Rauber Kopsch Band2. 498   

この神経叢の方向は斜めに下行しており,その神経束は同時に遠位の方で集まっている.鎖骨がこの神経叢と交叉するので,鎖骨上窩にある鎖骨上部Pars supraclavicularisと腋窩にある鎖骨下部Pats infraclavicularisとが区別される.

 鎖骨上部Pars supraclavicularisは胸鎖乳突筋の下部の外側で後方にあり,肩甲舌骨筋の下腹と交叉する.この神経叢の上部の3根は鎖骨下動脈より上方にあるが,下部の2根あるいは3根はこの動脈の背方にある.頚横動脈はこの神経叢の束と束のあいだをへて現われるか,あるいはこれらの前方を通りすぎる.

 鎖骨下部Pars infraclavicularisは小胸筋と大胸筋とに被われている.その終末のところは肩甲下筋と外側鋸筋とのあいだに埋もれている.腋窩動脈はこの神経叢の前面から正中神経の2根がつくる裂け目を通りぬけ,正中神経のフオーク状の部分に囲まれて,かくしてこの神経のうしろがわに達する.

[図536]頚部の神経と血管 深層

S.498   

最終更新日13/02/03

 

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