Rauber Kopsch Band2.565   

比較的大きな神経節の内部には線維性の結合組織が豊富に存在する.またこれが各神経節の表面にかたい外方の被いを形成している(図369).

[図578]交感神経細胞の諸型, 成長したウマの上頚神経節よりえたもの

A 短い突起が密な叢をなしている細胞;B細く短くて,分枝した突起を有つ細胞;C 神経突起;D突起の数は少なく,かつ短いもしやもしやした毛のような突起を有つ細胞;F繊細な少数の突起をもつ細胞;G 2つの隣り合った細胞を囲んで終るところの2本の突起を有つ細胞.(Cajal)

5.交感神経の分布する領域,その線維の機能上の分類および線維の走行について

 交感神経の末精での分布領域は身体の全部にわたっている.その枝分れは多くは脳脊髄神経と血答との経過に従ってなされている.しかし他の一部は独立した経路をもっている.

 交感神経に支配される3つの器官領裁Organgebieteがある:それは1. 平滑筋がそれであり,横紋筋も一部それに加わる.2. 脈管および 3. 腸管系と泌尿生殖器系と皮膚系とに属する腺である.

 筋肉Muskulaturに関しては,心筋,食道と腸管との平滑筋,呼吸道・泌尿生殖器ならびに眼の平滑筋を特にあげるべきである.

 脈管Gefäßeに関しては交感神経に支配されている筋層が特に挙げられるが,しかし筋層だけというわけではない.

 腺性の器官drüsige Organeに関しては,これに達している神経の一部は脈管神経に属するが,他の一部は直接に分泌を支配する種類のものである.

 交感神経が分布する上記の器官領域では多少の差はあるがその交感神経系に広い範囲にわたって知覚性の線維が混在している.

 最後にまた求心性に伝導する比較的短い線維について述べると,これらの線維はその一端が粘膜のなかにあり,他端は近くの交感神経節あるいは比較的離れている交感神経節に終り,その神経節が支配する領域の平滑筋に反射が仲介される.この種の線維の存在は生理学的実験によって知られている.

 まとめて見ると,生理学的には次のような線維の種類があるといえる:それは運動性・脈管運動性・分泌性・知覚性の線維と反射線維とである.運動性の線維の一部は抑制神経Hemmungsnervenの性質を示し,他の一部は促進性beschleunigendにはたらき,興奮をおこす神経などのグループに属している(293頁参照).

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最終更新日13/02/03

 

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