415_01【External occipital protuberance外後頭隆起;後頭結節;外後頭結節 Protuberantia occipitalis externa】 Easily palpable bony projection at the border between the occipital and nuchal planes. →(外後頭隆起は凸面をなす後頭鱗の外面のほぼ中央に外後頭隆起がある。)
415_02【Transversus nuchae; Transversus nuchae muscle項横筋 Musculus transversus nuchae】 Muscle occasionally present (25%) between the insertions of the trapezius and sternocleidomastoid muscles. →(項横筋は僧帽筋と胸鎖乳突筋の腱の間に張る筋でまれに存在する。後耳介筋束と考えれらる。)
415_03【Semispinalis capitis muscle頭半棘筋;横突後頭筋 Musculus semispinalis capitis; Musculus transversooccipitalis】 o: Transverse processes of T6-C3. i: Inferior to the superior nuchal line. I: Posterior rami of spinal nerves of C1-C5. →(頭半棘筋の起始は上位6個の胸椎と第7頚椎の横突起、第4~6頚椎関節突起。停止は後頭骨の上下項線間の項平面。機能として脊柱の伸展、側方屈曲。頭、肋骨、骨盤の伸展。神経支配は第1~6頚椎。動脈は後肋間動脈の筋枝、後頭動脈の下行枝、肋頚動脈の深頚枝から受ける。頭半棘筋は頚部の板状筋に完全におおわれ頚最長筋と頭最長筋の内側にある。固有背筋の外側筋群を形成する筋原基から大部分形成される。それ故に、この筋は脊髄神経後枝の内側枝ばかりでなく、外側枝の支配も受ける。この筋は複合羽状型であり、不完全に狭い内側筋束と、線維質の外側筋束に分化し、両者とも中間腱を所有する(内側筋束はときどき2つ)。)
415_04【Splenius capitis muscle頭板状筋 Musculus splenius capitis】 Portion of the splenius extending to the head. o:Spinous processes of T3-C4. i: Lateral part of the superior nuchal line and mastoid process. →(頭板状筋の起始は頚靱帯の下半分、第7頚椎と上位3~4個の胸椎棘突起。停止は側頭骨の乳様突起と上項線の外側部。機能として共同で頭と頚の伸展と側方屈曲をしかつ頭を少し回旋する。神経支配は中および下頚神経の後枝の外側枝。動脈は後頭動脈下行枝の筋枝、頚横動脈の浅枝から受ける。)
415_05【Splenius cervicis muscle頚板状筋 Musculus splenius cervicis; Musculus splenius colli】 Portion of the splenius extending to the neck. o:Spinous processes of T5-T3. i: Posterior tubercles of transverse processes of cervical vertebrae C2-C1. →(頚板状筋の起始は第3~6胸椎棘突起と棘上靱帯。停止は上位3~4個の胸椎横突起後結節。機能として共同で頭と頚の伸展と側方屈曲をしかつ頭を少し回旋する。神経支配は中および下頚神経の後枝の外側枝。動脈は後頭動脈下行枝の筋枝、頚横動脈の浅枝から受ける。)
415_06【Epicranial aponeurosis帽状腱膜;上頭蓋腱膜;頭外被腱膜 Galea aponeurotica; Aponeurosis epicranialis】 Hoodlike aponeurosis of both parts of the epicranius that can be moved against the periosteum. Its inferior surface extends from the highest nuchal line to the supraorbital margin and its lateral border nearly reaches the zygomatic arch. →(学会では上頭蓋腱膜を採用する必要を認めていないが英語圏では一般にEpicranial aponeurosisを用いているのであえて併記した。帽状腱膜はヘルメット様の扁平腱で、頭蓋表筋の後頭前頭筋の後頭筋腹と前頭筋腹とを連結する腱膜で、側頭頭頂腱膜とともに頭骨外被を形成する。)
415_07【Temporoparietalis muscle側頭頭頂筋 Musculus temporoparietalis】 Muscle that extends from the auricular cartilage to the epicranial aponeurosis. →(側頭頭長筋は側頭部から帽状腱膜まで広がる。本筋後部は特に上耳介筋と呼ばれ、耳介に付着している。参考:多くの哺乳類では発達し、前頭筋はここれからわかれたものという。日本人では56%に出現(Nishi)。)
415_08【Parietal part of temporoparietal muscle頭頂部(側頭頭長筋) Pars parietalis(Musculus temporoparietalis)】 →()
415_09【Occipital belly of occipitofrontalis muscle後腹(後頭前頭筋の);後頭筋 Venter occipitalis (Musculus occipitofrontalis); Musculus occipitalis】 Portion of the occipitofrontalis muscle that passes from the highest nuchal line into the epicranial aponeurosis. Antagonist of the frontal belly. →(人類では帽状腱膜の移動性は少ないので前頭筋は主に眉を上げるためだけである。また後頭筋はその一般に退化的でその働きも弱い。)
415_10【Auricularis posterior muscle後耳介筋;項耳筋 Musculus auricularis posterior】 Muscle that originates from the mastoid process and attaches to the root of the auricle. I: Facial nerve. →(後耳介筋は側頭骨の乳様突起の外面から起こり、前方に向かう。)
415_12【Sternocleidomastoid muscle胸鎖乳突筋 Musculus sternocleidomastoideus】 o: Two-headed muscle arising from the sternum and clavicle, i: Mastoid process; superior nuchal line. Rotates the face to the contralateral side and bends the head to the ipsilateral side. Bilateral contraction elevates the face. I: Accessory nerve, cervical plexus (C1-C2). →(胸鎖乳突筋は側頚部にある強大な斜めに縦走する浅層の筋。胸骨柄前面と鎖骨の胸骨端から2頭をもっておこり、両頭は合して強い筋腹をつくって後上方に走り、乳様突起および後頭骨の上項線につく。作用は複雑で、両側が同時に働くとオトガイを上げて後頭部を片側が働けば頭を対側にまわすが、その浅オトガイが対側に向かって上り、頭は逆に同側に傾く。支配神経は副神経外枝と頚神経叢筋枝(C2, C3)であり、したがって僧帽筋と同系の筋である。また、第6咽頭弓に発生する鰓弓筋で、鎖骨上窩を囲む2頭(胸骨頭と鎖骨頭)をもって始まる。胸骨頭は胸骨柄の上縁から、鎖骨頭は鎖骨の胸骨端から起こる。筋膜は頚筋膜浅葉に鞘状に包まれており、斜め上方に向かって幾分螺旋状に回転しながら頚部外側面を横切り、よく発達した腱となって乳様突起と上項線に停止する。筋の表面は、起始部で腹側に、停止部で外側に向く。参考:副神経外枝の僧帽筋枝は、外枝がこの筋に入る前に分かれることと、筋内で分かれて再び外に現れることがある。胸鎖乳突筋はドイツ語ではKopfnicker(頭をこっくりとうなずかせる筋)と呼ばれるが、これは作用の点からは正しくない。この筋が片側だけ収縮すると、頭はその側へ傾き反対側を振り向いて、あたかも「首をかしげる」状態になる。また両側の物が同時に収縮すると、頭を胴体にめり込ませるように働くのえある。Musculus sternocleidomastoideusというラテン名はあまりにも長たらしいので、米英では多少簡略化してsternomastoid muscleともよぶ。片側の胸鎖乳突筋が先天的に短い場合、または出産時の外傷などによって瘢痕化して短縮すると、この筋の作用を考えればすぐわかるように、頭は病側へ傾くと共に健側にねじれたままの状態になるこれを斜径torticolis, wryneck(性格には筋性斜径)といい、かなり頻度の高いものである。略語(SCM))
415_13【Trapezius muscle僧帽筋 Musculus trapezius】 Muscle that consists of three parts that act together to position the scapula and clavicle, draw both toward the vertebral column, and brace the shoulder girdle. I: Accessory nerve; brachial plexus C2-C4. →(背部第1層にみられる扁平な菱形の筋で背部上半部を占める。僧帽筋は上肢の運動の時に肩甲骨を動かす重要な筋である。とくに上腕の外転のときに、肩甲骨を後内側に引くと同時に下角を外側に回し、関節窩が上外側を向くようにする。僧帽筋は下行部、横走部、上行部に分けられる。[臨床]僧帽筋の完全麻痺(副神経と上部腕神経の同時の傷害)の場合、肩は健側よりも深く位置するようになる項肩線は弓状を呈さず、乱れる。肩甲骨は正中線より、はるかに離され、関節窩は前下方を向く。肩は(肩甲挙筋の)弱いエネルギーにより持ち上げることが出来るにすぎず、わずかに(菱形筋により)後方にもたらされるにすぎない。腕の外側への挙上は大きく減少する。腕は通常水平面まで外転され得ない。腕の前方への挙上は(前鋸筋による肩甲骨の回転により)ほとんど制限さされないが、矢状面での挙上は強く妨げられる。副神経のみが傷害された場合、僧帽筋の下行部の機能は(上頚神経の付随的支配により)種々の程度に保存される。肩甲骨の位置の変化はそれほど著明ではない。しかし、腕を横または後へ挙上することは、ちょうどその程度に応じて制限される。)