Rauber Kopsch Band2.541   

a)肛門神経Nn. anales(第I巻,図671, 672)

 しばしば小坐骨孔に入る前のところで陰部神経からこれが分れて,細いいく本かの枝として内側かつ前方に走り,肛門部の皮膚および外肛門括約筋へと放散している.

b)会陰神経N. perinealis, Dammnerv(第I巻,図671, 672)

 これは外側を走り,次の諸枝をだしている:

α)陰嚢神経(陰唇神経)Nn. scrotales(labiales),これは多くのばあい2本の小幹をなし,主として陰嚢(大陰唇)の皮膚に分布する.

β)筋枝Rami musculares.これらはしばしば共通の1本の小幹をなして発し,浅会陰横筋の上を通り,あるいはこの筋を貫いて尿生殖隔膜の外面に達し,ここから浅会陰横筋・外肛門括約筋の前方部・球海綿体筋・坐骨海綿体筋に分布する.なお1本の小枝が尿道海綿体球の中に(尿道海綿体球動脈とともに)入り,尿道の粘膜にいたる.

c)陰茎背神経(陰核背神経)Ndorsalis penis (clitoridis) (図565, 第I巻,図671, 672)

 これは陰部神経の幹からおこる最も深いところにある終枝で,陰茎動脈とともに坐骨枝の恥骨部と恥骨枝の結合部との内面に沿って尿生殖隔膜を貫いて走り,ここから深会陰横筋と隔膜尿道括約筋とに分布し,尿生殖隔膜を貫いて陰茎提靱帯の外側で陰茎背(陰核背)に達する.そして陰茎の背部を前方にすすみ,8~10本の側枝をその皮膚に,別の若干の枝を陰茎海綿体にあたえ,亀頭に達する4~5本のかなり太い枝となって終る.亀頭に終る枝が特別な1本をなして,その他の枝から別れていることがある.

2. 筋枝Rami musculares

 肛門挙筋への肛門挙筋神経N. musculi levatoris ani.と尾骨筋への尾骨筋神経N. musculi coccygiciとである.これらの枝は共同の幹をなして起こっていることもあり,また別々に起こっていることもある.

3. 下直腸神経,下膀胱神経および腔神経Nn. rectales caudales, vesicales caudales et vaginales

 数は4~5本あって,その一部は直接にこれらの名で呼ばれる骨盤の臓器(直腸, 膀胱および腟)に達し,一部は交感神経と結合している.

2. 筋枝Rami musculares

 肛門挙筋への肛門挙筋神経N. musculi levatoris ani.と尾骨筋への尾骨筋神経N. musculi coccygiciとである.これらの枝は共同の幹をなして起こっていることもあり,また別々に起こっていることもある.

3. 下直腸神経,下膀胱神経および腔神経Nn. rectales caudales, vesicales caudales et vaginales

 数は4~5本あって,その一部は直接にこれらの名で呼ばれる骨盤の臓器(直腸, 膀胱および腟)に達し,一部は交感神経と結合している.

 

7.尾骨神経叢Plexus coccygicus, Steißbeingeflecht(図565)

 これは小さい神経叢であって,SVとCoIとの一部よりなる.上方では(仙尾骨神経係蹄Ansa sacrococcygicaにより)陰部神経叢とつながる.いく本かの短い小枝が尾骨神経叢と交感神経幹の下端部,すなわち第4あるいは第5仙骨神経節および尾骨神経節とのあいだを結びつけている.

 仙尾骨神経係蹄から,あるいはSVそのものから肛門尾骨神経N. anococcygicusがでている.これは尾骨筋の前面の上を走り,次いでこの筋と肛門挙筋とのあいだをへて背側面に入り,尾骨角の外側で皮膚の下に達する.ここで尾骨神経の後枝Ramus dorsalisからの1小枝と結合して,若干の小枝(すなわち肛門尾骨神経Nn. anococcygici)を肛門と尾骨のあいだの皮膚にだし,また尾骨筋神経N. coccygicusに属する諸枝が後方に走り,尾骨じしんの後面を被う皮膚に分布している.

S.541   

最終更新日13/02/03

 

ページのトップへ戻る