Rauber Kopsch Band2. 357   

β. 頭頂間溝Sulcus interparietalisは頭頂葉の背側面のほず中央を内側かつ背方に後頭葉へと進み,後頭葉に達すると非常にしばしば横後頭溝とつながっているが,すでに頭頂後頭溝の背側端の前で終わっていることもある.

γ. 外側大脳裂の後枝Ramus occipitalis fissurae cerebri lateralisの終末部.

δ. 上側頭溝Sulcus temporalis superiorの終末部.

 以下は頭頂葉の内側面にある溝(図408).

ε. 脳梁溝Sulcus corporis callosi.これは脳梁に平行して走る.

ζ. 頭頂下溝Sulcus subparietalisは外套稜よりも脳梁溝にいっそう近く存在し,後者に平行して走る.

3. 後頭葉の溝

 後頭葉は頭頂葉に対する境がどこでもはっきりしているわけではない.後頭葉は鈍い先端をもつ三角錐の形である.

 その内側面(図408)の溝としてはただ次のものがある:すなわち

α. 鳥距溝Sulcus calcarinus.これは脳梁膨大のうしろに始まり,軽く弓なりに曲がって後頭葉の先端(後頭極Polus occipitalis)の近くにまで達し,ここで終るかあるいは内側面にあるほとんど垂直な方向の1つの溝に続いている.鳥距溝は鋭角をなして頭頂後頭溝の下部と合する.

 脳底面(図425)には次の溝がある:すなわち

β. 側副溝Sulcus collateralis.この溝は側頭葉にも属している.側副溝は後頭葉の先端から多少とも離れたところで始まり,側頭葉の先端に向かって走るが,その先端までは達しない.この溝はしばしば後頭の部分と側頭の部分に分れている.後頭葉に属する側副溝は側頭葉の第3の溝(下側頭溝Sulcus temporalis inferior)と合していることがある.

 背外側面(図406, 407)には次の溝がある:

γ. 上後頭溝Sulci occipitales superiores.

δ. 外側後頭溝Sulci occipitales laterales.

4. 側頭葉の溝

 側頭葉の境界としては外側大脳裂と海馬溝のほかに頭頂葉の境界のところですでに述べた外側大脳裂の後枝から錐体圧痕にいたる想定線である.側頭葉の底面ではこの葉と後頭葉とのあいだの境を示す溝は存在しない.側頭葉には次の溝がある:すなわち

α. 横側頭溝Sulci temporales transversi,側頭葉の背側面にみられる1~4本の溝であって,その後半部に属する溝が最も深い.

β. γ. δ. 上側頭溝Sulcus temporalis superior,中側頭溝Sulcus temporalis mediusおよび下側頭溝Sulcus temporalis inferior(図406, 409, 425).これらのうちで前2者は側頭葉の外側面に,最後のものはその底面にある.

 上側頭溝は外側大脳裂の後枝にほとんど平行して走り,その後端に1本の上行枝があるという点でも外側大脳裂に似ている.中側頭溝は外側の稜に平行して走り,多くのばあいいくつかの部分に分れていて,これがひと続きの溝をなしていることは比較的まれである.

ε. 側副溝Sulcus collateralis(図425)は側頭葉の前端からいくらか離れたところで始まり,後頭葉の後端に向かってすすむ.

ζ. 海馬溝Sulcus hippocampi(図425),この溝は脳梁溝の続きであって,はなはだかくれた位置にあり,歯状回と海馬傍回とを分けている.

II. 大脳外套部の回転(大脳回)Gyri cerebri

a)前頭葉の回転

 その外面には(図406, 407),

1. 中心前回Gyrus praecentralis, vordere Zentralwindung,中心前回は中心溝と中心前溝とのあいだにあって,外側大脳裂から半球の内側面にまで達している.

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最終更新日13/02/03

 

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