Rauber Kopsch Band2. 447   

これからは2つの線維束が出る(図508).その1つは錐体路とともに走り,橋の範囲で被蓋に移行し,縫線で交叉して他側の外転神経核に向う.外転神経核は内側縦束の線維(図503参照)によって内側[眼球]直筋を支配する動眼神経核の部分と結合している.第2の線維束はおそらく上丘と視床の後方部との間のところで上に述べたものから分れる.そして被蓋に達し,一部は他側に行き,まだわかっていない路を通って反対側の動眼神経核のその他の部分と同側の滑車神経核とに達する.

[図508]運動性の脳神経の伝導路,核および根 皮質延髄路Tractus corticobulbares(BechterewおよびR. Richterによる) a, b 眼球回転“Augendrehung”に対する皮質の中枢とそこから眼筋の運動を支配する神経(N. III, N. IV, N. VI)の核にいたる伝導路;c 肩部挙上“Schulterhochziehen”に対する皮質の中枢とそこから副神経(N. XI)の核に達する伝導路;fロと眼瞼の筋に対する皮質の中枢とそこから起こって顔面神経(N. VII)の核にいたる伝導路;h “舌”に対する皮質の中枢と舌下神経の核への伝導路;k“咀嚼”に対する皮質の中枢と三叉神経の運動性の核に達する伝導路;s “喉頭”“咽頭”に対する皮質の中枢およびそこから舌咽神経と迷走神経の筋運動性の核(=疑核)に達する伝導路; N. III, N. IV, N. V, N. VI, N. VII, N. XI, N. XII=動眼神経核,滑車神経核など以下これにならう.

 外転神経核の細胞の神経突起は交叉することなく腹方に走り(図464),橋の下縁から外に出る.滑庫神経核の細胞の神経突起は背方に走り,前髄帆の領域で完全に交叉して四丘板のうしろで外に出る(図466, 467).最後に動眼神経核の細胞の神経突起(図469, 470, 491)は大部分が腹方に走り,かつ交叉していない.しかし他の神経突起,それは動眼神経の主核の下部からでる神経突起はこの核の背方で交叉している.

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最終更新日13/02/03

 

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