Rauber Kopsch Band2.549   

2. 交通枝Rami communicantes,すなわち交感神経幹を脳脊髄神経系に結合させている数多くの神経束.

3. はなはだ多数の末梢枝 Periphere Zweige,これは交感神経幹のいろいろな場所からでて,末梢へと走り,ここでふたたび脳脊髄神経と多くの場所で結合し,また交感神経叢Plexus sympathiciを形成したり,この神経叢のなかに大小いろいろの神経節,すなわち交感神経叢の神経節Ganglia plexuum sympathicorumをもつ傾向がいちじるしい.これらの神経節は交感神経幹に属する神経節に対して交感神経の末梢神経節periphere Ganglien des Sympathicusとも名づけられる.

4. 横走する結合枝,すなわち横枝Rami transversi,これは両側の交感神経幹をたがいに結びつけるもので,変化に富んでいる.横枝は交感神経の腰部Lumbalteilと仙骨部Sakralteilでだけかなり規則正しい存在を示している.

 交感神経系は身体を大きく分けた諸部のいずれにも広がっているので,これに頭部KoPfteil・頚部Halsteil・胸部Brustteil・腹部Bauchteilおよび骨盤部Beckenteilを区別する.

[図567]交感神経の模型図

1,1 交感神経幹の神経節;2, 2 節間枝;3 交通枝;4 交感神経節から出て末梢へいたる枝;5 両側の神経節を横の方向に結合する,いわゆる横枝.

1.交感神経幹とその神経節

 交感神経幹は一部は脊柱のそばに,一部は頭蓋底にあり,つまり頭部から尾骨にまで延びているのである.

A. 頚部(図524, 527, 570)

 頚部では各側に通常3つの[交感]幹神経節Grenzstrangganglienがみられる.それは各1個の上,中,下の頚神経節であって,これらはもともと8つの分節性の神経節が2次的に融合して3つになったのである.

1. 上頚神経節Ganglion cervicale craniale, kraniales Halsganglion(図515, 524, 527)

 これは平たい紡錘形のふくらみで,長さ25~30mm,幅6~8mm,厚さ3~5 mmあり,第2と第3頚椎の肋横突起の前方で,頭長筋と深頚筋膜との前にあり,内頚動脈の後方,迷走神経の幹の内側にある.

 上頚神経節の上端は頭部の交感神経とつながり,また下端は第4頚椎,たまには第5頚椎の上端の高さで1つの神経幹に続くが,この幹はまれには重複していることがあり,中頚神経節と結合するのである.中頚神経節は欠如していることがあって,そのときには上頚神経節の下方への節間枝Ramus intergangliaris caudalisが下頚神経節に達する.

 上頚神経節がいくつかの部分からなっていることを示すかのごとくその縁にくびれのあることがまれではない.実際にこの神経節は少くとも4つの分節的の[交感]幹神経節の集合体に相当している.

S.549   

最終更新日13/02/03

 

ページのトップへ戻る