Rauber Kopsch Band2.534   

 a) 内側枝は第3指と第4指のたがいに向き合った側面への枝に分れる.--b)外側枝は腓側足背皮神経N. cutaneus dorsi pedis fibularisと結合して第4指と第5指のたがいに回き合った側面に分布する.

 中足背皮神経は第2指と第3指のたがいに向き合った側面への神経をも出していることがある.他方この神経がときとしてすでに足背の範囲で終り,そのばあい腓側足背皮神経N. cutaneus dorsi pedis fibularisがその代りに普通より広い分布領域を示している.そのような例では腓側交通枝が太くなっている.

B. 深腓骨神経N. fibularis profundus(図559, 560, 563)

 これは長腓骨筋と長指伸筋との起始部を貫いて,前脛骨動静脈に達し,これらの血管の前で初めは前脛骨筋と長指伸筋とのあいだ,さらに下方では前脛骨筋と長母指伸筋とのあいだを下行する.足関節のところでは血管といっしょに十字靱帯の下の長母指伸筋腱がとおる管状部を通りぬけ,各1本の内側および外側の終枝に分れる.

 下腿をとおるあいだにこの神経からは次の諸枝が出る: a)前脛骨筋への筋枝,これは上方と下方の各1本がある;--b)長指伸筋への1本の筋枝;--c)長母指伸筋への2本の筋枝;--d)足関節の前壁への1本の関節枝;e)前脛骨動脈への血管神経である.

 内側の終枝は幹と同じ方向をとってすすみ,足背動脈に伴って第1中足骨間隙に達し,これと交叉する短母指伸筋腱の下をへてこの骨間隙の遠位端に達する.ここで常に浅腓骨神経の1小枝と結合し,2本の主要な枝,すなわち腓側母指背側指神経および脛側第2指背側指神経Nn. digitales dorsales hallucis fibularis et digiti secundi tibialisに分れ,母指と第2指の背側でたがいに向き合った側面にゆく.その途中で隣接する関節に次の枝を送る:すなわち2本の小枝が第1と第2中足骨に沿って遠位の方に走り,中足指節関節の関節包に終る.

 外側の終枝は短母指伸筋と短指伸筋に被われて足根の上を外側に向い,短指伸筋に分布し,また3本の関節枝をだしている.

5b. 脛骨神経N. tibialis(図557, 559, 561, 564)

 これは腓骨神経の2倍の太さがあり,膝窩の中央を通って下方に走り,膝窩動静脈の後方,かつやや外側にある.これは直ちに腓腹筋の両頭のあいだでヒラメ筋の上縁にまで達し,ヒラメ筋のアーチ形をした腱の下で後脛骨筋とヒラメ筋とのあいだのすきまに入り,後脛骨動脈とともに腓腹部の深層筋と浅層筋のあいだを下行し,脛骨課と踵骨との中間で太い血管の外側で足関節の内側面に達し,脛骨躁のうしろでその2終枝に分れる.この2終枝は腓側足底神経N. Plantaris fibularisと内側足底神経N. Plantaris tibulalisであって,これらは破裂靱帯の下をとおり足底に達するのである(図564)

 脛骨神経が総腓骨神経と合して坐骨神経をなしているあいだに脛骨神経から分れる枝についてはすでに述べた.それは内閉鎖筋・両双子筋および大腿方形筋・半腱様筋・半膜様筋・大内転筋・大腿二頭筋長頭への諸枝である(528, 529頁参照).

 膝窩下腿において脛骨神経からは次の諸枝がでる:

a)腓腹神経N. suralis(図559, 562, 第I巻,図698, 699),これは膝窩の上部において発し,腓腹筋の両頭のあいだの溝を下方に走り,ここでは小伏在静脈の外側面で筋膜下にあり,アキレス腱の上端の高さでこの筋膜を貫き,次いで腓側交通枝R. communicans fibularisと合し,小伏在静脈とともに腓骨躁のうしろをすすみ,腓側足背皮神経N. cutaneus dorsi pedis fibularisとして足の外側縁を走る.

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最終更新日13/02/03

 

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