Rauber Kopsch Band2. 402   

結合腕交叉はすでに終わっている.その交叉を終えた線維束は被蓋のなかで正中線のすぐそばに円味を帯びた索をなして集まっている.この線維群の背方には両側に内側縦束があり,内側縦束のさらに背方でその線維束のあいだに動眼神経核Nucleus originis nervi oculomotoriiの細胞群がある.動眼神経の根線維は内側縦束の線維束のあいだを通り,結合腕を貫いて,外側に凸の弓を画いて腹方にすすみ,動眼神経溝に達する.視床オリーブ路は相変らずその場所にあり,内側毛帯の位置はさらに側方に移り,視蓋脊髄路は背方にある.

[図467]橋の横断面V

(その高さについては図459参照).

滑車神経の核,結合腕交叉がみえる. 有髄神経線維は黒,神経細胞は赤.

 大脳脚は横断された神経線維の強大な1集団であって,その背方には黒核(黒質)Nucleus nigerがあり,これは被蓋に属するのである.黒核は緻密帯Zona compactaと網様帯Zona reticularisとの2部よりなり,これはSpatzのいう“黒色部Pars nigraと赤色部Pars rubra, schwarze und rote Zone”である.その黒色部だけがメラニンをもつ大きい神経細胞を含み,これは背方かつ内側下方にある.赤色部は腹方かつ外側上方にあって,淡蒼部(淡蒼球)と似た構造をもち,有髄神経線維が豊富にあって,ここには大きい神経細胞がまばらにあるだけである.

S.402   

最終更新日13/02/03

 

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