(一)Femur [Os femoris](大腿骨)Femur

 人骨のうちで最大の骨である。中央部の体と上下の骨端部とに区別する。上骨端は内上方に向かってきのこの傘にあたるところを大腿骨頭といい、半球形の関節面をなしており、上方に小さい凹みを大腿骨頭窩という。大腿骨頭の下外側の細い柄にあたる部分を大腿骨頸という。頸の基部には骨の後面に2個の突起がある。そのうち、大きい方を大転子といって上外方に、小さい方を小転子といって下内方に、突出している。大転子と小転子の間に前面には転子間線(Intertrochanteric line)があって後面には転子間稜(Intertrochanteric crest)がある(←040810訂正)。
 体はほぼ円い棒状で、軽く前方に凸弯している。体の前面と両側はなめらかであるが後面にはその中央部に粗線という縦に走るザラザラした稜線がある。2本の稜線からなっていて、中央部では両者相接しているが、上方では次第に離れて上外方に殿筋粗面につづき、上内側に恥骨筋線につづいている。下端にみられる両線の間の骨面は膝窩面という。
 下端部は下がるにしたがって次第に幅が広くなり、内側顆・外側顆という肥厚部を作っている。これらの両顆はそれぞれ側方がとくに突出していて、これらを内側上顆・外側上顆という。両顆の内側面と外側面・前面と後面は皆光沢な関節面である。前面は膝蓋骨と接して膝窩面といって後面の深い窩は顆間窩という。内側上顆の上方に小さい突起があって内転筋結節という。

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最終更新日:2012年06月04日