Rauber Kopsch Band2.699   

 神経線維の神経周膜鞘がこの小体の被膜に直接に移行している.触覚小体にいたる神経線維(1~4本)は有髄性であって,小体への途中で枝分れして,多くのばあいその内方の極に達する.そして時として被膜の外で,またのちにはその内部でラセン状にうねっている.そのさい初めのうちは髄鞘がまだ存在し,線維の新たな分岐も行われる.

 軟かい内棍は横たわつた平たい棍細胞Kolbenzellenがいくつか重なってできている.はいって来た軸索はこれらの細胞のあいだに終末分枝をなしている.そのさい軸索はラセン状にまがって走りながら枝分れして多くの側枝をだし,これらの側枝がまたうねって走ることがある.そして終末分枝の全体が,棍細胞に接する膨らんだ部分,すなわち静脈瘤のような部分を豊富にもっている.終末分枝の先には小ボタン状の膨らみがついている.静脈瘤のような部分(Varikositäten)と終末小ボタン(Endknöpfchen)のなかには神経原線維の網がみとめられる.HeringaとBoekeによれば,最後の終末係蹄と終末網は棍細胞の細胞体のあいだにあるのではなくて,その内部にある.ここでも“終末周囲細網periterminales Netz”というべきものが存在する(図740).

 中心部にみられるこれらの神経分枝のほかに,内棍の周辺部には糸状装置Fadenapparat(Timofeew)がある.これはごく細い(おそらく交感神経性の)神経線維が,やはり触覚小体の下極からはいり,その分枝によってごく微細な網が内棍のまわりに形成されているのである.

 かなり多くのマィスネル小体からは原線維の束がそとにでて,その上方にある上皮にいたり,そこで上皮細胞間終末をなしている(図742f).糸状装置の原線維も同様の関係をしめす.また別の原線維束はとなりの触覚小体にいたり,小体どうしをたがいに結合している.

[図739]手の指の皮膚(ヒト)にある触覚小体(E. FischerおよびW. Flemming)

[図740]触覚小体の中央を通る横断 神経原線維の網と棍細胞内部の終末周囲細網(Boeke, Z. mikr.-anat. Forsch., 4. Bd.,1926)

[図741]家兎の陰部神経小体内の神経終末(G. Retzius, Internat. Monatsschr. f. Anat. u. Phys.,1890)

2. 棍状小体(クラウゼの)Corpuscula bulboida(Kraush),Endkolbenと陰部神経小体Corpuscula nervorum genitalium, Genitalnervenkörperchen, (図741, 742)

 この2つは上述の触覚小体にごく近い性質であって,本質的な差異はないといえるほどである.陰部神経小体は外陰部の粘膜にあって,いっそう複雑な型の,そしてまたたいてい大形の棍状小体である.それゆえ陰部棍状小体Genital-Endkolbenともよばれる.

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最終更新日13/02/03

 

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