Rauber Kopsch Band2. 358   

2. 上前頭回Gyrus frontalis superior,これは上前頭溝と帯状溝とのあいだにある.中心前溝がその後方の境界をなしている.

3. 中前頭回Gyrus frontalis medius,これは上前頭溝と下前頭溝とのあいだにあり,前頭葉の回転全部のなかで最も幅が広く,しばしば上部と下部とに分れている.

4. 下前頭回Gyrus frontalis inferior,これは下前頭溝と外側大脳裂とのあいだにある.その後方の境は中心前溝である.外側大脳裂の前枝と上行枝とによってこの回転は3つの部分に分けられ,これを前からうしろに,眼窩部Pars orbitalis,三角部Pars triangularis,弁蓋部Pars opercularisと呼ぶ.

 眼窩面(図409, 420)には次の回転が存在する:

5. 眼窩回Gyri orbitales,これは不規則に走る回転で,眼窩溝と嗅溝とによって境されている.

6. 直回Gyrus rectusは嗅溝と半球間裂とのあいだにある.

 内側面(図408)には直回と上前頭回のほかに次の諸回転がある.

7. 梁下回Gyrus subcallosusは脳梁吻に平行して走っており,前方は後嗅勇溝によって境され,嗅野にはじまるもので,脳梁の内側縦条に移行している.

8. 嗅傍野Area adolfactoriaは前と後の両嗅第溝のあいだにある.

9. 帯状回Gyrus cinguliは後に述べる脳弓回Gyrus fornicatusの一部である.帯状回は脳梁溝と帯状溝とのあいだにある.

10. 中心傍小葉Lobulus paracentralisはその大部分が前頭葉に属している.この小葉は中心前回と中心後回とのあいだをつなぐものであり,下方と後方は帯状溝の縁部によって境されている.

透明中隔Septum pellucidum(図408, 414, 428, 430)

 透明中隔は正中線のところにあって,脳梁幹の前端部と脳梁吻と前交連と両側の脳弓柱とのあいだに張られている.左右の側脳室の前頭角をたがいに隔てていて,薄い2枚の板すなわち透明中隔板Laminae septi pellucidiよりなり,この2枚の板のあいだに多くのばあい透明中隔腔Cavum septi pellucidiという大きさのいろいろと違う1つの空所がはさまれているが,この腔所はしばしば存在しないことがある.

b)頭頂葉の回転

 頭頂葉の外面には,次のものがある(図406, 407).

1. 中心後回Gyrus postcentralis, hintere Zentralwindung,これは中心前回に平行して走り,中心溝によってこれから隔てられている.

2. 上頭頂小葉Lobulus parietalis superiorは頭頂間溝によって下頭頂小葉から分かれている.その前方の境は帯状溝の縁部であり,後方の境は頭頂後頭溝である.

3. 下頭頂小葉Lobulus parietalis inferiorは頭頂間溝の下方にあり,回旋回Gyrus circumflexusと角回Gyrus angularisという2つの回転よりなる.前者は外側大脳裂の後枝の上端を囲んでおり,後者は上側頭溝の上端を囲んでいる.

 頭頂葉の内側面(図408)には次の諸回転がある:

4. 楔前部Praecuneusは前方は帯状溝の縁部により,後方は頭頂後頭溝により,下方は頭頂下溝により境されている.

5. 帯状回Gyrus cinguli.これは頭頂葉の範囲では脳梁溝と頭頂下溝とのあいだにある.

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最終更新日13/02/03

 

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