Rauber Kopsch Band2.545   

 このニューロンは知覚性の興奮を末梢および後根から脊髄神経節に導くのであって,ここでは介在細胞によって別の細胞に伝達するようになっている.

4.2本の突起とも遠細胞性celtulifugatに伝える細胞:その中枢がわの突起は後根線維として脊髄に入り,側柱の細胞群に達する,それゆえ求心性zentripetalであるが,末梢がわの突起は遠心性に伝える]のである.

 これらの細胞は体知覚性の細胞および内臓知覚性の細胞から介在細胞を介して,あるいは交感神経からの線維によって興奮を受けとる.

5. 単極性の細胞ecnipolare Zellen,その突起は脊髄神経の内部に,あるいは交通枝を通って交感神経に達し,両方のばあいとも血管に終わっている.

 これらは脊髄神経節のもつ血管運動性の細胞である.別の説によれば血管収縮性の(交感神経性の)線維Vasoconstrictorenは前根を通り,血管拡張性の(副交感神経性の)線維Vasodilatatorenは後根をとおるという.

6. 介在細胞“Schaltzellen”,これは多極性の細胞であって,そのいく本かの突起がこの神経節の範囲にとどまり,それを越えて外にでることはない.それゆえただ神経節内の結合のはたらきをしているに過ぎない.

 そのほかにいわゆる通過線維“durchtretende Fasern”が神経節を貫いて通りぬけている.

 脊髄神経節の結合線維は神経根のそれと同じく髄膜の続きをなすものと見なされる.個々の細胞とそれからでる線維はそれぞれ結合組織性の鞘の続きによって包まれている(図365, 366参照).

神経の血管Blutgefäße der Nerven

 Tonkoffによれば神経栄養動脈Arteria nutricia nervorumと神経伴行動脈Arteria comes nervorumとが区別されなければならない.後者は皮膚の動脈と筋肉の動脈とのあいだを吻合させるものであり,側副路の形成にさいして重要なものとなり得る.

 第1頚神経節はその栄養枝Ramus nutriensを直接に椎骨動脈から受ける.すべての脊髄神経節はその動脈をそれぞれ2つまたはそれ以上の源から受けとるのである.最も重要な源をなすのは体分節性の動脈の脊髄枝Ramus spinalisから出るRamulus medius(中央の小枝)であって,これはA. radicalis medullae spinalis(脊髄根動脈)といおれるものに続いている.Tonkoffはすべての太い神経幹についても正確な報告をなしている(Internat. Monatsschrift f. Anat. und Phys.,15. Bd.,1898).

[図566]生後10日のラットの脊髄神経節1個の横断 

クローム銀染色(Cajal) この図には細胞周囲の定型的な分枝をいろいろな標本からまとめ合せて画いてある.

F, G, H細胞周囲の神経線維籠Nervenfaserkörbe;P, J 神経節のなかで枝分 れする線維;A前根;B交感神経根(交通枝);C 脊髄神経の前枝;D 脊髄神経の後枝;E 脊髄神経節の細胞.

神経分節・筋分節および皮膚分節の互いのあいだの関係

 節をなしてつぎつぎに並ぶということは周知のごとく神経系Nervensystemと血管のみに見られるのではなく,さらにまた,それもいっそうはっきりした程度で筋肉MuskulaturとKnochenがそうである.なおまた,全身の皮膚Integumentすなわち外皮が神経と血管の支配によって分節に関与している,つまり皮膚分節Dermatomeren, dermale Segmenteが分けられるのである.またもそれ以外の体に共通する配列を示さないとはいえない.もっとも腸では,特にその腹部にある部分ではすでに早期に小腸と大腸の長さが著しく増すことによって,分節の境が完全になくなってしまうのである.しかし腸およびその他の内臓のすべてをみると,その神経および」血管の分布する関係はその発生史と相まって腸分節Enteromerenの厳存することを示すのである.

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最終更新日13/02/03

 

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