680
- 680_00【Palate口蓋 Palatum】 Partition dividing the oral and nasal cavities.
→(口蓋は固有口腔の天井をなし、また哺乳類やワニでは、鼻腔と口腔を完全に分離する。前方2/3は、上顎骨の口蓋突起と口蓋骨の水平板、およびそれをおおう骨膜、粘膜からなり、硬口蓋とよばれ、後方1/3は内部に骨を含まず、主として筋肉性で軟口蓋とよばれる。軟口蓋正中部は下方へ細長く延びだし、口蓋垂をつくる。口蓋垂はヒトでよく発達する。軟口蓋は可動性で、燕下、発語の際に後方部がとくによく働き、口蓋帆の別名がある。燕下の際、口蓋帆は挙上して、鼻腔と口腔を遮断する。硬口蓋には横走する粘膜のヒダが数条あり、横口蓋ヒダとよばれ、さらに中央を横走する隆線は口蓋縫線とよばれる。口蓋縫線は前方は切歯乳頭におわる。発生上、口蓋縫線は左右の口蓋突起の癒合線、切歯乳頭は一次口蓋の名残とみなされる。口蓋の発生は胎生第5週ごろ、鼻窩をとり囲む内側鼻隆起と外側鼻隆起は口腔上壁のところで上皮性に癒合し上皮壁を形成する。顔面が前後に長くなるのにしたがい、鼻窩も後方へ伸び出して深くなり鼻胞(または鼻嚢)になる。この観に上皮壁は鼻胞の底に位置するが、その前方部分には死亡死が起こり内側および外側鼻隆起の中胚葉の侵入ををうける。内側および外側鼻瘤器の中胚葉が連続するとともに左右の内側鼻隆起は互いに近づき、また前方へ伸び出した上顎突起とも結合する。後方へ伸び出した鼻胞は、口腔上壁とは上皮壁由来の膜・口鼻膜で境されている。口鼻膜が胎生第6週ごろ破れ原始後鼻孔が出現すると、左右の原始後鼻孔より前方に胃位置する内側鼻隆起の部分が上顎の前方部すなわち顎間部となり、口腔上壁の部分は原始鼻腔と原始口腔とを境する一次口蓋または前上顎となる。胎生第7週ごろ、上顎突起の鼻腔側壁が隆起し下の両側を下方へ伸び出す。伸び出した突起が口蓋突起または外側口蓋突起である。第8週ごろ、口蓋突起は前方の方から下の背面へ位置するように水平位となる。水平位となった左右の口蓋突起は互いに接近し、第9週以後前方1/3位のところで左右が癒合する。癒合は前後に拡がり、同時に前頭鼻隆起が後方へ伸び出してできた鼻中隔の下端および一次口蓋の後縁とも癒合する。口蓋突起の癒合により後鼻孔は後方へ開口するようになり、口腔と鼻腔とを分ける二次口蓋が形成される。一次口蓋との間には鼻口蓋管が出現するが生後は切歯管として残っている。上顎骨と口蓋骨からおよび一次口蓋で膜性骨化がおこり硬口蓋が形成される。鼻中隔の後端より後方の二次口蓋には骨形成がなく軟口蓋という。硬口蓋を形成する癒合した口蓋突起の後方で中胚葉が盛り上がることにより左右の口蓋突起の後方は連続して一つになり軟口蓋および口蓋垂が形成される。)
- 680_00a【Pharynx咽頭 Pharynx】 Airway and food passageway; 1416 cm long. It extends from the vault of pharynx to the beginning of the esophagus in front of the sixth cervical vertebra.
→( 咽頭は上端で咽頭円蓋となりその前方で後鼻孔を介して鼻腔に、その直下で口峡を介して口腔につながる。下方は第6~7頚椎、または輪状軟骨下端の高さで食道に移行し、途中、第二頚椎の高さで咽頭前壁に喉頭口が開口する。したがって、咽頭は呼吸器系と消化器系が交叉している。前後にやや扁平な管で、肝の内腔が咽頭腔である。咽頭の後壁は単純であるが、前・側壁は発生時に鰓弓と関連が深く、生体での構造が複雑となる。咽頭を上から下へ、鼻部・後部・後頭部の三つに分ける。鼻部は鼻腔につづき、燕下時に軟口蓋が挙上すると、消化管から遮断される。したがって鼻部は気道に属するとみなされることが多い。後部は口峡を経て口腔につづき、軟口蓋と舌根とが前方上下に位置する。後頭部は前壁に後頭の後壁となる。咽頭の下端は食道に連続する。鼻部には耳管が開き、その開口部を耳管咽頭口という。この周囲では咽頭壁にかなり凹凸がみられる。耳管隆起は耳管軟骨により、挙筋隆起は口蓋帆挙筋により生ずる。耳管咽頭ヒダは耳管咽頭筋の足行き一致する。耳管隆起の後方のくぼみは咽頭陥凹とよばれる。鼻部の天井は頭蓋底直下にあたり、この部分を咽頭円蓋という。喉頭部では、舌根の後下方に喉頭蓋が突き出す後頭口の両側、すなわち後頭の側壁と咽頭の側壁の井田は梨状陥凹とよばれる。ここは燕下時に食物の通路となる。この部に上喉頭神経・動脈による後頭神経ヒダを認める。咽頭壁は、最上部では前方鼻腔へ通じる部分を除き、頭蓋底に付着する。頭蓋底近くでは、咽頭壁は筋層を欠き、結合織性の壁となす。これを咽頭頭底板という。咽頭の粘膜上皮、他では重層扁平上皮である。咽頭線は粘膜全体に分布する。)
- 680_01【Levator veli palatini muscle口蓋帆挙筋 Musculus levator veli palatini】 o: Petrous part of temporal bone in front of the inferior opening of the carotid canal. Inferior border of the cartilaginous auditory tube, i: Palatine aponeurosis. It draws the soft palate backward and upward, also moving the dorsomedial cartilaginous part of auditory tube when the pharyngeal opening of auditory tube is opened. I: Vagus nerve.
→(口蓋帆挙筋は、口蓋帆張筋の後に位置し、側頭骨錐体部下面で頚動脈管の前部および耳管軟骨から起始する。口蓋帆挙筋は耳管に沿って斜め前・下方へ走り、軟口蓋にはいる。両側の口蓋帆挙筋の腱線維はからみ合って、高さが調節できる筋性ワナを形成する。)
- 680_02【Cartilage of tube; Cartilage of pharyngotympanic tube耳管軟骨 Cartilago tubae auditivae; Cartilago tbae auditoriae】 Auditory tube cartilage that appears hook-shaped in cross-section. It decreases in height posterolaterally and is composed of elastic cartilage only in the angle between its two laminae.
→(横断面では鈎状の軟骨。外側後方へ低くなり、両軟骨板のなす角の部分のみ弾性軟骨でできている。 (Feneis))
- 680_03【Medial lamina of cartilage of pharyngotymanic tube内側板(耳管軟骨の) Lamina medialis cartilagis tubae auditivae】 Wider, medial sheet of cartilage.
→(幅の広い内側に面する板。 (Feneis))
- 680_04【Superior constrictor muscle; Superior pharyngeal constrictor muscle上咽頭収縮筋;頭咽頭筋 Musculus constrictor pharyngis superior; Musculus cephalopharyngicus】 Superior constrictor muscle that consists of the following four parts, which insert on the pharyngeal raphe. I: Pharyngeal plexus.
→(上咽頭収縮筋には正中の方へわずかに上行する線維束があり、その起始する部位によってさらに細かく区分される(翼突咽頭部、頬咽頭部、顎咽頭部、舌咽頭部)。)
- 680_05【Salpingopharyngeus muscle耳管咽頭筋;咽頭耳管筋 Musculus salpingopharyngeus; Musculus pharyngotubalis】 o: Dorsomedial lip of cartilaginous part of auditory tube, part of the longitudinal muscles of pharynx, i: Lateral wall of pharynx. Prevents the levatorveli palatini from sliding posteriorly. I: Pharyngeal plexus.
→(耳管咽頭筋は耳管自由縁から弱い筋束として起こり、耳管咽頭ヒダを通って咽頭の外側壁へ行く。)
- 680_06【Uvulae muscle; Uvular muscle口蓋垂筋 Musculus uvulae】 o:Palatine aponeurosis. i: Connective tissue of the uvula. I: Vagus nerve.
→(口蓋垂筋は有対性に軟口蓋の腱膜から起こる。ときには口蓋骨水平板の後縁、鼻棘の両側からも起始する。有対の起始は単一の筋性円錐を形成し、収縮すると口蓋垂が短縮する。)
- 680_07【Palatine tonsil口蓋扁桃 Tonsilla palatina】 Tonsil located between the palatoglossal and palatopharyngeal arches.
→(口蓋扁桃は舌口蓋弓と咽頭口蓋弓の間にある。扁桃中もっとも大きく、よく発達した扁桃である。肉眼解剖学的には、アーモンドの種の形に似ていて、組織学的には重層扁平上皮がおおっているが、この上皮が深く落ち込んでいて、十数個の陰窩cryptsを形成している。これらの陰窩に沿って、上皮の下層の固有層にリンパ小節が並んでいる。扁桃窩は発生上は第2鰓嚢のなごりとみなされる。扁桃窩の前方部には、三角ヒダが口蓋舌弓から張り出し、上方では口蓋舌弓と口蓋咽頭弓を半月ヒダが結ぶ。扁桃窩の上部に残された口蓋扁桃に占有されない扁桃窩の部分を扁桃上窩という。口蓋扁桃の表面に認められる小小陥凹が扁桃小窩で、これは扁桃の上皮が陥入してつくる扁桃陰窩の上皮表面への開口部を示す。 )
- 680_08【Palatopharyngeus muscle; Palatopharyngeal muscle口蓋咽頭筋 Musculus palatopharyngeus; Musculus pharyngopalatinus】
→(口蓋咽頭筋はもっとも強力な咽頭の挙筋である。口蓋腱膜と翼状突起から放射状に始まり、大部分は口蓋咽頭弓の中を通って咽頭収縮筋の内面を下っていく。線維の一部は甲状軟骨の後縁に停止するが、一部は咽頭縫線を越えて咽頭の下部で対側の筋と吊り紐を形成する。吊り紐が短縮すると咽頭の背側壁は袋状に持ち上げられる。上咽頭収縮筋の内腔面を走る口蓋咽頭筋の付加的な筋束がほぼ円弧状に咽頭の後壁に達する。)
- 680_09【Pharyngoepiglottic fold咽頭喉頭蓋ヒダ Plica pharyngoepiglottica】
→(喉頭口の上方で各側に喉頭蓋の側縁に向かってのびる咽頭喉頭蓋ヒダがあり,これは茎突咽頭筋の一部がその内部にあってこのひだを生ずる基をなしている.)
- 680_10【Laryngeal inlet喉頭口 Aditus laryngis】 Entrance to the larynx between the epiglottis, ary-epiglottic folds, and interarytenoid notch.
→(喉頭蓋と披裂喉頭蓋ヒダで囲まれた喉頭の入口。 (Feneis))
- 680_11【Superior laryngeal nerve上喉頭神経 Nervus laryngeus superior】 Nerve arising form the inferior ganglion and descending medial to the internal carotid artery to supply the larynx.
→(下神経節から起こり甲状舌骨膜へ向かって下行する。そして数本の小枝からなる運動性の外枝と、知覚性の内枝に分かれる。外枝は、甲状軟骨の外側を上まで被う下咽頭収縮筋と輪状甲状筋を支配する。また内枝は、甲状舌骨膜を貫いて喉頭上半分の粘膜に分布する。さらに交通枝によって下喉頭神経と交通する。)
- 680_12【Tensor veli palatini muscle口蓋帆張筋 Musculus tensor veli palatini】 o: Spine of sphenoid bone, scaphoid fossa, and anterior (lateral) lip of cartilaginous part of auditory tube, i: After changing direction at the pterygoid hamulus, its fibers merge with the palatine aponeurosis, stiffening the anterior (lateral) wall of the membranous lamina of auditory tube and tensing the soft palate. I: Mandibular nerve.
→(口蓋帆張筋は舟状窩、蝶形骨大翼下面の細い帯および耳管の膜性外壁から起始する。翼突窩のレベルで口蓋帆張筋はすでに腱に移行し、腱は翼突鈎をめぐって方向を転じて、水平に口蓋腱膜へ放射する。口蓋帆張筋は燕下swallowing or deglutionの時に耳管を開く作用がある。)
- 680_13【Digastricus muscle; *Digastric muscle顎二腹筋 Musculus digastricus; Musculus biventer mandibulae】 o:Mastoid notch, i: Digastric fossa. It has an intermediate tendon that acts on the lesser horn of the hyoid bone by means of a connective tissue sling. Raises the hyoid bone and opens the mouth.
→(顎二腹筋は舌骨の上方にある細長い筋で中間腱で前腹と後腹との2腹に分かれる。その後腹をもって側頭骨乳突切痕で起始し、斜め前・下方へ走る。舌骨付近で後腹は中間腱に移行し、この腱は二分した茎突舌骨筋によって挟まれ、かつ線維性滑車によって舌骨に固定される。前腹(顎舌骨筋からは皮膚側へ位置しているが)は中間腱から起始し、下顎骨内面で下顎下縁近くの二腹筋窩に停止する。顎二腹筋の前腹(下顎神経の枝である顎舌骨筋神経の支配)と後腹(顔面神経の支配)とは神経支配が異なることは注意を要する。下顎が固定されているときには、舌骨を引き上げる。舌骨が固定されているときは下顎骨を後下方に引く。両者は発生学的にも由来を異にし、前腹は顎舌骨筋・口蓋帆長筋などとともに咀嚼筋と同類(鰓弓のうち顎骨弓mandibular archに属する筋)であり、後腹は茎突舌骨筋・アブミ骨筋などとともに顔面表情筋と同類(鰓弓のうち舌骨弓hyoid archに属する筋)である。ちなみに、咀嚼筋は下顎神経で支配され、顔面表情筋は顔面神経支配である。このように発生学的な由来を知れば、色々な筋の支配を整然と整理することができる。)
- 680_14【Posterior belly of digastric muscle後腹(顎二腹筋の) Venter posterior; Venter mastoideus (Musculus digastricus)】 Portion of the digastric muscle that passes from the mastoid notch to the intermediate tendon. I: Nerve to mylohyoid.
→(顎二腹筋の後腹は乳様突起から中間腱までの部分)
- 680_15【Stylohyoid muscle茎突舌骨筋 Musculus stylohyoideus】 o: Styloid process, i: Body of hyoid bone near lesser horn. It accompanies the posterior belly of the digastric muscle and gives it passage through a perforation. It acts to draw the hyoid bone upward and backward during swallowing. I: Facial nerve.
→(茎突舌骨筋は側頭骨の茎状突起の基部後面から起始する。茎突舌骨筋の筋腹は二分して顎二腹筋の中間腱を挟みつける。茎突舌骨筋は舌骨体および大角に停止する。作用として舌骨を挙上する。顔面神経から支配を受ける。)
- 680_16【Stylopharyngeus muscle茎突咽頭筋 Musculus stylopharyngeus】 o: Styioid process, i: It extends medially between the superior and middle constrictor muscles and reaches the wall of the pharynx, thyroid cartilage, and epiglottis. I: Glossopharyngeal nerve.
→(茎突咽頭筋は茎状突起の頭蓋底近くから起こり、上および中咽頭収縮筋の間を通って筋の内面に至り、口蓋咽頭筋の線維束とともに甲状軟骨に停止する。一部は咽頭蓋の粘膜下に終わる。)
- 680_17【Root of tongue舌根 Radix linguae】 Area of attachment of the tongue to the mandible and hyoid bone. It can also be described as the posterior, vertical portion of the tongue.
→(喉頭蓋軟骨の前にある舌基部。(Feneis))
- 680_18【Medial pterygoid muscle内側翼突筋 Musculus pterygoideus medialis; Musculus pterygoideus internus】 o: Pterygoid fossa and the maxillary tuberosity. i: Pterygoid tuberosity on inner side of the angle of the mandible, passing obliquely downward and backward. Synergist of the temporal and masseter muscles. I: Mandibular nerve.
→(内側翼突筋は蝶形骨の翼突窩で起始して、下顎角内面に停止する。したがって、この筋は、下顎骨の外面側を走る咬筋浅部と同様な走行方向で下顎骨の内側面を走る。両筋は作用方向は同一であり、したがって協力筋である。)
- 680_19【Greater horn of hyoid bone大角(舌骨の) Cornu majus (Ossis hyoidei)】 Larger horn on the hyoid bone.
→(大角は舌骨体の外側端から後上方に延びて細くなるが、その尖端はやや肥厚する(その基部には茎突舌骨靱帯がつく)。)
- 680_20【Right/left lamina of thyroid cartilage; Lamina of thyroid cartilage; Thyroid cartilage lamina右板・左板(甲状軟骨の);甲状軟骨板 Lamina cartilaginis thyroideae dextra/sinistra; Lamina dextra/sinistra cartilaginis thyroideae】 Lateral plates of the thyroid cartilage that meet in the midline like the prow of a ship.
→(船首様に正中線で接合されている甲状軟骨の各側板。 (Feneis))
- 680_21【Palatopharyngeus muscle; Palatopharyngeal muscle口蓋咽頭筋;咽頭口蓋筋 Musculus palatopharyngeus; Musculus pharyngopalatinus】 o: Arises from the palatine aponeurosis in two portions, between which the levator veli palatini inserts, and from the pterygoid hamulus. I: Glossopharyngeal nerve.
→(口蓋咽頭筋はもっとも強力な咽頭の挙筋である。口蓋腱膜と翼状突起から放射状に始まり、大部分は口蓋咽頭弓の中を通って咽頭収縮筋の内面を下っていく。線維の一部は甲状軟骨の後縁に停止するが、一部は咽頭縫線を越えて咽頭の下部で対側の筋と吊り紐を形成する。吊り紐が短縮すると咽頭の背側壁は袋状に持ち上げられる。上咽頭収縮筋の内腔面を走る口蓋咽頭筋の付加的な筋束がほぼ円弧状に咽頭の後壁に達する。)
- 680_22【Posterior crico-arytenoid muscle後輪状披裂筋 Musculus cricoaryteoideus posterior】 o: Posterior surface of cricoid cartilage, i: Muscular process of arytenoid cartilage. The only muscle that acts to open the rima glottis, doing so by superolateral rotation of the vocal process. I: Recurrent laryngeal nerve.
→(後輪状披裂筋は輪状軟骨板の後面から披裂軟骨筋突起へ上外側方向に走って披裂軟骨の筋突起に付く。臨床的に後筋といわれる。輪状軟骨板の後面から披裂軟骨筋突起へ上外側方向に走る。神経支配は反回神経。作用は披裂軟骨の筋突起を後方にひき、軟骨を外方に外転する。この回転によって、声帯突起は外方に回転し、左右の声帯靱帯は離れて声門裂は開く。すなわち声門開大筋である。)
- 680_23【Oesophageal mucosa; Esophageal Mucous membrane of oesophagus; Mucous membrane of esophagus粘膜(食道の);食道粘膜 Tunica mucosa oesophageae】 It consists of nonkeratinized, stratified squamous epithelium, lamina propria, and muscularis mucosae.
→(粘膜
食道粘膜は重層扁平上皮、疎性結合組織からなる粘膜固有層、および縦走する平滑筋からなる粘膜筋板で構成されている。
食道の粘膜は、上皮、粘膜固有層、および粘膜固有層からなる(図17-2)。食道の内腔は普段は圧平されていて狭いが、食道の嚥下時には内腔がひろがる。食道の内壁は厚さ約0.5mmの非角化重層扁平上皮で被われている。この上皮にはランゲルハンス細胞と呼ばれる抗原提示細胞が散在している。この細胞は抗原を貪食し、エポトープという小さなポリペプチドに分解する。また、主要組織適合性抗原(MHC)Ⅱ型分子を産生してエピトープを結合させ、このMHCⅡ-エピト-プ複合体を細胞膜の外表面に出す。その後、ランゲルハンス細胞はリンパ節まで遊走して、そこでリンパ球にMHCⅡ-エピト-プ複合体を提示する。(最新カラー組織学))