Rauber Kopsch Band2.551   

しかしこの係蹄のなかに小さい神経節が含まれているのが通常である.別の例では(Schumacher, Sitzber. Akad. Wiss. Wien,114. Bd., Abt. しかしこの係蹄のなかに小さい神経節が含まれているのが通常である.別の例では(Schumacher, Sitzber. Akad. Wiss. Wien,114. Bd., Abt. III,1905によればこれが普通である)第1尾椎の前面の中央に1つのはっきりとした小さい不対の神経節があって,これが尾骨神経節Ganglion coccygicumであり,これは2つの神経節に分れようとする傾向を示していることがある.

 変異:交感神経幹が少数の場所で中断していることがある.そこでは節間枝が欠如している.Bichatによればこのことは胸部において最もしばしばみられる.多くの動物では[交感]幹神経節の相互の結合が大なり小なりの範囲に欠けているのが正常であって,たとえばヘビの場合がそうである(J. Müller).

2.交通枝Rami communicantes

 これちは脳脊髄神経系の枝としてすでに述べたのであって,脳脊髄神経系と交感神経系とをたがいに結びつけており,脳神経および脊髄神経の前根と後根に属する線維を交感神経に導くが,一方また交感神経の線維をも脳脊髄神経の定型的な残りの3枝(前枝,後枝,髄膜枝)に導いている.上記 542,  543頁および図399, 524, 527, 570を参照せよ.

3.交感神経系の末梢の分枝

A. 交感神経系の頚部Pars cervicalis systematis sympathici, Halsteil
1. 上頚神経節の諸枝および結合関係(図524, 527)

a)上方への枝kraniale Äste:

 内頚動脈神経N. caroticus internus;これは内頚動脈とともに頚動脈管に入る(図515).

 頚静脈神経N. jugularis;これは頚静脈孔に達して2本の枝に分れる,その1本は迷走神経の頚静脈神経節に,他のものは舌咽神経の外神経節に達する.

b)下方への枝kaudale Äste:

 下方への節間枝Ramus intergangliaris caudalisは長い結合索であって,中頚神経節に達し,あるいは(中頚神経節が欠けているときには)下頚神経節に達する.

 上心臓神経N. cardiacus cranialis.これはしばしば上に述べた節間枝からおこる1枝を合して太くなり,この節間枝の内側で頚長筋の上を下方に走り,下甲状腺動脈の背方を通って胸郭上口に達する.次いで右側では腕頭動脈に沿い,左側では左総頚動脈に沿ってすすみ,心臓神経叢に達する.これが頚部を走るあいだに迷走神経の上心臓枝ならびに同じく迷走神経から喉頭へゆく枝と多くの結合をなし,また多数の枝を甲状腺にあたえている

[Nn. thyreoidei craniales(上甲状腺神経) (Braeucker)].上心臓神経が心臓神経叢の表層の部分に入るさいに大動脈弓の凹側縁で単一の神経節あるいは2つに分れた神経節に達する.後者のばあいには右側の神経節がいっそう大きいことが普通である.この神経節が1個しかないときは,その長さが5~6mmあって,そのときには心臓神経節Ganglion cardiacumと呼ばれる.しばしばそれよりも上方で上心臓神経の幹のなかに上心臓神経節Ganglion cardiacum cranialeという小さい神経節が1個みられる(図570).

[図568]交感神経の上頚神経節 (左側)

c 内頚動脈神経;j 舌咽神経の外神経節と迷走神経の頚静脈神経節への頚静脈神経;XII および1 舌下神経および第1頚神経との交通枝;X 迷走神経の節状神経節との結合枝;11, III,1V 第2~第4頚神経の前枝との交通枝;ri 下方への節間枝;CS上心臓神経;le 上喉頭神経にいたる結合枝;m 外頚動脈神経;pg 咽頭神経叢にいたる咽頭枝,その大部分は頚神経の交通枝に由来する.

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最終更新日13/02/03

 

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