Rauber Kopsch Band2.558   

この神経叢には腎神経節 Ganglia renaliaといういくつかの小さい神経節がある.それを成している小枝は多くは灰白のものである.この腎神この神経叢には腎神経節 Ganglia renaliaといういくつかの小さい神経節がある.それを成している小枝は多くは灰白のものである.この腎神経叢からは1小枝が出て尿管に達する.尿管の神経には神経細胞が散在していたり,あるいは集まって小さい神経節をなして配列している.

 そのうえ腎臓の皮質にはなお多数の細い小枝が達しており,これらの枝は腎上体からきて,腎被膜を貫いて内部にはいっている(図571).(Hirt, Z. Anat. Entwgesch., 73. Bd.,1924. )

[図571]成入の腹腔神経叢3/5(A. Hirt, Z. Anat. u. Entwgesch., 73. Bd.,1924 より)

d)精巣(卵巣)動脈神経叢Plexus spermaticus(ovaricus).これは灰白線維(無髄)よりなり,これらの線維は腎神経叢および上腸間膜動脈神経叢から分れて出たものであり,腹大動脈神経叢からの線維がそれに加わっている.これは精巣(卵巣)動静脈に伴なって,男では精巣に,女では卵巣と子宮底とに達する.最後に述べたところでは子宮腟神経叢Plexus uterovaginalisと結合している.その神経線維束の1つが卵巣采および卵管の最外方端にも達する.

b)対をなさない2次の神経叢

e)胃神経叢 Plexus gastricus.これは左右の胃動脈に伴なって,これらの動脈とともに小臀に達して迷走神経の前, 後の両胃神経叢と結合し,細い線維束によって肝神経叢Plexus hepaticusとつながっている.また少数の顕微鏡的な神経節を含んでいる.

ζ)肝神経叢Plexus hepaticus.肝神経叢は特に迷走神経の後幹Truncus dorsalis n. vagiと腹腔神経叢とから出る枝によってつくられる.太くて平たい神経索が目の細かい網の形をなして肝動脈と総胆管,総肝管および胆嚢管を取りまき,細い枝が門脈にも達している.この神経叢の中には顕微鏡的な小さい神経節と散在性の少数の神経細胞とがある.総肝管の諸枝および固有肝動脈の諸枝に伴なって数多くの細い核が肝臓の内部に入る.これらの枝は大部分が無髄線維よりなっている.肝神経叢から分れて出る枝は胃十二指腸動脈に伴なって胃の大臀および膵臓に達する.(以前には胃十二指腸動脈に伴なう神経叢をPlexus gastricus inferior(下胃神経叢)と呼んだ.)

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最終更新日13/02/03

 

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