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- 414_01【Basilar part of occipital bone底部(後頭骨の) Pars basilaris (Os occipitale)】 The part that ascends from the foramen magnum to the spheno-occipital synchondrosis.
→(後頭骨の底部は大後頭孔前縁の前方にある長方形の板状部で、内頭蓋底と外頭蓋底の斜台の下半分を作る。両側縁は側頭骨の錐体と軟骨結合している。)
- 414_02【Vomer鋤骨 Vomer】 Unpaired bone of the cranial base. It forms the lower part of the nasal septum and is situated between the sphenoid, maxilla, palatine bone, and perpendicular plate of the ethmoid.
→(骨鼻中隔の下部と後部を形成する四辺形の鋤の形をした骨である。上縁の後部の大部分は篩骨垂直板の下縁に接し、前部の小部分は鼻中隔軟骨に接する。後上縁は左右2枚に分かれて鋤骨翼となり蝶形骨体底の蝶形骨吻をはさみ、また蝶形骨翼状突起の鞘状突起とともに口蓋骨鞘突管を形成する。下縁は上顎骨および口蓋骨の鼻稜に接している。後下縁は遊離縁をなし、後鼻孔の開口部を左右に分けている。Vomerは「鋤の刃」の意味。独立した骨であることを初めて発見したのはG.Fallopius(1523-1563)とM.R. Colombo (1516-1559)であるといわれる。)
- 414_03【Pterygoid fossa翼突窩 Fossa pterygoidea】 Depression between the lateral and medial plates of the pterygoid process for the medial pterygoid muscle.
→(翼状突起の内側板、外側板は後方に開いた翼突窩をつくる。ここから内側翼突筋が起始する。)
- 414_04【Bony nasal cavity鼻腔;骨鼻腔 Cavitas nasalis ossea】
→(骨鼻腔は顔面頭蓋の中央に位置し、西洋梨状の梨状口で前方に開いている。梨状口は鼻骨と上顎骨とで囲まれる。正中矢状面にある鼻骨中隔によって左右に分けられている。骨部腔には上・下・内側・外側の4壁と、前方・後方の2個の交通路がある。上壁は大部分が篩骨篩板、一部分が鼻骨前頭骨、蝶形骨よりなる。下壁は上顎骨口蓋突起と口蓋骨水平板よりなる。内側壁は鼻中隔で篩骨垂直板と鋤骨よりなる。口側壁はその構造が複雑で上顎骨体、上顎骨前頭突起、口蓋骨垂直板、蝶形骨翼状突起内側板、下鼻甲介、篩骨、涙骨よりなる。前方の交通路は梨状口をもって顔面に開口する。後方の交通路は上鼻道、中鼻道、下鼻道の3個の鼻道が合して鼻咽道につづき後鼻孔をもって外頭蓋底に開口する。鼻骨腔の後上部で蝶形骨体の前面で上鼻甲介と篩骨垂直板との間にある部分を蝶篩陥凹といい篩骨垂直板との間にある部分を蝶篩陥凹といい蝶形骨洞がここに開口する。下鼻道には涙骨管が開口しているが、鼻液管は上顎骨の涙嚢溝を涙骨の涙骨鈎と下鼻甲介の涙骨突起が内側からおおって形成されている。また外側壁の後部は口蓋骨垂直板よりなるが、その眼窩突起と蝶形骨突起との間の深い切れ込みを蝶口蓋切痕といい、これが蝶形骨体底部と合して蝶口蓋孔を形成し、この孔をもって骨鼻腔は翼口蓋窩と交通している。)
- 414_05【Hard palate硬口蓋 Palatum durum】 Hard, bony part of the palate.
→(硬口蓋は鼻の粘膜により上部を、口腔の天井にあたる部分の粘膜により下部をおおわれた骨口蓋からなり、粘膜は厚く、骨口蓋の骨膜に硬く付着する。粘膜表面には、正中線に一致して口蓋縫線という高まりがみられ、その前端に切歯乳頭という小隆起がある。その前端に切歯乳頭という小隆起がある。口蓋血管、神経、粘膜腺を有する口蓋の前方部分。硬口蓋の前部には、3~4本の横走するヒダ、すなわち横口蓋ヒダがみられる。横口蓋ヒダはとくに幼児で明瞭に見られる。)
- 414_06【Pterygoid hamulus; *Hamulus of medial plate of pterygoid process翼突鈎 Hamulus pterygoideus】 Hooked process on the end of the medial plate of the pterygoid process.
→(翼状突起の内側板の下端は鈎形に外方に曲がって翼突鈎を作る。翼突下顎縫線という靱帯が起始する。)
- 414_07【Temporal bone側頭骨 Os temporale】 Bone located between the occipital, sphenoidal, and parietal bones. It consists of petrous, tympanic, and squamous parts.
→(側頭骨は頭蓋の底部および側面にある大きな不規則形の骨。頭蓋側壁の中央部と頭蓋底中央の両側部を作るばかりでなく、骨の中に平衡聴覚器(外耳道・中耳・内耳)を容れる大切な骨である。岩様部(乳突部と錐体)、鼓室部および鱗部の3部が癒合して単一の骨になるのは生後1年ほど経ってからである。3部が合するところの外面には大きい孔がある。これを外耳孔といい、その内方のつづきは外耳道によって鼓室に通ずる。また、外耳孔の上方で鱗部の外側前方に出る頬骨突起は頬骨に達して頬骨弓をつくる。下縁から咬筋が起こる。)
- 414_08【Zygomatic arch頬骨弓 Arcus zygomaticus】 Arch formed by the zygomatic process of the temporal bone and the temporal process of the zygomatic bone.
→(眼窩の外側方には、眼鏡のつるのような骨の橋がある。これが頬骨弓で、その後端は耳の孔(外耳孔)の近くまで達している。頭蓋を正面から見ると、顔面は頬骨弓の所が最も広く、それよりも下方では急に幅が狭くなっている。頬骨の側頭突起が頬骨の後下部より後方に突出し、側頭骨の頬骨突起と連結して形成された骨弓をいい、ほぼ水平位にある。側頭突起と頬骨突起間にある前方により後方へ斜走する縫合を側頭頬骨縫合という。頬骨弓からは咀嚼筋の一つである咬筋が起こり下顎角の咬筋粗面につく。なお頬骨弓の外側方への最も突出した点を頬骨弓点といい、両側のこの点の間の距離をもって頭蓋の顔面幅最大長としている。頬骨弓の下方のくぼみにある脂肪塊(頬脂肪体sucking pad)は、普通の皮下脂肪とは違って、線維の少ないみずみずしい脂肪組織からなり、いくらを詰めたようになっている。)
- 414_09【Condylar process of mandible関節突起;顆突起(下顎骨の) Processus condylaris (Mandibulae)】 Articular process.
→(下顎切痕の後方の関節突起は上端に長楕円形の下顎頭を作る。)
- 414_10【Lateral pterygoid muscle外側翼突筋 Musculus pterygoideus lateralis】 o: Lateral surface of lateral plate of pterygoid process and inferior surface of greater wing of sphenoid, i: Two-headed (variant: three-headed) at disco-capsular system of temporomandibular joint and pterygoid fovea. I: Mandibular nerve.
→(外側翼突筋は2頭からなる。上頭は蝶形骨大翼の下面から起こる。下頭は蝶形骨翼状突起外側板に起始する。下頭は側頭下窩を通過して、下顎骨関節突起(翼突筋窩に)停止し、上頭もまた関節円板および関節包に付着する。三叉神経の下顎神経の外側翼突筋神経より支配を受ける。作用として下顎骨を引く。片側が働けば下顎骨前部は対側に働く。)
- 414_11【Masseter muscle咬筋 Musculus masseter】 The most prominent masticatory muscle. It acts to close the mouth and, together with the temporal and medial pterygoid muscles, determines the level of masticatory force. It consists of the following two parts.
→(咬筋は最も浅層にある咀嚼筋である。浅部と深部の2部からなり、浅部は強い腱で頬骨弓の前3分の2の下縁と内面から起こり後下方に向かい、深部は頬骨弓の後3分の2の下縁に垂直に下り向かい下顎枝および下顎角の外面に付く。作用は下顎骨を引き上げて歯をかみ合わせる。咬筋は強大な筋で、歯をかみ合わせると、体表からみることができ、かつ触れることができる。)
- 414_12【Ramus of mandible下顎枝 Ramus mandibulae】 Projection that forms the ascending ramus of the mandible.
→(下顎体の後端から上(やや)後方に延びた、扁平な板状部で矢状位に立つ。)
- 414_13【Medial pterygoid muscle内側翼突筋 Musculus pterygoideus medialis】 o: Pterygoid fossa and the maxillary tuberosity. i: Pterygoid tuberosity on inner side of the angle of the mandible, passing obliquely downward and backward. Synergist of the temporal and masseter muscles. I: Mandibular nerve.
→(内側翼突筋は蝶形骨の翼突窩で起始して、下顎角内面に停止する。したがって、この筋は、下顎骨の外面側を走る咬筋浅部と同様な走行方向で下顎骨の内側面を走る。両筋は作用方向は同一であり、したがって協力筋である。)
- 414_14【Body of mandible下顎体 Corpus mandibulae】 Horizontal part of the mandible to which the rami of the mandible are attached.
→(下顎体は後方に向かって開いたL字形の左右両半からなり、ほぼ垂直に立つ厚い骨板である。一般に前方が高く後方が引く。下顎体を内外両面に分けるほか、上縁とその周囲を歯槽部、下縁を下顎底という。下顎底は歯槽部より広く、そのため側面はやや傾斜し、とくに前部が前下方に突出して顔のオトガイ(頤)をるくる。この下顎底が広いことが人類の下顎骨の著しい特徴である。)