四脳室蓋の下部にはわずかに厚くなった側縁があり,これは閂(かんぬき)から第四脳室外側陥凹の腹方端まで延び,第四脳室の蓋板をとり除いたさい,多くは延髄に付着して残っている.

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最終更新日13/02/03

 

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