Rauber Kopsch Band2.705   

2. ゴルジ・マツツォニ小体Golgi-Mazzonische Körperchen(図748)

 この小体はGolgi(1880)によって外筋周膜と腱のまわりの結合組織とにおいて発見され,Mazzoni(1891)によってさらに詳しく研究された.またRuffini(1894)によってヒトの指の皮下組織のなかにも証明された.

 これは球状・円柱状・西洋ナシ形などで,長短さまざまな形をしており,層板小体のなかまに属する.しかし層板の数ははなはだまちまちである.層板をたった1枚しかもたないような型のものさえある.

 はなはだ特徴的なのは内棍が大きく発達していることで,内棍そのものの形がこの小体の外形と同じである.内棍は微細顆粒性の物質でできていて,そのなかに多数の核がある.小体に到来する神経線維の軸索はこの物質のなかで何度も枝分れしたり曲つたりしながら,比較的あらい網を形成する.この網には瘤状のふくらみやボタン状に円くなった終末が沢山ある.これらの瘤やボタン状の終末のなかには神経原線維の網が証明される.

3. ルフィニ小体Ruffinische Körperchen(図745, 749)

 指の皮下組織には真皮と皮下組織のさかいのところに,かなり大きい長めの終末小体(長さ0.25~1.35mm)があることが,Ruffiniの発見以来知られている.その数はほずファーテルの層板小体に匹敵する.有髄神経線維が側面または下端からこの小体に進入し,その内部で瘤状のふくらみをもつ多数の枝に分れる.これらの枝はたがいに吻合をなして,ついにに小さいボタン状のふくらみをもつ自由端に終わっている.Sfameniの観察によるとイヌ・ネコ・サルにもルフィニ小体が存在する.

毛盤Haarscheiben(Pinkus) (図750752)

 Pinkusはヒトの生体において,小さい円い盤状のものが毛の近くにあることを観察した.顕微鏡でみるとそれが皮膚の特別な感覚器官であることがわかるのである.

Pinkusはこれが常に毛のすぐ近くあることから毛盤という名をつけ,これを動物の触覚盤Tastscheibenと同列においたのである.毛盤にはひじょうに豊富に神経が来ている.

 Pinkus, Dermatolog. Zeitschr. 9.,10, Bd.

[図748]ゴルジ・マッツォニ小体 指頭の掌側面の皮下組織から.×400(A. Ruffini)

[図749]ルフィニ小体 ×175

S.705   

最終更新日10/08/31

 

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