Rauber Kopsch Band2.542   

[図565]男の骨盤の右半の内面および諸神経の分枝(3/10) (HirschfeldおよびLeveilléによる)

D. 交通枝 Rami communicantes(図371, 530, 570)

 胸神経の領域にある交通枝が最もかんたんな様子を示している.そこでは交通枝が後枝のおこるところに向き合った個所,あるいはそのそばですぐ前方のところで胸神経からでて,ついで鋭角をなして内側,下方,かつ前方にすすみ,近くにある[交感]幹神経節の外側縁に入る.神経節の上枝Ramus cranialisあるいは下枝Ramus caudalisに入ることは極めてまれである.

 交通枝は1本であるか,あるいは2本の小枝に分れており,ときには3本に分れ,これらの小枝はたがいに平行に列んでいるか,あるいはかなりの間隔をおいて脊髄神経の幹から発して1つの[交感]幹神経節に向かって集中している.これに反して1つの交通枝に属する小枝が2つの異なる[交感]幹神経節に入るばあいはたがいに遠ざかつている.

 頚神経の交通枝はその数においても,結合のしかたにおいても胸神経のばあいよりもいっそう大きい変化を示すのである.この変化は本質的には頚部の交感神経節の長さがいろいろと異なることにより,また中頚神経節が欠けることによってひきおこされる.これは第1と第2頚神経の交通枝,第7と第8頚神経の交通枝が頚部では最も規則正しい配列を示すことと連関がある.

S.542   

最終更新日13/02/03

 

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