歴史的な偉大な解剖学書
分泌がつづくと脂肪はついに開口の外へ押し出されて,毛や周辺の皮膚をしつとりうるおすのである.平滑筋である毛包筋Haarbalgmuskeln(=立毛筋)もその収縮によって脂肪の排出を促進する.
腺細胞の核は脂肪の形成がすすむにつれて変化をうけ,角化のばあいと同様についには死滅する.残った細胞の部分も変化して,ついには脂肪とともに排出されてしまう.
導管と腺体では上皮の外側に基底膜と結合組織性の被膜とがある.
血管系はあまり発達していない.神経:腺体は交感神経性基礎叢の豊富な網でかこまれている.今までのところ腺細胞じしんにまで神経線維をたどることは成功していない(Stöhr jr.1928, Boeke.1934).
脂腺の分泌物は皮脂Sebum cutaneum, Hauttalgとよばれ,体温では液状を呈する脂肪で,これに細胞の遺残もまざつている.
Schultze, W. (Dissertation, Berlin,1898)は新生児の小陰唇にはまだ脂腺が全く無いことを知った.
小陰唇の脂腺は生後10年ぐらいで初めて現われ,その内側面に数がいっそう多い.
[図762] ヒトの鼻翼の脂腺の縦断
最終更新日10/08/31