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- 347_00【Joints of foot足の関節;足関節 Articulationes pedis】
→(距腿関節をも含めて、足根骨、中足骨および足の指骨の間に生ずるすべての関節を総称していう。狭義では距腿関節のみを指す。(解剖学辞典:河西達夫))
- 347_01【Tibia; *Shank bone; *Shin bone脛骨 Tibia】
→(下腿の2つの骨のうち内側にある大きい方の骨である脛骨は、横断面が三角形をした長骨で、骨のうちで2番目に長い、下腿の前内側部に位置する。上端(近位部)と下端(遠位部)は膨隆しているが、上端の方がはるかに大きい。上端(近位端)・下端(遠位端)・骨体の3部にわけられる。上端が下端よりもはるかに幅広く強大であること、骨幹の前縁が鋭い稜線をなしていること、下端の内側部が下方に突出してることを目やすにすれば、この骨の上下・前後方向の位置づけと左右の判別は比較的容易である。上端で孔内側および後外側方へ膨隆した部分が、それぞれ内側顆と外側顆である。上面にある2個の平滑面が大腿骨と関節する上関節面である。内側の関節面は楕円形に陥凹しているが、外側の関節面は左右軸で凹面を前後軸で凸面になっている。内側と外側の関節面の間の隆起部が顆間隆起で、特に後方よりのところが顕著である。顆間隆起の内側および外側部の突出している部分が、それぞれ内側顆間結節・外側顆間結節である。顆間隆起の前後の陥凹した部分がそれぞれ前顆間区・後顆間区である。近位端の前面は三角形の粗な平面をなし、血管孔がある。粗面の下端は結節状の隆起に達している。この隆起が脛骨粗面で、上方の小さいやや平滑な面に膝蓋靱帯が付着する。近位端の周囲は全体が粗面上になっているが、外側顆の外側後下面に腓骨頭に対する小楕円形の平滑面・腓骨関節面がある。脛骨体は3縁とのうち最も明瞭で、近位2/3ではとくに鋭利である。脛骨粗面外側部から始まり内果前面に終わる。全体に軽いS字状を呈するが、遠位端では鈍で平滑となる。内側縁は丸みをおびており、内側顆後部から始まり内果後縁に終わる。外側縁は細い洗浄の隆起として認められ、腓骨関節面前方から始まり遠位端は腓骨切痕を挟むように二分して終わる。骨間膜が付着する骨間縁である。内側面は広くやや丸みをおび比較的平滑である。外側面は内側面より狭く平滑であるが、近位1/3に前脛骨筋がおこる浅い溝である。後面の近位1/3にある斜上外側(腓骨関節面内側下方)から斜下内側へ走る隆線がヒラメ筋線である。この筋線の下外側部に上方から入る栄養孔がある。中1/3に上下方向に走る低い隆線がある。隆線の広い内側部から長趾屈筋が、狭い外側部から後脛骨筋がおこる。他の部分は滑らかで筋におおわれる。遠位端(下端)は膨隆しているが近位端より小さい。近位内側部で下方に突出した部分が内果で、内果の外側面は平滑で内果関節面をなし距骨に対する関節面の一部をなす。遠位端下面は距骨に対する下関節面をなし、平滑で前後に凹面左右に凸面を呈する。前後に走る引くい隆起があり関節面を二分している。前面は平滑で丸みをおび、伸筋群の腱で被われる。前面遠位端には横走する浅い溝があり、足関節包が付着する。後面中央やや外側には長母趾屈筋腱が通る縦方向の浅い溝があり、内側には斜上外側から斜下内側へ走る長趾屈筋と後脛骨筋の腱が通る内果溝がある。外側面の三角形に陥凹した粗面が腓骨切痕である。内側面は内果として遠位方向に突出しており、丸みをおび皮下に触れることができる。Tibiaというラテン名詞には「スネの骨」のほかに笛の意味もある。Tibia(tuba笛)から変じたという節もあるし、また古代の笛は鳥のスネの骨で作られていてので、tibiaはもともとスネの骨を指すのだとも言う。脛はもちろんスネである。)
- 347_02【Anterior tibiotalar part of medial ligament of ankle joint前脛距部;前脛距靱帯(三角靱帯の) Pars tibiotalaris anterior (Ligamentum deltoideum); Ligamentum tibiotalaris anterior; Ligamentum talotibiale anterius】 Portion of the ligament that extends from the medial malleolus to the medial surface of the neck of the talus.
→(三角靱帯の前脛距部は距骨形の内側部に至る。)
- 347_03【Talus; *Ankle bone距骨 Talus】 Bone situated between the tibia, calcaneus, navicular, and fibula.
→(距骨は脛骨および腓骨と関節をなす足根骨。下腿の骨と他の足根骨との連結する。長軸は後外側上方から前内側上方へ向かう。遠位端の丸い頭と近位端の大きな立方形の体、中間の細く短い頚とに分ける。距骨体の上面は脛骨下端に対する関節面をなし、前後に凸面、左右に軽い凹面をなす。内側縁は直線的で外側縁は後方で内側方へ向かうので、関節面は前方で広く後方ほど狭い。内側面前方上方部にあり脛骨内果関節面に対する関節面が内果面である。広い前方部が前下方へ向かいコンマ状を呈する。内果面以外の部分はは粗面をなし多数の血管孔がある。外側面にあり腓骨外果関節面に対する関節面が外果面である。外果面は逆三角形状で上下に凹面、前後に軽い凸面をなす。外側面の下方への先端部分が距骨外側突起である。上面と内果面および外果面は互いに連絡し全体が隆起して、脛骨の下関節面と内果関節面および腓骨の外果関節面に対する鞍状の関節頭をなす。この関節頭全体が距骨滑車である。後面は狭く、後方に向かう突起が距骨後突起である。距骨後突起は外上方から内下方へ走る長母趾屈筋腱溝により、外側部の大きな外側結節と内側部の小さく踵骨の載距突起の後方に位置する内節結節とに分けられる。外側結節が距骨体から独立し、または軟骨で距骨体と連絡していることがある。この独立した小骨が三角骨である。足底面の後方で踵骨の後距骨関節面に対する長楕円形の凹面をなす関節面が後距骨関節面である。長軸は後内方から前外方へ向かい、矢状面とは約45度をなす。距骨頭は楕円球状で後上外側から前下内側へ突出している。前方の凸面を呈する楕円球面が、舟状骨の後面に対する舟状骨関節面である。距骨頭の足底面には3個の関節面がある。舟状骨関節とは細い隆起線で境され、最後方にある最大の関節面が中踵骨関節面である。関節面は凹面の楕円形で載距突起と関節する。この前外側にあり舟状骨関節面に連絡する比較的平坦で小さな楕円形の関節面が踵骨の前内側上面に対する前踵骨関節面である。前2者の内側にあり舟状骨関節面に連絡する小さな凹面部が、踵舟靱帯に対する距舟靱帯関節面(J.N.A.)である。距骨頚は頭と体の間の狭窄部で、上下に圧平された形をしている。外側上方から内側上方へ傾き粗面をなす。足底面で内側後方から外側前方へ走る深い溝が距骨溝で、踵骨の踵骨溝とともに足根洞を形成する。ラテン語のTalus(踵の骨・くるぶし)に由来する。)
- 347_04【Tibionavicular part of medial ligament of ankle joint脛舟部(三角靱帯の) Pars tibionavicularis (Ligamentum deltoideum)】 Group of fibers that pass from the medial malleolus to the dorsal and medial surfaces of the navicular.
→(三角靱帯の脛舟部は最も長く、舟状骨の背側面と内側縁に至る。表層にある。)
- 347_05【Talonavicular ligament距舟靱帯;背側距舟靱帯 Ligamentum talonaviculare; Ligamentum talonaviculare dorsale】 Dorsal band that passes from the head of the talus to the navicular.
→(距舟靱帯は距踵舟関節距舟部の関節包の一部で、距骨頚と舟状骨の間の背面に張る。)
- 347_06【Dorsal cuneonavicular ligament背側楔舟靱帯;背側舟楔靱帯 Ligamenta cuneonavicularia dorsalia; Ligamenta navicularicuneiformia dorsalia】 Broad bands on the dorsum of the foot that connect the navicular with the three cuneiform bones.
→(背側楔舟靱帯は舟状骨と内側・中間・外側楔状骨の背面を結び、楔舟関節包の背部を作る。)
- 347_07【Medial cuneiform bone内側楔状骨;第一楔状骨 Os cuneiforme mediale; Os cuneiforme primum】 Wedge-shaped bone between the navicular and the first metatarsal. The base of the wedge is directed inferiorly.
→(舟状骨と第一中足骨の間に位置する。その楔形の底面は下方を向いている。3つの楔状骨の中で内側楔状骨は飛び抜けて大きい。)
- 347_08【Navicular bone舟状骨[足の] Os naviculare】 Bone situated medially between the head of the talus and the three cuneiform bones.
→(足の舟状骨は中心足根骨に属し、足根の内側で距骨と楔状骨の間にある。前後に扁平な骨で、背側で凸面、足底側で凹面となっている。前面に3個の凸面の関節面があり、それぞれ内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨と関節する。後方は距骨頭に対する関節窩をなす。内側面は粗面状で下方に突出し舟状骨粗面をなす。皮下で触知できる。外側面で立方骨関節することも多い。底側面で舟状骨粗面に近い部に後脛骨筋腱の深層のものが通る浅い斜めの溝がある。ラテン語のNavisの縮小形Navicula(小舟)に由来する。)
- 347_09【Plantar cuneonavicular ligaments底側楔舟靱帯 Ligamenta cuneonavicularia plantaria; Ligamentum navicularicuneiforme plantare】 Group of ligaments that connect the navicular with the cuneiform bones in front of it.
→(足底楔舟靱帯は舟状骨と内側・中間・外側楔状骨の底足面を結ぶ靱帯で、下面は後脛骨筋の腱から放散した線維によって補強される。)
- 347_10【Plantar calcaneonavicular ligament; Spring ligament底側踵舟靱帯;スプリング靱帯 Ligamentum calcaneonaviculare plantare】 Ligament that passes from the sustentaculum tali to the plantar and medial surfaces of the navicular, augmenting the articular surface for the head of the talus.
→(底側踵舟靱帯は踵骨の載距突起の前縁下面と内側縁から起こり、舟状骨の底面、内側縁と上面の内側部を結ぶ幅の広い厚い靱帯で、距踵舟関節包の一部となる。一部は同関節腔内に露出して距骨頭の下面に接する凹面となり、線維軟骨化している。この靱帯の内側部は内側靱帯脛舟部の線維と合し、それによって補強されている。上面は距踵舟関節の関節腔内に露出して、距骨頭を下方から支える関節面を形成し、この部分は線維軟骨化して滑液膜におおわれている。この靱帯の下方は後脛骨筋の腱によって支えられ、その内側縁は距腿関節の内側靱帯の前部と癒合している。足弓を支持する役割をもち、距骨と舟状骨の間に張って足弓の頂点の位置にある。この靱帯の無力化は、距骨頭が体重の負荷によって前内下方に押されて扁平足の原因となる。またこの靱帯は弾性線維を含んで足弓に弾性を与え、spring ligamentともよばれる。)
- 347_11【Long plantar ligament長足底靱帯 Ligamentum plantare longum】 Firm band that passes from the calcaneus just anterior to the calcaneal tuberosity to the cuboid and the bases of metatarsals II-V. It supports the longitudinal arch of the foot.
→(長足底靱帯は足底の靱帯のうち最も表層にありまた最も長い。そのほかの底側足根靱帯はこれにより下方から被われ、その間に粗な結合組織が介在する。距骨隆起の下面から起こって前方に広がり、その深層の線維は立方骨の長腓骨筋腱溝の後の立方骨粗面に着く。浅層の線維は同腱の表面を越えて少なくも3束に分かれて中足骨底に着く。)
- 347_12【Sustentaculum tali; Talar shelf載距突起 Sustentaculum tali】 Shelflike process located inferomedial to the middle talar articular surface. It supports the talus and bears most of its bulk.
→(中距骨関節面と前距骨関節面はともに距骨の前半部をのせ、載距突起という台状突起の上面をなしている。踵骨の前端には立方骨に対する関節面がある。)
- 347_13【Medial talocalcaneal ligament内側距踵靱帯;脛側距踵靱帯 Ligamentum talocalcaneum mediale; Ligamentum talocalcaneum tibiale】 Ligament on the medial side of the foot that extends from the medial tubercle of the talus to the sustentaculum tali.
→(内側距踵靱帯は距骨後突起の内側結節から出て前方に向かい、踵骨の載距突起に着く。)
- 347_14【Medial ligament of ankle joint; Deltoid ligament内側靱帯;三角靱帯;内側側副靱帯(距腿関節の) Ligamentum collaterale mediale articulationis talocruralis; Ligamentum deltoideum】 Band on the medial side of the malleolus. It is rather triangular in shape, around 0.5 cm thick, and consists of the following four parts.
→(内側側副靱帯(三角靱帯)は関節包の内側を強める。脛骨の内果から起こって下方に向かって三角形に分散し足根骨へ付着する。これをその遠位での付着部によって次の4線維束(脛舟部、脛踵部、前脛距部、後脛距部)に分けることが出来る。多少の弾性線維を含む。)
- 347_15【Posterior tibiotalar part of medial ligament of ankle joint後脛距部;後脛距靱帯(三角靱帯の) Pars tibiotalaris posterior (Ligamentum deltoideum); Ligamentum tibiotalaris posterior; Ligamentum talotibiale posterior】 Posterior fibers extending from the medial malleolus and nearly reaching the posterior process of the talus.
→(三角靱帯の後脛距部は内側靱帯のもっとも後の部で、もっとも深層にあり、距骨内側面の後部、後突起の内側結節につく。)
- 347_16【Tibiocalcaneal part of medial ligament of ankle joint脛踵部(三角靱帯の);脛距靱帯 Pars tibiocalcanea; Ligamentum calcaneotibiale (Ligamentum deltoideum)】 Fibrous bands that pass from the malleolus to the sustentaculum tali.
→(三角靱帯の脛踵部は強い靱帯である。内果から関節包を離れてほぼ垂直に下って踵骨の載距突起の内側縁に着く。前方の一部は底側距舟靱帯と癒合する。後方の一部は距骨下関節包の表面を越えて踵骨体の内側面に至る。)
- 347_17【Posterior talocalcaneal ligament後距踵靱帯 Ligamentum talocalcaneum posterius】 Band that passes from the posterior process of the talus to the calcaneus. It spans the groove for the tendon of the flexor hallucis longus.
→(距骨下関節の関節包の前壁は足根洞にある骨間距舟靱帯の一部と成る。後壁のうち、距骨後突起の内、外側結節から分かれて起こる線維束は後距踵靱帯といい、内側結節から起こる部は長母趾屈筋腱の表面を越える。)
- 347_18【Groove for tendon of flexor hallucis longus長母趾屈筋腱溝;長母指屈筋腱溝(足の) Sulcus tendinis musculi flexoris hallucis longi】 Groove on the posteromedial aspect of the posterior process for the tendon of the flexor hallucis longus.
→(距骨後突起の尖端は上下に走る長母趾屈筋腱溝によって、内側の内側結節と外側の外側結節とに分けられる。)
- 347_19【Calcaneus; *Calcaneal bone; *Heel bone踵骨 Calcaneus】
→(踵骨は腓側近位足根に属し足根骨のうち最大の骨で、距骨の下に位置する。形は前後に長い不正四角柱で、長軸は上前方やや外側方へ向いている。後方部は下腿骨の後縁を越えて後方へ突出している。大きく膨隆した後方部が踵骨隆起で、四角柱の前方1/3と中央1/3の境界部で前内側方へ突出した部分が載距突起である。上面後方1/3は前後に凹、内外に凸の粗面をなす。中央1/3で前上方に向かう前後に凸面の楕円形の関節面が距骨の後踵骨関節面に対する後距骨関節面である。前方は1/3は後方2/3より約1/2低位で粗面をなし、前方ほど幅が狭くなる。前方の上内側の小さな関節面が前踵骨関節面に対する前距骨関節面である。前面は6面のうち最小で、上下に凹左右に凸の関節面をなし、立方骨と関節する立方骨関節面をなし、立方骨と関節する立方骨関節面である。後面は卵円形を呈し、長軸は外上方から内下方へ向かい下方ほど幅が広い。上方1/4平滑であるが中央2/4は膨隆し粗面をなす。下方1/4は前下方へ傾斜し、下端は膨隆している。下面最後方の大きな隆起が踵骨隆起である。浅い陥凹部により内側の幅が広く短い踵骨隆起内側隆起と、外側の幅が狭く前方へ長い踵骨隆起外側突起とに分けられる。下面前方には前後に走る小結節がある。外側面で前方1/3と中央1/3の境界部で前下方へ斜めに走る小隆起が腓骨筋滑車である。腓骨筋滑車の後下面に沿い後上方から前下方へ走る斜溝が、長腓骨筋腱が通る長腓骨筋腱溝であり、滑車の前上面に沿う浅い溝を短腓骨筋腱が通る。内側面は上下に凹の平滑面であるが、前方1/3と中央1/3の境界部に前上方から後下方方向斜めに圧平された形の載距突起がある。載距突起基部の前面で内側後上方から外側前下方へ走る溝が距骨溝である。距骨の距骨溝ととに足根洞を形成する。足根洞は前外側方が広い漏斗状を呈する。載距突起の上面は上下に長い楕円形の関節面となす。距骨の中踵骨関節面に対する中距骨関節面である。載距突起の後面で後上方から前下方へ走る浅い溝が長母趾屈筋腱溝で、距骨の同名溝のつづきをなす。ラテン語のCalx(calcis)(石灰・踵)に由来する。)