Rauber Kopsch Band2. 432   

 小脳性の伝導路はいくつかに分けることができる.

1. 後脊髄小脳路Tractus spinocerebellaris dorsalis, dorsale Seitenstrang-Kleinhirnbahn(Flechsig).これは背核の細胞の神経突起よりなり,その突起は同じがわの側索の背側半へと走り,そこで脊髄の周辺部に位置を占め (randstdndige Lagerung),上行して延髄に達する.延髄では初めはオリーブ核と三叉神経脊髄路とのあいだにあるが,次第に背方に位置を変え,索状体に加わる.そこでは中心部に位置を占めて,一部は同側しかし大部分は反対側の虫部に達する(図497).

2. 前脊髄小脳路 Tractus spinocerebellaris ventralis, ventrale Seitenstrang-Kleinhirnbahn(Gowers).その線維は反対がわの後柱の核から起り,側索の前半の縁に沿って進み,そのさい後脊髄小脳路の腹方にある.この伝導路は側索の腹方部の周辺のところを後脊髄小脳路に隣接して上行する.しかし延髄の範囲でオリーブ核の高さでは,特別な1つの経路をとり,延髄の上部では三叉神経脊髄路と内側毛帯とのあいだにあり,橋被蓋になると顔面神経根のすぐ内側に位置を占める.前脊髄小脳路はさらに上方では三叉神経の根の内側にある.次いで外側背方に位置が変り,その一部は曲がって外側毛帯に外方から接し,上外方から結合腕をめぐって進み,そのさいは小脳の鈎状束Fasciculus uncinatusの外側に接している.そしてけつきくは前髄帆を貫いて他側の虫部に達するのである.

3. 延髄小脳路Tractus bulbocerebellares(Elze)は同側および反対側の後索核から出る.反対側からのものは内弓状線維となって縫線に達し,次いで他側の錐体の内側面と腹方面とをめぐって弓状核に達し,弓状核のなかで中断していることもあるが,けっきょくは前外弓状線維となって索状体に達する.同側の後索核から出る線維はこの核の背方面のところで後外弓状線維となり同じく索状体に達する(図497).

[図496]知覚性脊髄神経の中心径路(BechterewおよびR. Richterによる)

内側毛帯(=内側および外側延髄視床路+脊髄視床路)をで示す.bc視床を通りぬける延髄皮質線維;l後索外側部(楔状束);m 後索内側部(薄束);Ncd後柱核;Ncr上丘核;Nld後索外側部核(楔状束核);Nlt視床外側核;Nmd 後索内側部核(薄束核);Rd後根;spt脊髄視床路;tc視床皮質路.

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最終更新日13/02/03

 

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