Rauber Kopsch Band2. 427   

 遠皮質性の伝導路は次のものである:すなわち錐体路とその他の遠皮質性の線維であり,後者はけっきょく前根細胞と運動性の脳神経核とに達するが,その途中で脳幹,小脳,延髄および脊髄の諸核において中断されている(図507,  508).

[図494]大脳皮質の運動性領域(赤)と知覚性領域(青) ( 4/5) (Ziehenによる皮質領)

左の大脳半球を側方,且ついくらか上方からみる.

2. 後頭部occipitale Zone

 これは鳥距溝の上下の両壁,楔部および後頭葉の外面に当たっている.--鳥距溝の両壁とその近くの周囲部は視覚中枢Sehzentrumであって,ここは(414頁参照)ヴィック・ダジール条の存在により(そのために有線領Area striataと呼ばれる),また細胞が特に多くの層を形成することにより目だつのである.

 視覚中枢の内部で網膜の定まった部位が視皮質の定まった部位に投射している(443頁参照).しかし黄斑の部位が特別に限局しているかどうかは疑わしい.

 その求皮質性伝導路は外側膝状体(および視床枕)を越えてくる視索により,なおまた視放線の膝状体皮質路により形成されている.膝状体皮質路は外側膝状体と視床枕から視覚中枢に達するのである(図504).

 その遠皮質性伝導路は上に述べたのとは逆の方向に進むもので,皮質視床路Tractus corticothamiciの線維よりなり,この伝導路は外側膝状体に達し,さらにその先は網膜にいたる.また視放線のふくむ遠皮質性の線維が外側膝状体,上丘および視床枕のなかでニューロンを換えて,動眼筋を支配する3つの神経の核と脊髄の前根とに達している.

 楔部と後頭葉の外側面ならびに上面とには視覚性の記憶像optische Erinnerungsbilderの場所がある.

 角回Gyrus angularisには視覚性言語中枢optisches Sptachzentrumがあり,またDöllkenによればものを見ることの本来の動作と結びついた眼球運動の中枢がここに存在する.

S.427   

最終更新日13/02/03

 

ページのトップへ戻る