歴史的な偉大な解剖学書
これらすべての分節構造を生ずることについての最も直接的な誘発要素はおそらくは筋肉Muskeclaturが かなり早期に分節的な配列を示すことに求めるべきであろう.
各神経分節にはそれぞれ相応した筋分節,皮膚分節,腸分節が属している.その発達のあいだに同一の体分節に属する神経,筋などの分節は高度にその位置が移りかわるので,1つの分節に属する諸部分を知ることは骨の折れる研究を必要とする.とくに皮膚分節および筋分節とそれに相当した神経分節との関係を知ることは実地医学において大きな意義がある.
それゆえ次にこの関係を1つの表にまとめてみよう.この表では神経分節とそれに属する筋領域と皮膚領域との関係が示され,また反射に関係する諸分節も示してある.
StarrとEdingerが動物実験と病理学的な観察とに基づいてまとめたものによる.個々の筋について少しばかり異なる報告がされているが,それをこの表と比較されたい(第1巻).
分節 |
筋 |
反射 |
皮膚の感覚支配 |
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第2~第3頚分節 |
胸鎖乳突筋の胸骨乳突部 |
肋骨弓に急激に圧を加えたときの吸気 |
項部および後頭部 |
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僧帽筋 |
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斜角筋群および項部の諸筋 |
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横隔膜 |
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第4頚分節 |
横隔膜 |
項部の刺激による瞳孔散大,第4から第7までの頚分節 |
項部 |
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棘上筋と棘下筋 |
肩の上部 |
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三角筋 |
上肢の外方面 |
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上腕二頭筋と烏口腕筋 |
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腕橈骨筋 |
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菱形筋群 |
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第5頚分節 |
三角筋 |
肩甲反射,第5頚分節から第1胸分節まで |
肩および上肢の後面 |
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上腕二頭筋と烏口腕筋 |
相当する筋の腱反射 |
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腕橈骨筋と回外筋 |
上腕および前腕の外方面 |
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大胸筋の鎖骨部 |
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外側鋸筋 |
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菱形筋 |
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上腕筋 |
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小円筋 |
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第6頚分節 |
上腕二頭筋 |
上腕および前腕の伸筋群の腱反射 |
前腕の外方面 |
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上腕筋 |
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大胸筋の鎖骨部 |
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外側鋸筋 |
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上腕三頭筋 |
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手および指の伸筋群 |
手関節の腱第6から第8までの頚分節 |
手背面,橈骨神経の分布領域 |
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回内筋群 |
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第7頚分節 |
上腕三頭筋の長頭 |
手掌を叩くと諸指を閉じること |
橈骨神経の分布する手の領域分節 |
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手と指の伸筋群 |
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手の屈筋群 |
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手の回内筋群 |
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大胸筋の胸肋部 |
最終更新日13/02/03