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- 670_01【Parotid gland耳下腺 Glandula parotidea; Glandula parotis】 It occupies the retromandibular fossa, extending to the temporomandibular joint and the ramus of mandible.
→(耳下腺はヒト最大の唾液腺で、左右の耳の前下方にあり、下は下顎角まで、上は頬骨弓まで、後方は胸鎖乳突筋まで、内側は側頭下窩の下顎骨下顎枝まで広がっている。その分泌管の耳下腺管によって上顎第2大臼歯の頬粘膜に開口する。終末部(線房)は純漿液性の分泌物からなる(これは他の大唾液腺との大きな違いである)。介在部および線条部もよく発達している。小葉内(腺の実質内)に多数の脂肪細胞が散在するもの、大きな特徴の一つで他の唾液腺と容易に区別できる点である。Parotisという語は、para(傍)とotis(耳)との複合語で、耳の傍らにあるものという意味である。17世紀のフランスの解剖学者リオランの命名である。)
- 670_02【Submandibular gland顎下腺 Glandula submandibularis; Glandula submaxillaris】 Predominantly serous gland that is situated almost entirely beneath the mylohyoid muscle.
→(顎下線は顎舌骨筋の下で、下顎骨と顎二腹筋の間の三角形の窩(顎下三角)の中にある長さ2.5~3.5cm、厚さ約1.5cm、成人平均重量(一側)3.5~9.0gのやや扁平な楕円体。複合管状胞状線で、腺房は漿液細胞が大部分を占める混合性である。導管系は介在導管と線条導管が耳下腺、舌下腺に比べてはるかによく発達し、これらの導管上皮細胞には、管腔側に多少とも分泌顆粒様構造をもつことが多い。とくに齧歯目の顎下腺では、腺房は漿粘液性の分泌顆粒をもったただ1種類の細胞からなり、介在導管と線条導管の間には多数の分泌顆粒をいれた上皮細胞の一群がみられる。これを顆粒性膨大部(Granular convoluted tubes)または線条導管分泌部(secretory protion of striated duct)とよぶ。その発達は性ホルモン依存性で雌より雄がよく発達し(性的二形、sexual dimorphism)マウスやラットではこの部の総体積は終末部のそれを凌駕する。主としてマウスの顎下腺で証明された神経成長因子、上皮成長因子、レニン、カリクレインなどの特蛋白は、この部分で産生放出されると考えられている。顎下腺管(Ductus submandibularis) (Wharton's ductともいう)は大舌下腺管とともに舌下小丘に開く。血管は顔面、舌動脈の枝が、神経は鼓索神経が顎下神経を経て、また血管を介して交感性線維が分布する。)
- 670_03【Masseter muscle咬筋 Musculus masseter】 The most prominent masticatory muscle. It acts to close the mouth and, together with the temporal and medial pterygoid muscles, determines the level of masticatory force. It consists of the following two parts.
→(咬筋は最も浅層にある咀嚼筋である。浅部と深部の2部からなり、浅部は強い腱で頬骨弓の前3分の2の下縁と内面から起こり後下方に向かい、深部は頬骨弓の後3分の2の下縁に垂直に下り向かい下顎枝および下顎角の外面に付く。作用は下顎骨を引き上げて歯をかみ合わせる。咬筋は強大な筋で、歯をかみ合わせると、体表からみることができ、かつ触れることができる。)
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- 670_04【Submandibular nodes; Submandibular lymph nodes顎下リンパ節;オトガイ下リンパ節;耳下腺リンパ節 Nodi lymphoidei submandibulares; Lymphonodi submandibulares】 Lymph nodes located between the mandible and submandibular gland that serve as first and second filtering stations. Directly drain: medial angle of eye, cheek, side of nose, upper lip, lateral part of lower lip, gingiva, and anterior lateral border of the tongue. Indirectly drain: facial and submental nodes. Drain into: deep cervical lymph nodes.
→(所属リンパ節名(頚部)(100-sm)顎下腺周囲,顎舌骨筋の前面,耳下腺周囲に存在するリンパ節。
下顎骨と顎下腺の間にあり、第一および第二の瀘過場となる。直接の輸入領域は内眼角、頬、鼻翼、上唇、下唇側部、歯肉、舌外側縁の前部。間接的輸入領域は顔面およびオトガイ下リンパ節。輸出流は深頚リンパ節へ。)
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- 670_05【Facial artery顔面動脈;外顎動脈 Arteria facialis; Arteria maxillaris externa】 Third anterior branch of the external carotid artery. It lies behind the posterior belly of digastric muscle, stylohyoid, and submandibular gland. It crosses the mandible along the anterior border of the masseter and supplies the muscles of facial expression.
→(顔面動脈は舌動脈のやや上方で、外頚動脈の前側から起こり、下顎角の内側で顎下腺の上面を前方に走り、化学体の下縁をまわって顔面に現れる。顔面に出ると、蛇行しながら口角を経て鼻の側縁に沿って上場し内眼角(メガシラ)に至る。顔面動脈が下顎骨の下縁をまたがって顔面に出るところで体表から脈動を触れる。この部位は咬筋の前縁(歯を強くかみ合わせると触れる)にあたる。)
- 670_06【Mandible下顎骨 Mandibula】
→(下顎を形成する。下顎を支え、頭蓋と顎関節をつくる骨で、水平な馬蹄形の部(下顎体)と、その後端から上方に向かう部(下顎枝)に分けられる。本来有対の骨として生じ、生後1年目で下顎底の前端で癒合して一つの骨となる。下顎体の上縁は歯槽部で、下縁は下顎底という。歯槽部には各側8本の歯をいれる八つのへこみ(歯槽)があり、全体として歯槽弓をつくる。各歯槽を境する骨壁を槽間中隔といい、大臼歯の歯槽はさらにその歯根の間を隔てる低い根管中隔で分けられている。体の正中線上前面で左右の骨が癒合した部分は高まり、その下縁は三角形をなして突出(オトガイ隆起)し、ヒトの特徴であるオトガイをつくる。その外側、下縁に接する小突出部をオトガイ結節という。外面ではオトガイ結節から斜線が下顎枝の前縁に向かう。また第2小臼歯の下方にオトガイ孔がある。下顎体の内面には前方正中部に四つの隆起からなるオトガイ棘があり、上二つはオトガイ舌筋、下二つはオトガイ舌骨筋がつく。その下外側で下縁に切歯て卵形のへこみ(二腹筋窩)がある。そこから斜めに下顎枝の前縁に向かう線(顎舌骨筋線)があり、左右のこの線の間をはる顎舌骨筋が口底をつくる。この線の上前はへこみ(舌下腺窩)、またこの線の下方、第2~3大臼歯の所もへこむ(顎下線窩)。下顎底が下顎枝にうつる所は下顎角といわれ、小児で鈍角であるが成長とともに直角に近づく。下顎枝の上縁は深い切れ込み(下顎切痕)によって二つの突起に分かれ、前のもの(筋突起)には側頭筋がつき、後のもの(関節突起)の先に横楕円形の下顎頭があて、側頭骨鱗部にある関節窩と顎関節を作る。下顎頭の下はすこしくびれ(下顎頚)、その前面に外側翼突筋のつく翼突筋窩がある。下顎枝外面は平らで下顎角に近く咬筋のつく咬筋粗面、内面には内側翼突筋のつく翼突筋粗面がある。下顎枝内面中央には下顎孔があり、その前縁は上内方に尖り(下顎小舌)口腔から触れるので、下歯槽神経の伝達麻酔の際、針をさす指標となる。下顎孔の後下から溝(顎舌骨筋神経溝)が出て前下方に斜めに向かう、この上の高まりが顎舌骨筋線である。下顎管は下顎孔からはじまり下顎体の中央で二分し、外側管はオトガイ孔で外側にひらき、内側管は切歯のそばに終わるが、その経過中に各歯槽に向かって小管を出している。有顎魚の下顎を支配する骨格は本来下顎軟骨(Meckel軟骨)で、上顎を支配する支持する軟骨は(口蓋方形軟骨)と顎関節をつくる。ともに鰓弓軟骨の変化したものである。硬骨魚類では下顎軟骨のまわりに若干の皮骨が生じて下顎を支え、そのうち前外面にあり、顎縁の歯をつけた大きい歯を歯骨という。顎関節は下顎軟骨と口蓋方形軟骨それぞれの後部の化骨物(関節骨と方骨)の間につくられる。両棲類、爬虫類も同じ状態であるが、哺乳類では歯骨のみが大きくなって下顎骨となり、顎関節は歯骨と燐骨(側頭骨鱗部に相当する骨)の間に新生されたものである。そして関節骨と方骨はツチ骨、キヌタ骨になっている。多くの哺乳動物では下顎骨は生体でも対をなした状態にとどまっている。Mandibulaはmandere(噛む)という動詞に由来し、語尾のbulaは「道具」を意味する接尾辞である。下顎骨にはすべての咀嚼筋が付。)
- 670_07【Digastricus muscle; *Digastric muscle顎二腹筋 Musculus digastricus; Musculus biventer mandibulae】 o:Mastoid notch, i: Digastric fossa. It has an intermediate tendon that acts on the lesser horn of the hyoid bone by means of a connective tissue sling. Raises the hyoid bone and opens the mouth.
→(顎二腹筋は舌骨の上方にある細長い筋で中間腱で前腹と後腹との2腹に分かれる。その後腹をもって側頭骨乳突切痕で起始し、斜め前・下方へ走る。舌骨付近で後腹は中間腱に移行し、この腱は二分した茎突舌骨筋によって挟まれ、かつ線維性滑車によって舌骨に固定される。前腹(顎舌骨筋からは皮膚側へ位置しているが)は中間腱から起始し、下顎骨内面で下顎下縁近くの二腹筋窩に停止する。顎二腹筋の前腹(下顎神経の枝である顎舌骨筋神経の支配)と後腹(顔面神経の支配)とは神経支配が異なることは注意を要する。下顎が固定されているときには、舌骨を引き上げる。舌骨が固定されているときは下顎骨を後下方に引く。両者は発生学的にも由来を異にし、前腹は顎舌骨筋・口蓋帆長筋などとともに咀嚼筋と同類(鰓弓のうち顎骨弓mandibular archに属する筋)であり、後腹は茎突舌骨筋・アブミ骨筋などとともに顔面表情筋と同類(鰓弓のうち舌骨弓hyoid archに属する筋)である。ちなみに、咀嚼筋は下顎神経で支配され、顔面表情筋は顔面神経支配である。このように発生学的な由来を知れば、色々な筋の支配を整然と整理することができる。)
- 670_08【Anterior belly of digastric muscle前腹(顎二腹筋の) Venter anterior; Venter mandibularis (Musculus digastricus)】 Portion of the digastric muscle that extends from the mandible to the intermediate tendon. I: Nerve to mylohyoid.
→(顎二腹筋の前腹は下顎骨から中間腱までの部分。顎舌骨筋神経から支配を受ける。)
- 670_09【Mylohyoid muscle顎舌骨筋;口底隔膜 Musculus mylohyoideus; Diaphragma oris】 o: Mylohyoid line, i: Median fibrous raphe and body of hyoid bone. It forms the muscular floor of the mouth; supports the tongue. Raises the floor of the mouth and the hyoid bone. Draws the mandible inferiorly. I: Nerve to mylohyoid.
→(顎舌骨筋は両側性に下顎骨の内面側から舌骨筋線の部分で起始する。左右両筋部は後方で収斂して、正中縫線で合一して筋板を形成し、この筋板は舌骨体に付着し、かつ両側下顎骨半を連結する。両側顎舌骨筋は口底隔膜を形成する。)
- 670_10【Submental nodes; Submental lymph nodesオトガイ下リンパ節 Nodi lymphoidei submentales】 Nodes located between the anterior bellies of digastric muscles. Region drained: middle part of lower lip, floor of mouth, and tip of tongue. Drain into: deep cervical lymph nodes and submandibular nodes.
→(オトガイ下リンパ節はオトガイの下で、顎舌骨筋の表側にある。下唇・オトガイの正中部からのリンパを集める。輸出リンパ管・頚リンパ節に入る。)
- 670_11【Hyoid bone舌骨 Os hyoideum】 Bone that already begins to ossify before birth.
→(下顎骨と喉頭との間で舌根部にある独立したU字形の小骨である。体、大角、小角を有する。体は舟の形を呈し、膨隆部が前方を、陥凹部が後方を向いている。前面には十字形の隆線があり、これにより4区画に分けられている。上区には外側に舌骨舌筋、内側にオトガイ舌筋がつき、下区には外側に肩甲舌骨筋、内側に胸骨舌骨筋がつく。大角は体の外側端から後上方に延びる骨片で、その先端はは肥厚する。小角は体と大角の結合部から円錐形を呈して後上方に着きだし、その先端は茎突舌骨靱帯によって側頭骨茎状突起と連結する。この靱帯はまれに骨化することがある。舌骨は系統発生的に鰓の骨格の一部に相当するもので、舌骨体の上部、小角、茎突舌骨靱帯および側頭骨茎状突起が第2臓弓軟骨、舌骨体の下部と大角が第3臓弓軟骨に由来する。Hyoideumはギリシャ語のυ(hy)に似た(eidos)という意味の形容詞。なお日本語の「舌骨」はドイツ名Zungenbeinの直訳であるが、この骨は舌の根もと(舌根)に存在して、筋肉を介して舌と密接な関係がある。)
- 670_12【Omohyoid muscle肩甲舌骨筋 Musculus omohyoideus】 o: Superior border of scapula, i: Body of hyoid bone. It is divided into two bellies by an intermediate tendon that passes over the jugular vein. Hence it also tenses the pretracheal layer of the cervical fascia.
→(肩甲舌骨筋は、肩甲骨上縁で肩甲切痕の内側から、そのほか上肩甲横靱帯から起こり舌骨に向かう。中間腱により下および上腹に分けられる。参考:上腹と下腹は別の神経枝を受ける。)
- 670_13【Sternohyoid muscle胸骨舌骨筋 Musculus sternohyoideus】 o: Posterior surface of manubrium of sternum and sternoclavicular joint, i: Body of hyoid bone.
→(胸骨舌骨筋は、前頚部舌骨下筋の1つ胸骨柄の後面と胸鎖関節から起こる。上方に向かって正中線に近づき、舌骨体の上縁に停止する。作用として舌骨を下げる。神経支配:脊髄頚神経ワナを介して上位頚神経参考:上端と正中甲状舌骨靱帯との間に舌骨後包(不対)がある。)
- 670_14【Thyroid cartilage甲状軟骨 Cartilago thyroidea】 Largest laryngeal cartilage partly enclosing the others.
→(甲状軟骨は最大の喉頭軟骨で、喉頭の前壁と側壁の基礎となっている。右板と左板は正中部でほぼ直角に合する。正中部には上・下甲状切痕がみられ、上行上切痕の付近は前方へ突出し後頭隆起をなす。板の後端から上角・下角が伸び、外側面には上・下甲状結節がみられ、両結節間を斜線が走る。上甲状結節の下には、ときに甲状孔がみられ、上甲状腺動静脈の枝が通る。)
- 670_15【Sternocleidomastoid muscle胸鎖乳突筋 Musculus sternocleidomastoideus】 o: Two-headed muscle arising from the sternum and clavicle, i: Mastoid process; superior nuchal line. Rotates the face to the contralateral side and bends the head to the ipsilateral side. Bilateral contraction elevates the face. I: Accessory nerve, cervical plexus (C1-C2).
→(胸鎖乳突筋は側頚部にある強大な斜めに縦走する浅層の筋。胸骨柄前面と鎖骨の胸骨端から2頭をもっておこり、両頭は合して強い筋腹をつくって後上方に走り、乳様突起および後頭骨の上項線につく。作用は複雑で、両側が同時に働くとオトガイを上げて後頭部を片側が働けば頭を対側にまわすが、その浅オトガイが対側に向かって上り、頭は逆に同側に傾く。支配神経は副神経外枝と頚神経叢筋枝(C2, C3)であり、したがって僧帽筋と同系の筋である。また、第6咽頭弓に発生する鰓弓筋で、鎖骨上窩を囲む2頭(胸骨頭と鎖骨頭)をもって始まる。胸骨頭は胸骨柄の上縁から、鎖骨頭は鎖骨の胸骨端から起こる。筋膜は頚筋膜浅葉に鞘状に包まれており、斜め上方に向かって幾分螺旋状に回転しながら頚部外側面を横切り、よく発達した腱となって乳様突起と上項線に停止する。筋の表面は、起始部で腹側に、停止部で外側に向く。参考:副神経外枝の僧帽筋枝は、外枝がこの筋に入る前に分かれることと、筋内で分かれて再び外に現れることがある。胸鎖乳突筋はドイツ語ではKopfnicker(頭をこっくりとうなずかせる筋)と呼ばれるが、これは作用の点からは正しくない。この筋が片側だけ収縮すると、頭はその側へ傾き反対側を振り向いて、あたかも「首をかしげる」状態になる。また両側の物が同時に収縮すると、頭を胴体にめり込ませるように働くのえある。Musculus sternocleidomastoideusというラテン名はあまりにも長たらしいので、米英では多少簡略化してsternomastoid muscleともよぶ。片側の胸鎖乳突筋が先天的に短い場合、または出産時の外傷などによって瘢痕化して短縮すると、この筋の作用を考えればすぐわかるように、頭は病側へ傾くと共に健側にねじれたままの状態になるこれを斜径torticolis, wryneck(性格には筋性斜径)といい、かなり頻度の高いものである。略語(SCM))
- 670_16【Common carotid artery総頚動脈 Arteria carotis communis】 Artery of the neck without any branches. It runs on both sides of the trachea and larynx and passes deep to the sternocleidomastoid. It arises on the right from the brachiocephalic trunk and on the left from the aortic arch.
→(総頚動脈は頭部に血液を送る血管の主幹。右は腕頭動脈の枝、左は大動脈弓の上行部より出る。そのため左総頚動脈は右のものよりも4~5cm長い。総頚動脈は枝を出さず、気管・喉頭の両側を上行し、甲状軟骨上縁の高さで音叉のような形をなし内・外頚動脈に分かれる。分岐部の後側には頚動脈小体が存在する。また分岐部のないし内頚動脈始部の壁はやや薄く膨隆しており(頚動脈洞)、舌咽神経の枝を介し血圧を感受するという。)
- 670_17【Superior thyroid artery上甲状腺動脈 Arteria thyroidea superior】 Usually the first branch of the external carotid artery. It divides into the following seven branches.
→(上甲状腺動脈は外頚動脈より起こり、上咽頭動脈、舌骨下枝、胸鎖乳突筋枝、輪状甲状筋枝と2本の終末枝に分布する。)
- 670_18【Internal jugular vein; Jugular vein内頚静脈 Vena jugularis interna】 Main vein of the neck that extends from the jugular foramer to the venous angle.
→(内頚静脈は脳、顔と頚の浅層からの血液を集める。この大きな静脈は、後頭蓋窩の後静脈孔で、S状静脈洞から直接つながって始まり、内頚動脈についで総頚動脈に沿って下行し、鎖骨下静脈と合して腕頭静脈に終わる。上端と下端では肥大しており、それぞれ頚静脈上球ならびに頚静脈下球とよばれる。内頚静脈に注ぐ根として蝸牛小管静脈、咽頭静脈、舌静脈、上甲状腺静脈、顔面静脈、下顎後静脈がある。内頚静脈と鎖骨下静脈とが合流するところを静脈角angulus venosusといい、左側の静脈角には右胸管が開口し、右側の静脈角の近くには右リンパ幹が注いでいる。)
- 670_19【Facial vein顔面静脈;総顔面静脈;前顔面静脈 Vena facialis; Vena facialis communis; Vena facialis anterior】 Vein beginning at the medial angle of eye that lies behind the facial artery and then beneath the submandibular gland.
→(顔面静脈は顔面動脈の分布域である顔面浅部からの静脈を集める。顔面静脈は内眼角から始まり(眼角静脈)、顔面動脈の後ろに沿って斜めに下方に走り、内・外頚動脈、舌下神経との浅側を後下方に向かい、舌骨の高さで内頚静脈または外頚静脈にそそぐ。顔面静脈は吻合に富み、また顔面の深部の静脈や頭蓋内の静脈(硬膜静脈洞)とも連絡している。たとえば、顔面静脈は内眼角の付近で、眼窩内の上眼静脈の根もと吻合し、さらに頭蓋腔内の顔面静脈洞とも連絡する。また、鼻や上唇の近くでも深部の静脈と連絡する。)