Rauber Kopsch Band2.562   

少数の小枝が他側に達して,他側の陰茎海綿体神経と結合さえしている.陰茎海綿体神経は主として無髄線維よりなっている.

β')子宮腟神経叢Plexus uterovaginalis.女では子宮腟神経叢が下直腸神経叢の下部の主要な部分をなし,腟の上部および子宮頚の外側にあって,ここから枝がでてこれらの器宮(子宮と腟)の前壁と後壁とに達し,また腟に接して下方に走り,子宮に接して上方にすすむ.SIIIとSIVから, FrankenhäuserによればSIIからも,脊髄神経の線維が豊富にこの神経叢にやってくる.子宮腟神経叢の分枝のなかに腟の中央部から子宮頚の上端までの範囲で多数の小さい神経節が存在する.この神経節は腟円蓋のそばでかなり多く集まっている.これらの子宮頚毒神経節Paracervicale Ganglienが板状に融合している1群をFrankenhäuserはCervikalknoten(子宮頚神経節)という名で記載した.この学者によるとその上縁から子宮に分布する神経の大部分がでている.その比較的少部分が直接に直腸神経叢から出るのである.その同じ領域からは子宮の下部へ分布する線維および膀胱と腟への線維も発している.子宮底では子宮神経叢の小枝が卵巣動脈神経叢の枝と結合している. 

γ')陰核海綿体の神経は大陰核海綿体神経N. corporis cavernosi clitoridis majorと小陰核海綿体神経Nn. corporis cavernosi clitoridis minoresであって,これらは子宮腟神経叢に由来して,陰核海綿体神経叢Plexus corporis cavernosi clitoridisを形成している.

D. 交感神経系の頭部Pars cephalica systematis sympathici(図573)

 交感神経系の頭部に属する(副交感性の)神経節としては,その構造および発生からみて次のものがそれとみなされる:すなわち耳神経節Ganglion oticum,翼口蓋神経節Ganglion pterygopalatinum,毛様体神経節Ganglion ciliare,顎下神経節Ganglion submandibulare,舌下神経節Ganglion sublinguale.

 交感神経系の頭部は詳しくいうと次のようなぐあいになっている:

 上頚神経節と舌下神経・迷走神経・舌咽神経との結合はすでに上に述べた(551, 552頁).上頚神経節は2本の上方への枝kraniale Ästeをだし,その1本は太く,他のものは比較的に細いのである.後者は頚静脈神経N. jugularisであって,頚静脈孔の神経部に向い,ここで2本の小枝に分れて,その1本は迷走神経の頚静脈神経節に達し,他の1本は舌咽神経の外神経節に達する.

[図573]交感神経系の頭部(右側)

III, V, VII, IX, XI1, は脳神経の番号である.

1 上頚神経節;2 下方の節間枝;3 上心臓神経;4および5 第2から第4までの頚神経との結合枝;6 第1頚神経および舌下神経と上頚神経節とを結合する枝;7 迷走神経(節状神経節)との結合;8 舌下神経との結合;9 頚静脈神経,それが舌咽神経(IX)および迷走神経(X)と結合することを示す;10内頚動脈神経;11頚鼓神経;12 鼓室枝;13 頚鼓神経;14 耳管枝;15 小浅錐体神経;16大浅錐体神経;17 膝神経節;18 翼突管神経;19 耳神経節;20 翼口蓋神経節;21 毛様体神経節;22 毛様体神経;23毛様体神経節の長根;24 毛様体神経節の交感根;25 3つの眼筋神経と三叉神経の第1枝(眼神経)とにいたる交感神経の小枝;26 眼動脈への交感神経の小枝;27下垂体と硬膜へいたる枝;28半月神経節への枝;29上喉頭神経への枝;30外頚動脈神経叢への枝;31咽頭枝;32および34 内頚動脈;33 眼動脈.

S.562   

最終更新日13/02/03

 

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