569_01【Cingulate sulcus帯状溝 Sulcus cinguli】 Anterosuperior groove between the cingulate gyrus and middle frontal gyrus. →(帯状溝は大脳半球の内側面にある。脳梁溝と平行に走る溝で、前部は前頭下部で後方は縁部となり、この部はほぼ垂直に走って半球上縁をこえ、半球外側面にでる。)
569_02【Anterior cerebral artery; ACA前大脳動脈 Arteria cerebri anterior】 Thinner terminal branch of the internal carotid artery. It arises laterally from the division of the internal carotid artery above the anterior clinoid process, passes anteriorly, anastomoses with the artery from the opposite side, and runs between the cerebral hemispheres over the genu of corpus callosum and, on its posterior side, posteriorly toward the splenium. It gives off cortical arteries as well as arteries for subcortical and basal nuclei. →(前大脳動脈は、視交叉と視神経の外側で内頚動脈から分岐する。左右の前大脳動脈は視神経の背側を前内側方向に走り、相互に近づき、前交通動脈によって連結する。前大脳動脈は、大脳縦裂の間に入り、大脳の内側面を上方に向かい、つづいて脳梁の背側面を後方に向かう。前大脳動脈は、大脳縦裂の間に入り、大脳の内側面を上方に向かう。前大脳動脈は、途中で次のような枝を出す。すなわち①内側線条体動脈、②眼窩枝、③前頭極動脈、④脳梁辺縁動脈、⑤脳梁周囲動脈である。前大脳動脈の異常は約25%の脳にみられる。このなかには前大脳動脈が1本しかないもの、枝が反対側の大脳半球に分岐する例もある。)
569_03【Optic nerve [II]視神経;視束[脳神経II] Nervus opticus; Fasciculus opicus [II]】 Nerve emerging medial to the posterior pole of the eyeball and extending to the optic chiasma. →(視神経は脳神経の1つとして扱われてはいるが、実は前脳胞の延長部である。眼球網膜の第8層である神経細胞層中にある多極神経細胞から出る神経線維が集まって出来る神経である。すなわち杆状体細胞および錐体状細胞よりの興奮は網膜の内顆粒層の双極細胞に伝わり、それがさらに神経細胞層の細胞に連絡し、この神経細胞の出す神経突起である線維はまず眼球の後極よりやや内下方の一ヶ所に集まって、視神経円板を作り、強大な神経幹となり、網膜の続きである視神経鞘に囲まれて後内側に向かう。眼球から約15~20mm隔ったたところで、眼動脈の枝である網膜中心動脈およびこれに伴う静脈が外側から入り込み、その中軸を通って網膜に分布する。左右両側の視神経は眼窩後端の視神経管を通って頭蓋腔に入り、次第に相近づいて蝶形骨体上の視神経溝でほぼ半交叉をして視交叉を作り、そのつづきは視索と名が変わって間脳の外側膝状体および中脳の上丘などの第一次視覚中枢に達して、ここで終わる。網膜が眼胚から発達するので経路に相応する。ヒトの視神経は眼球網膜の神経細胞層中にある多極神経細胞から出る100万本以上の神経線維からなる。すなわち、杆状体細胞および錐体状細胞よりの興奮は網膜の内顆粒層の双極細胞に伝わり、それがさらに神経細胞層の細胞に連絡し、この神経細胞の出す神経突起である線維はまず眼球の後極よりやや内下方の一ヶ所に集まって、視神経円板を作り、強大な神経幹となり、網膜の続きである視神経鞘に囲まれて後内側に向かう。眼球から約15~20mm隔ったたところで、眼動脈の枝である網膜中心動脈およびこれに伴う静脈が外側から入り込み、その中軸を通って網膜に分布する。左右両側の視神経は眼窩後端の視神経管を通って頭蓋腔に入り、次第に相近づいて蝶形骨体上の視神経溝でほぼ半交叉をして視交叉を作り、そのつづきは視索と名が変わって間脳の外側膝状体および中脳の上丘などの第一次視覚中枢に達して、ここで終わる。)
569_04【Anterior communicating artery前交通動脈 Arteria communicans anterior】 Highly variable anterior vessel connecting the two anterior cerebral arteries. Common site of aneurysms. →(前交通動脈は左右の前大脳動脈を連絡するきわめて短い吻合である。この吻合の形態もさまざまで、互いに接するような長さのない側側吻合のこともあり、一定の長さ(0.1~3mm)を有することもある。その数も1~3本を認め、血管の直径も一定しない。時には網状の形態を示すこともある。)
569_05【Internal carotid artery内頚動脈 Arteria carotis interna】 It passes from the carotid bifurcation, without any branches, to the cranial base, continuing in the carotid canal to its terminal division into the middle and anterior cerebral arteries. →(内頚動脈は、総頚動脈から起こり、頚部では頭蓋底にいたるまでは枝を出さない。ついで頚動脈管をへて中大脳動脈と前大脳動脈に分枝するまでをいう。内頚動脈は頚部、側頭骨錐体部(岩様部)、海綿静脈洞部、大脳部の4つの部分に分けられる。この内頚動脈の海綿静脈洞部と大脳部とは、特別な形態を呈するので、「頚動脈サイフォン」とよばれている。内頚動脈の主な枝として、眼動脈、後交通動脈、前脈絡叢動脈がでる。内頚動脈は、視交叉の外側で小さな前大脳動脈と大きな中大脳動脈とに分岐する。中大脳動脈は内頚動脈の直接の続きで終枝と考えられる。)
569_06【Corpus callosum脳梁 Corpus callosum】 Transverse nerve fibers connecting the two cerebral hemispheres at the base of the longitudinal cerebral fissure. →(脳梁は左右の大脳皮質、ことに新皮質を結合する線維の集合したもので、系統発生的には最も新しく、ヒトでは非常に発育がよい。その前後経はほぼ7.7cmである。脳梁は正中断では全体としては釣針状で、4つの部分が区別される。後端部は膨大し、脳梁膨大といい、その前方に続いて水平に走る部分を脳梁幹とよぶ脳梁はその前端では強く屈曲し、脳梁膝をつくる。これはさらに後下方にくちばしのように尖って脳梁吻となり、しだいに薄くなって終板に続く。)
569_07【Parieto-occipital sulcus; *Occipitoparietal sulcus頭頂後頭溝 Sulcus parietooccipitalis】 Deep furrow anterior to the cuneus that divides the occipital and parietal lobes. →(頭頂後頭溝は頭頂葉楔前部と後頭葉楔部との境をつくる非常に深い垂直に走る溝。頭頂葉と後頭葉を分ける。)
569_08【Cuneus楔部 Cuneus】 Region between the parieto-occipital sulcus and calcarine sulcus. →(楔部は左右の大脳半球の後頭葉の内側面にある。三角形をしていて、前方は頭頂後頭溝によって、下方は鳥距溝によって、そして後方は大脳半球内側面の上縁によって境されている。)
569_09【Calcarine sulcus; Calcarine fissure鳥距溝 Sulcus calcarinus】 Deep groove beneath the cuneus in the region of primary visual perception. →(鳥距溝は大脳半球の内側面で、後頭極の近くから前方に向かってほぼ水平に走る深い溝である。前端で頭頂後頭溝に合する。一次視覚野は視覚中枢で、後頭葉の内側面において、鳥距溝の両側(Brodmannの17野)にある。視床の外側膝状体からの線維が視放線をつくってここに達する。視覚野の皮質は他の皮質部に比べて薄く(約1.5mm)、皮質内に表面に平行に走る有髄線維束(ジェンナリ線Gennari's strai or line)が発達し、これが肉眼的に認められるので有線野area striataといわれる。一側の視覚野には、同側の網膜耳側半部と反対側の網膜尾側半部とからの入力が復元される。また、網膜の上半分は鳥距溝の上方に、網膜の下半分は鳥距溝の下方に復元される。黄斑(網膜の後端で、視覚が最も鋭い部)は視覚野(17野)の後約3分の1部を占める広い領域に復元される。)