Rauber Kopsch Band2. 437   

中間神経の経過と終末ほ舌咽神経のそれらと類似しており,その下行性線維はやはり孤束に達し,孤束核Nucleus tractus solitariiに終る.孤束核はまたNucleus terminalis n. intermedii et nucleus terminalis accessorius n. glossopharyngiciとも呼ばれるのである.中間神経の中心がわの伝導路は舌咽神経の知覚性線維の経過と全く一致している.

[図500]舌咽神経と迷走神経の核および伝導路(BechterewおよびR. Richterによる)

は内側毛帯,は運動性ニューロン. IX舌咽神経;X迷走神経;Fi内弓状線維;i 中間神経;Ll外側毛帯;Lm内側毛帯;Na 疑核;Ncr上丘核;Nd迷走神経背側核(副交感性)(迷走神経背側核はNomina Anatomica JAponicaではNucleus originis parasympathicus nervi vagiであるが,本書では原著のままNucleus originis dorsalis(parasympathicus)nervi vagiとする.(小川鼎三));Nlt視床外側核;Ns延髄唾液分泌核;Nt灰白翼核;Nts孤束核;Sil毛帯オリーブ間層;tc 視床皮質路.

 迷走神経Nervus vagusの知覚性の部分sensible Anteile(図500)は頚静脈神経節と節状神経節とから始まる.これらの神経節の細胞からおこる中心がわの枝は束をなして延髄の外側部に入り(図461),そのさい舌咽神経より下方で入る.そして舌咽神経の線維と同じく第四脳室底の下で短い上行枝と長い下行枝とに分れる.前者は第四脳室底で膠様質の近くにある神経細胞に達し,後者--すなわち下行性の細い線維--は下方に向かって進み孤束のなかを舌咽神経の線維といっしょになって走り,次いで膠様質に入り,けっきょく枝分れしてその終末分枝がこの膠様質に属する神経細胞において終るのである

 迷走神経の中心経路はそれより先きは内弓状線維となって,舌咽神経のものと同じく大部分が縫線で交叉し,一部は交叉せず同側にとジまって網様質の腹方部で毛帯層の背方を上行し,けっきょく全部が内側毛帯の経路に移行する.そしてこの毛帯といっしょになって視床外側核に達し,この核より上方では視床皮質路に続き,この視床皮質路は舌咽神経の中心経路が皮質で終るところの近くで皮質のなかに広がっている.

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最終更新日13/02/03

 

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