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- 438_01【Sternocostal head; Sternocostal part (of pectoralis major muscle)胸肋部(大胸筋の) Pars sternocostalis (Musculus pectoralis major)】 Portion originating from the sternum and ribs.
→(大胸筋の胸肋部は胸骨と肋骨から起こる部分で胸骨前面と上5~7個の肋軟骨から水平に外方へ走行し、上腕骨大結節稜に停止する。機能として肋骨を上げ吸気を助ける。神経支配は内側および外側胸筋神経(C5-8)。)
- 438_02【External oblique muscle; Abdominal external oblique muscle; External abdominal oblique muscle外腹斜筋 Musculus obliquus externus abdominis】 o:Outer surface of the fifth through twelfth ribs, i: Iliac crest, inguinal ligament, rectus sheath, linea alba. Flexes the trunk, elevates the pelvis, raises intra-abdominal pressure, bends laterally, and rotates the trunk to the contralateral side. I: Intercostal nerves of fifth to twelfth ribs.
→(外腹斜筋の起始は下位8本の肋骨外側面から指状に出ている筋線維束。停止は最下部肋骨からの筋肉性の厚い線維は腸骨稜の外唇前半部に付着し、残りは前腹壁の広い腱膜に付着する。機能としては腹部の収縮、内臓の保護、強い呼気の場合も働く。神経支配は下部6本の胸神経と上部2本の腰神経の前枝。動脈は上および下腹壁動脈の筋枝より受ける。3つの側腹筋の中でもっとも広い領域を占める筋である。最初の起始筋束は、わずかに斜めに下る程度であるが、もっとも尾側の筋束は急角度で下方へ進む。腱膜への移行は、腹直筋の外側縁に並行に直線的に生じ、その線は、上前腸骨棘のやや頭側で急に直角あるいは鋭角に向きを変え、腸骨稜の上端に終わる。このようにして筋角が形成されるが、この角はしばしば皮膚の表面から認められ、古代の彫刻にも良く強調されている。この筋線維束は、筋が引き伸ばされない限りは腸骨稜を越えて膨出し、そのために骨盤の上縁をおおって鼡径隆起を形成する。多くの人において(男性より女性において頻度が高いが)広背筋は外腹斜筋に直接隣接しない。広背筋の前縁と外腹斜筋の後縁の間には尾側が腸骨稜によって境される三角形の領域、腰三角が形成され、この部位の腹壁は、内服斜筋と腹横筋にのみによって形成される。ここは、脊柱に生じ腸骨稜に沿って移動してきた膿瘍が、外へ逃げることが出きる場所であり、まれには(下)腰ヘルニアも出現する。)
- 438_03【Sixth rib [VI]第6肋骨 Costa VI; [VI]】
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Boxer's muscle
- 438_04Boxer's muscle【Serratus anterior muscle前鋸筋;側鋸筋;外側鋸筋 Musculus serratus anterior; Musculus serratus lateralis】 o:First to ninth ribs, i: Inferior surface of medial border of scapula. Fixes, rotates, and lowers the scapula, draws it forward, and assists in raising the arm above the horizontal plane. I: Long thoracic nerve.
→(前鋸筋は、起始が二次的に体幹の腹外側に移動したものである。このことは人の個体発生でも示される。前鋸筋の起始は上部8ないし9本の肋骨の外側面。停止は肩甲骨椎骨縁(内側縁の肋骨面)。機能として肩甲骨の外転、肩甲骨を固定した場合は肋骨を引き上げる。神経支配は長胸神経。動脈は外側胸動脈から受ける。)
- 438_05【Latissimus dorsi muscle広背筋 Musculus latissimus dorsi】 o: Spinous processes of T7-T12, thoracolumbar fascia, iliac crest, tenth through twelfth ribs, i: Crest of lesser tubercle of humerus. Retraction, medial rotation, adduction of the arm. I: Thoracodorsal nerve.
→(広背筋は背面に広く広がってる。これは下位6胸椎の棘突起とそれにともなう分節の棘上靱帯から、全腰椎の棘突起と仙骨から胸腰筋膜を介して、腸骨稜から、および第(9)10~12肋骨から起こり、しばしば肩甲骨下角からも起こる。筋線維は斜め上方にすすみ上腕骨における停止に向かって集まり、大円筋の周りで曲がって小結節稜に着く(下縁では大円筋の終止腱と一緒に成長するが、他の部分では滑液包で分けられている。)。一番頭側から起こる線維は骨稜の遠位部につき、肋骨から起こる線維束はもっとも近位に着く。上腕骨に近い筋の部分は、それゆえ、捻れている。この回転は上腕の挙上によって相殺される。これは上腕を挙上した場合、個々の筋の部分が極端に不均等に引っ張られるのを防ぐ。なぜなら挙上された上腕骨においては稜の遠位部がもっとも頭側に位置するからである。広背筋の前縁と大胸筋の外側縁との間には、結合組織の線維(線維性腋窩弓fibrous axillary arch)が弓状に走って両筋を結んでいるが、数%の頻度でここに筋線維束(筋性腋窩弓muscular axillary arch)がみられる。筋性腋窩弓の存在は、生体でも皮膚の上から認めることが出来る。この以上筋束を最初に記載したのはRamsay(1795)であるが、Langer(1846)の広汎な研究以来、ランゲル筋Langer's muscleと呼ばれるようになった。)
- 438_06【External intercostal muscle外肋間筋 Musculi intercostales externi】 Muscles that extend obliquely between the ribs from posterosuperior to anteroinferior. They are active during inspiration and fix the ribs. I: Intercostal nerves.
→(外肋間筋は、肋間筋の表層を形成する。この筋は肋骨結節から肋骨の骨軟骨境界に至るまで全肋間に分布する。この筋線維は後上から前下に向かって斜走する(外腹斜筋と同様に)。)
- 438_07【Innermost intercostal muscle最内肋間筋 Musculi intercostales intimi】 Innermost muscle fibers, which are separated from internal intercostal muscles by intercostal vessels. I: Intercostal nerves.
→(内肋間筋の内面に重なり、これとまったく同じ走行の筋束からなるが、両者の間を肋間神経が血管とともに走るので区別される。前端は肋軟骨との結合部に達せず、後端は全筋より外側になることが多い。)
- 438_08【Tenth rib [X]第10肋骨 Costa X; [X]】
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- 438_09【Rectus sheath腹直筋鞘 Vagina musculi recti abdominis】 Investing layer of the rectus abdominis that is formed by the aponeuroses of the flat abdominal muscles.
→(腹直筋鞘は腹直筋の腱膜が癒合して腹直筋を包んだものである。外腹斜筋の腱膜は腹直筋鞘の前葉に入り、内腹斜筋の腱膜の下半は前後2葉に分かれて腹直筋鞘の前後両葉に入るが、下部では前葉だけに入る。腹直筋の腱膜は同じくこれより上では腹直筋鞘の後葉にに入り、これより下ではすべて腹直筋鞘の前葉に至る。したがって下部では腹直筋鞘の後葉は欠け、腹直筋の後面は直接に横筋筋膜(これもここでは弱いで被われる。この両部の境界線を弓状線という。その位置は臍輪から4~6cm下方であるが個人差が大きい。)
- 438_10【Internal oblique muscle; Internal abdominal oblique muscle内腹斜筋 Musculus obliquus internus abdominis】 o:Thoracolumbar fascia, iliac crest, anterior superior iliac spine, inguinal ligament, i: Tenth to twelfth ribs and rectus sheath. Flexes the trunk, elevates the pelvis, raises intra-abdominal pressure, bends laterally, and rotates the trunk to the ipsilateral side. I: Intercostal nerves of the eighth through twelfth ribs, iliohypogastric nerve, and ilioinguinal nerve.
→(内腹斜筋の起始は腰筋膜、腸骨稜の中間線の前部2/3、鼡径靱帯の外側2/3。停止は上部線維は最下位の3本の肋骨の軟骨へ着き、残りは第10肋骨へ着き、残りは第10肋軟骨から恥骨までわたっている腱膜に扇形にひろがって付着し腹部の中央線で白線を形成している。機能として腹部の圧縮、腹部の内臓を保護する、強い呼気の時活動する。神経支配は下部6本の胸神経と上部2本の腰神経の前枝、腸骨下腹神経と腸骨鼡径神経からの枝。動脈は上および下腹壁動脈と深腸骨回旋動脈の筋枝から受ける。この内腹斜筋の腱膜の線維は、白線において外腹斜筋の腱膜の線維と交織し、反対側の外腹斜筋の腱膜に連続する。こうして腹壁を斜めに取り巻く一続きの筋腱性の帯が形成され両側の2つの斜筋は1つの運動単位として結ばれることになる。内腹斜筋の筋線維束は、急角度で上昇し、筋性に第(9)10~12肋軟骨の下縁に停止する。これらの筋束は、頭側では明確な境界なしに内肋間筋に連続している。それより腹側で起こる内腹斜筋の筋線維束、腹側になればなるほど上に向かう角度がゆるやかになり、上前腸骨棘から起こる筋線維束はほぼ水平、鼡径靭帯から起こる筋線維束は斜め下方へ進むようになる。尾側部では、内腹斜筋を腹横筋から区別することが非常にむずかしい。2つの筋を頭側で隔てている結合組織層(その中を神経が走る)は、上前腸骨棘の高さで終わり、腸骨下腹神経の前皮枝と腸骨鼡径神経は、内腹斜筋の腹側面を走るようになる。)
- 438_11【Linea alba白線 Linea alba】 Strip formed by the fusion of the left and right abdominal aponeuroses between the xiphoid process and pubic symphysis.
→(白線は前腹壁の中央の全長にわたっ縦に走る線維帯。腹直筋鞘の前・後葉をつくる両側の側副筋腱膜の線維が前腹壁の正中線で左右交じり合って作るつよい結合組織の紐で、上方は剣状突起前面から始まり、下ほど広くなり、臍の高さを過ぎると再び狭くなって恥骨結合上縁に至る。腹斜筋と腹横筋が付着する。)
- 438_12【Anterior superior iliac spine; Iliospinale anterius上前腸骨棘;前腸骨棘 Spina iliaca anterior superior; Spina ilica ventralis】 Bony projection at the anterior border of the iliac crest giving origin to the sartorius muscle.
→(腸骨稜の前端は鈍円な突起として大きく突出し、上前腸骨棘として体表上からもよく触れる。大腿筋膜張筋および縫工筋が起こる。)
Fallopian ligament; Poupart's ligament; Vesalius' ligament
- 438_13Fallopian ligament; Poupart's ligament; Vesalius' ligament【Inguinal ligament鼡径靱帯;鼡径弓 Ligamentum inguinale; Arcus inguinalis】 Inferior end of the aponeurosis of the external oblique. It passes from the anterior superior iliac spine to the pubic tubercle.
→(鼡径靱帯は上前腸骨棘と恥骨結節との間に張る靱帯で、前面における体幹と下肢の境界である。外腹斜筋の停止腱膜のつくる腱弓の発達したものである。恥骨櫛は恥骨結節のやや後部から後外側にのびているので、鼡径靱帯は恥骨櫛よりもやや前方にある。鼡径靱帯の内側端の一部は分かれて後走し、恥骨櫛は恥骨結節のやや後部から後外側にのびているので、鼡径靱帯は恥骨櫛よりもやや前方にある。鼡径靱帯の内側端の一部は分かれて後走し、恥骨櫛内側部に達する。これを裂孔靱帯といい、鼡径管下壁の形成に関与する。裂孔靱帯外側縁が恥骨櫛に沿ってのびているものを恥骨櫛靱帯という。また、浅鼡径輪の外側脚をを作る外腹斜筋腱膜線維が鼡径靱帯内側端に到達した後、上内側に方向をかえて反転し、腹直筋鞘前葉をつくる内腹斜筋の前面に向かって線維を送る。これを反転靱帯といい、鼡径管内側端に到達した後、上内側に方向をかえて反転し、腹直筋鞘前葉をつくる内腹斜筋の前面に向かって線維を送る。これを反転靱帯といい、鼡径管内側端で、その後壁の形成に関与する。プーパルの靱帯とも呼ばれる。Poupart, Francois (1616-1708)フランスの外科医、ルイ14世の侍医。プーパルの靱帯(鼡径靱帯)を既述("Suspenseurs del'-abdomen", Hist. Acad. Roy. Sci., Paris, 1730, 51)、プーパル線は鼡径靱帯の中心と鎖骨とを結ぶ線。)
- 438_14【Spermatic cord精索 Funiculus spermaticus】 It consists of the ductus deferens, its accompanying vessels, nerves and connective tissues, as well as coverings.
→(精索は精管が血管、神経とともに皮膜に包まれ、精巣上体から深鼡径輪に達するまでの約11.5cm長の紐状の構造。蔓状静脈叢、精巣動脈、脂肪、平滑筋などを含む。精索と子宮円索とは共に鼡径管を通っているが、その由来は同じではない。精索(精管)に相当するものは女性ではほとんど退化して、わずかに卵巣状態(の縦管)として残り、子宮円索は男性の精巣導帯gubernaculum testis(精巣の下端と陰嚢の皮膚をつなぐ結合組織で、ハンター導帯Hunter's gubernaculumとも呼ぶ)に相当する。このように由来の異なるものが男女で同じ場所を通っている原因は、女性では卵巣下降descent of ovariesが子宮の高さで止まり、卵巣が腹腔外に出てこないからである。)
- 438_15【Suspensory ligament of penis♂陰茎提靱帯 Ligamentum suspensorium penis♂】
→(浅腹筋膜の正中下端部が靱帯化したもので、陰茎(陰核)ワナ靱帯の深部にあり、恥骨結合前面からおこり、陰茎(陰核)海綿体の基部背面につく。女性では著しく弱い。)