Rauber Kopsch Band2.706   

[図750]生体の毛盤を模型的に示す(Pinkus). a 2つの毛盤が1本の毛のわきにある.

[図751]復構模型による毛盤と毛の群 復構模型を毛盤の中央で切ってある.(Pinkus)

[図752]毛盤の断面(Pinkus)

12.皮膚の付属器

 皮膚の生産能力は表皮の絶えまない再生に示されているばかりでなく,皮膚に多くの特別な器官ができていることによっても示される.これに属するものとしては,表面から奥へおちこんでできた各種のと,表面に接して,あるいは凸出している角化器官とがあり,いずれも大量に存在する.

 皮膚の腺は管状腺と胞状腺の2つの主要な型に分れて現われる.角化した器官はである.

 皮膚のすべての器官は,その構造を大まかにいうと,上皮組織と結合組織とからできている.しかし何といっても重要なものは上皮組織であるから,しばしばこれらの諸器官は表皮器官Oberhautgebildeという名をつけられている.

 

A. 皮膚腺Glandulae cutis, Drüsen der Haut

1. 糸球状腺Glandulae glomiformes, Knäueldrüsen

 糸球状腺は管状腺で,分泌をおこなう終末部が糸だまのようなかたまりをなすものである.糸球状腺はその大きさによって大汗腺と小汗腺に,また分泌のしかたによってエククリン腺とアポクリン腺に分けられる.

 エククリン性の小汗腺がふつうの汗腺の圧倒的多数をしめるのである.アポクリン性の大汗腺はだいてい特殊なにおいのする分泌物を出す.これにはかなり多数いろいろなものがあって,たいていその存在する場所によって次のように名づけられている:睫毛[汗]腺・耳道腺・鼻翼[汗]腺・腋窩[汗]腺・乳輪腺・肛門周囲腺・乳腺.(峯武男(Fol. anat. jap.15,1937)は日本婦人の恥丘(8例中7例)およびこれに隣接する下腹部(92例中31例)にアポクリン腺を認めている.)

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最終更新日10/08/31

 

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