Rauber Kopsch Band2. 389   

 白網様質Substantia reticularis albaと呼ばれるのは,この断面で舌下神経の根線維と縫線とのあいだにある部分である.白網様質は縦断された(すなわち横走の)内弓状線維および内側縦束と内側毛帯との横断された線維束の集り,ならびに主として縫線に沿って存在するかなりの量の神経細胞よりなっている.

[図459]延髄,橋および中脳の各横断図の高さを示す.

 灰白網様質Substantia reticularis griseaもやはり縦断あるいは横断された数多くの神経束よりなるが,これらの神経束のあいだにある灰白質の量が多い.この点が白網様質では神経線維束が圧倒的に多いことと異なっている.

 灰白網様質のなかでは三叉神経脊髄路核と舌下神経の根線維とのほぼ中間に神経細胞の1小群が新たに現われていて,これが迷走神経の()運動核のいわゆる疑核Nucleus ambiguusである.その細胞の神経突起は背内側に斜めにすすみ,灰白翼にある迷走神経背側核に達し,そこで曲がって迷走神経の根線維となるが,この根線維は図にはみえていない.

 さらにオリーブ核Nucleus olivaeというひだに富む板状の灰白質が新たに現われていて,これは多数の中等大の神経細胞をもっている.この核の内側腹方にはすでに前に述べた内側副オリーブ核Nucleus olivae accessorius medialisがあり,また背方には背側副オリーブ核Nucleus olivae accessorius dorsalisがすでに現われている.

 オリーブ核の外側部で,視床(および赤核)からオリーブ核へ下行する線維が終わっている.これが視床オリーブ路Tractus thalamoolivaris(Bechterew)あるいはもっと正確には視床赤核オリーブ路Tractus thalamorubroolivaris,すなわち中心被蓋束zentrale Haubenbahnである.

S.389   

最終更新日13/02/03

 

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