Rauber Kopsch Band2. 413   

 Brodmannおよびその他の学者による広汎な研究によって細胞構築Cytoarchitektonikの驚くべぎ多様性が大脳皮質の数多くの点. について確かめられてきた.

 Brodmannはおよそ50の領域を区別して,皮質領RindenfelderあるいはAreaeと名づけている.

 “退化的rudimehtär”な皮質領域(帯状回の一部や嗅脳)は例外であって,これらの場所では6層構造が胎生期にも誰明されないし,あるいは今日までにその証明ができていない.

[図477]ヒトの大脳皮質の構造(Brodmannによる模型図)

 個々の皮質領の構造の違いは,基本型に次のような変化がおきることによって生ずるのである.すなわち個々の層の数とその発達度が変ること,あるいは横断面の全部ならびに個々の層における細胞成分の密度とその大いさが変ること,ある特別の細胞の形がでぎてくること,皮質全体の厚さが変り,またそれぞれの層の相対的な厚さの関係が変ることである.(図480, 481, 483を比較されたい.これらの図はいろいろな皮質領域を同一の拡大で示してある.)

 個々の層形成のぐあいがそれぞれその部分の皮質領に限られている.相隣る領域の境界は一部は線を引いたように鋭く,また一部では次第に移り変わっている.この境界は少数の例外を除いて多くは溝と正確には一致していない

 ここではこの重要な事実についてただ概括的な見通しを述べておく.興味があり,かつ重大なことばほかの研究者によってもすでに知られ,また強調されている次のことである.それは解剖学的に区別された皮質領域のいくつかが生理学的に決定された区域,すなわちいわゆる精神作用の中枢と完全に,あるいはかなりよく一致する(一致する程度にいくぶんの差はあるが)ことである.

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最終更新日13/02/03

 

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