Rauber Kopsch Band2.658   

第3の節状野が後半規管の膨大脚の開口の近くにあって,膨大部篩状野Area cribriformis ampullarisとよばれる.これは内耳道の単孔に対応している.

 したがって内耳神経の諸枝が内耳道底を貫く部分のうちで,前庭に通じないのはたった1つだけで,ほかのすべてはそれぞれ前庭に開口をもっているのである.前庭に通じない唯一のものというのはラセン孔列Tractus spiralis foraminosusであって,これは蝸牛に通じるのである.

[図690, 691]子供の骨迷路(左)×2

 図690は外側から, 図691は内側からみたところ.

3. 骨半規管Canales semicirculares, knöcherne Bogengänge

 骨半規管はC字形にまがった3つの骨性管で,管の形は円柱を弯曲面に垂直の方向から圧平した形である.前庭から出てまた前庭に開いている,管の長さは不同であるが内腔の太さはほぼ同じであって,楕円形の横断面の短径は0.8~1.0 mm, 長径は1.2~1.7mmの範囲内にある.管の内腔はその中にある膜迷路の管よりずっと太くできている(図706).3つの半規管ともに全円周のほぼ2/3に相当する弧をえがいている.また各管の両脚のうち膨大部脚Crus ampullareとよばれる方には骨膨大部Ampulla osseaという著しく広がった部分がある.膨大部脚の開口は3あるけれども,膨大部をもたない方の脚の開口は2しかない.もっとも膨大部をもたない脚の開口も,やはりかるいふくらみは示しているのである.

 三つの半規管はたがいにほぼ垂直をなす3つの平面上に位置している.

S.658   

最終更新日13/02/03

 

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