Rauber Kopsch Band2. 370   

しかしこれらの線維団は次第に横の方向に平たい多数の葉板Blätterに分れて,これらの葉板が上行するとともにますます明瞭に離れて,そのあいだには尾状核と被殻とを結びつける灰白質の部分がはさまれている.またこれらは尾状核の側縁を越えたところでやはり前額面にのびている脳梁放線の葉板と交叉する.

 この放線部を側方からみると,葉板の稜あるいは幅の狭い側面がのように見えるのでStabkranz(棒のならんだ冠の意)の名がある.

 内包の線維団は尾状核の全長にわたってその外側縁から出ている.

 内包には前脚Crus frontale capsulae internaeと後脚Crus occipitale capsulae internaeとが区別される.前者は尾状核頭とレンズ核とのあいだにあり,後者は視床とレンズ核とのあいだにある.両者は鈍い角,すなわち内包膝Genu capsulae internae, Knie der inneren Kapselをなして合し,内包膝は分界条の前端のところに一致している(図434, 436).

 放線冠のなかを走る投射線維はその長さによって短い神経路長い神経路とに区別される.

[図444]視床の放線冠の一部を示す.

H 大脳半球の皮質;Th 視床;V 前視床脚;o 上視床脚, h 後視床脚(視放線に属する部分),u 下視床脚.

A. 短い投射神経路

 大脳皮質から視床・線条体・内外の両膝状体・赤核・乳頭体に達する線維路である.

1. 視床放線Thalamusstrahlungen(視床の放線冠Stabkranz des Thalamus),すなわち皮質視床路Tractus corticothalamiciと視床皮質路Tractus thalamocorticalesは大脳皮質の諸部と視床とのあいだを連ねる線維群である.これに4つの部分,つまり視床脚Thalamusstieleを区別する,すなわち前視床脚vorderer Thalamusstielは前頭葉と視床の前端とのあいだ,上視床脚oberer Thalamusstielは中心前,後両回ならびにこれに近接する前頭葉と頭頂葉の部分を視床の内側核と外側核と結びつけるもの,後視床脚hinterer Thalamusstielは後頭葉と視床枕とのあいだ,下視床脚Pedunculus thalami basialis, unterer Thalamusstielは側頭葉と視床の下部とのあいだを連ねる.

2. 視放線Radiatio optica,グラチオレ視放線Gratioletsche Sehstrahlungは鳥距溝の周囲の大脳皮質(視覚中枢Sehzentrum)と次の諸部,すなわち外側膝状体(()膝状体皮質路Tractus geniculocorticalis(opticus)),視床枕(視床枕皮質路Tractus pulvinocorticalis)および上丘とのあいだの結合である.

3. ()膝状体皮質路Tractus geniculocorticalis (acusticus),聴放線Hörstrahlungは上側頭回の皮質を内側膝状体および下丘と結合させる.

4. 赤核への放線は弁蓋と前頭葉との皮質から来る.

5. 線条体放線Radiatio corporis striati.線条体の放線には次のものがある:

a)皮質線条部Pars corticostrialis,これは前頭葉と頭頂葉の皮質から来る線維.

b)被殻と尾状核とのあいだの結合.

c)線条視床部Pars striothalamicaおよび線条視床下部Pars striohypothalamica,これらはレンズ核と視床とのあいだの結合である.レンズ核係蹄Ansa lenticularis, Linsenkernschlingeはレンズ核の3節のすべてから出る線維よりなり,顧この線維群はレンズ核の底で密な1層をなして視床に達し,あるいは視床からここに来ている.

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最終更新日13/02/03

 

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