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- 804_00【Muscles of urogenital triangle尿生殖部の筋;尿生殖三角筋 Musculi regionis urogenitalis】 These can be divided into muscles of the superficial perineal space and the deep perineal space.
→(尿生殖三角の筋は左右の坐骨恥骨枝と左右の坐骨結節を結ぶ線より前方の三角部位にある筋の総称で、球海綿体筋、坐骨海綿体筋、会陰横筋、外尿道括約筋などがある。)
- 804_00a【Urogenital triangle; Urogenital region尿生殖部;尿生殖三角;尿生殖器部 Regio urogenitalis; Trigonum urogenitale】 Region around the perineum that is located anterior to an imaginary line connecting the two ischial tuberosities.
→(尿生殖三角は左右の坐骨結節をむすぶ線の前方部で泌尿器官を囲む周辺部部域。この領域の浅筋膜のうち脂肪層(キャンパー筋膜)は坐骨直腸窩内の脂肪層に接続するものであり、同時に大腿皮下の浅筋膜にも移行する。陰嚢では脂肪層が平滑筋層(肉様膜)で置き換えられている。肉様膜は寒冷刺激に応じて収縮し、陰嚢皮膚の表面積を減少させる。尿生殖三角線筋膜のうち線維層(コールス筋膜)は後方では尿生殖隔膜後縁に付着し、外側方では恥骨弓の辺縁に付着するほか、前方では前腹壁浅筋膜の線維層(スキャルパ筋膜)へと移行する。このような尿生殖三角浅筋膜の線維層は陰茎あるいは陰核の部位では管状の鞘構造をとり、また陰嚢あるいは大陰唇の部位では著明な1層をなす。浅会陰隙とは、下方を会陰線筋膜の線維層で境され、上方を尿生殖隔膜で境されるような隙間のことである。この隙間は後方では隙間の上壁と下壁がたがいに癒着する形で閉じられ、外側方でも隙間の上壁と下壁が恥骨弓辺縁部に付着する形で閉じられている。しかし浅会陰隙はその前方部で前腹壁浅筋膜と前腹壁筋の間の隙間と自由に交通する。)
- 804_01【Pubic symphysis; Pubis symphysis; Symphysis pubis恥骨結合 Symphysis pubica; Symphysis ossium pubis】 Cartilaginous joint between the rami of the pubis.
→(恥骨結合は骨盤前面で左右の恥骨が正中線上で向かい合ってできる連結。両側の恥骨結合面がうすい硝子軟骨に被われ、その間に線維軟骨でできる恥骨間円板が連結する。その構造は椎間円板の線維輪に似る。女性では妊娠時にこの結合は弱められ、またこのことは分娩時における新生児の頭の産道通過を助ける。モルモットなどでは、女性ホルモンの投与によって、実験的にこの結合を弱めることができる。付属する靱帯に次のものがある。(1)上恥骨靱帯:恥骨結合の上縁で左右の恥骨を結ぶ。(2)恥骨弓靱帯:恥骨結合の下縁で、左右の恥骨下枝を結び、恥骨弓をつくる。下面で尿生殖膜との間隙を陰茎静脈が通る。 Symphysisははsyn(一緒に)physis(生える)、すなわち「自然に癒合したもの」という意味である。解剖学用語としてのsymphysisは線維軟骨結合という一般名詞であるが、慣用的にはpubicaという形容詞なしでも恥骨結合を指すことが多い。正しい読み方はスィンフィスィスである。)
- 804_02【Inferior pubic ramus; Ramus of pubis恥骨下枝;結合部(恥骨枝の) Ramus inferior ossis pubis; Pars symphysica ramus ossis pubis】 The part of the pubis that is anteroinferior to the obturator foramen, between the pubic symphysis and the suture line with the ischium.
→(恥骨下枝は閉鎖溝の下縁の前半をつくる。内外から圧平された骨板で、とくに閉鎖孔に向く上縁は薄く鋭い。下縁はやや肥厚する。下縁の後方部の前面付近は粗に隆起してCrista phalica[INA](陰茎稜)をつくる。)
- 804_03【Transverse pelvic ligament骨盤横靱帯 Ligamentum transversum pelvis】
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- 804_04【Ramus of ischium坐骨枝;坐骨下枝 Ramus; Ramus inferior (Os ischii)】 The part of the ischium below the obturator foramen. Its anterior end articulates with the inferior pubic ramus.
→(坐骨結節のところから前方に伸びて恥骨下枝に合する部で、閉鎖孔の下縁の後半をつくる。坐骨結節につづく下縁がやや厚く、閉鎖孔に向かう上縁が鋭い三角柱状をなす。)
- 804_05【Arcuate pubic ligament恥骨弓靱帯 Ligamentum arcuatum pubis】
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- 804_06【Deep dorsal vein of penis; Dorsal vein of penis♂深陰茎背静脈;陰茎背静脈;筋膜下陰茎背静脈(♂) Vena dorsalis profunda penis; Vena dorsalis penis♂】 Subfascial vein of the dorsum of penis lying below the pubic symphysis between the inferior pubic ligament and transverse perineal ligament that passes to the prostatic venous plexus. It lies between the deep fascia of penis and tunica albuginea and is usually unpaired.
→(深陰茎背静脈は陰茎背面の正中線で左右の陰茎背動脈の間にある無対性の太い静脈。陰茎亀頭および陰茎海綿体より血液を集め、深陰茎筋膜の深層を背側に走り、次いで恥骨結合の下縁に沿って恥骨弓靱帯と尿生殖三角の間から骨盤腔に入り、前立腺静脈叢にそそぐ。一部の静脈は陰茎背動脈に沿って坐骨直腸窩に出て内陰部静脈へそそぐ。)
- 804_07【Prostatic venous plexus♂前立腺静脈叢;陰部静脈叢(♂) Plexus venosus prostaticus; Plexus venosus pudendalis♂】 Venous plexus around the prostate that is connected with the adjacent vesical venous plexus.
→(前立腺静脈叢は恥骨結合の下縁から前立腺の前面、さらにその外側部の結合組織のなかに発達した静脈叢で、これには前方から恥骨結合の下縁を通って深陰茎背静脈が流入するほか、膀胱下面および前立腺の静脈もそそぐ。膀胱静脈叢と連結して内腸骨静脈にそそぐほか、外腸骨静脈とも交通する。)
- 804_08【Dorsal nerve of penis♂陰茎背神経(♂) Nervus dorsalis penis♂】 Paired nerve lying on the dorsum of penis that also sends branches to its inferior aspect.
→(陰茎背神経は深会陰横筋に分枝したあと、これを貫いて陰茎または陰核背面に達し、亀頭、包皮、尿道粘膜などに分布する。)
- 804_09【Urethral sphincter muscle; Sphincter urethrae muscle尿道括約筋;隔膜尿道括約筋;膜様尿道括約筋 Musculus sphincter urethrae; Musculus sphincter urethrae diaphragmaticae; Musculus sphincter urethrae membranaceae】
→(尿道括約筋は深会陰横筋から概念的に区分される尿道膜を環状に取り巻く筋線維束である。尿道の前方で会陰膜からの表層線維束は反対側からの線維と織り合い、尿道の後方で会陰へ放散している。深層線維束は内陰部血管のまわりの結合組織から起こり、尿道の膜性部を取り囲む筋性の輪を形成している。一般の形態的および機能的特徴に基づいて、深会陰横筋と尿道括約筋はともに尿道収縮筋とみなされる。男性では尿道括約筋の骨格筋線維は深会陰横筋の赤筋線維より通常やや明調ではるかに薄いが、前立腺に入り込む。一方、女性では押送する線維は腟により尿道後方でさえぎられており、その壁もまた尿道括約筋から放散する線維、すなわちいわゆる腟括約筋(尿道腟括約筋)を受けている。経産婦では、深会陰横筋の大部分が結合組織線維束によりとって代わる。平滑筋線維束は深会陰横筋と尿道括約筋の両方に埋もれているので、尿道や前立腺や腟などの平滑筋組織と明確に区別できない。深会陰横筋と尿道括約筋は尿道の前面で互いに区別されない。両筋は尿道筋壁から深会陰横筋を被う結合組織へ、女性では外側に、男性では背側に放散する平滑筋束により尿道から隔離されている。)
- 804_10【Male urethra男性尿道 Urethra masculina】
→(男の尿道は長さ約15~20cmである。膀胱頚の内尿道口に始まり、前立腺内を走り、尿道生殖隔膜を貫通し、陰茎の体を通って亀頭の前端で外尿道口に開く。尿道は走行によって、前立腺部・隔膜部・海綿体部の3部に分けられる。まず前立腺を貫通し、これを尿道の前立腺部という。後(背)壁中央には尿道稜があり、膀胱垂の連続する縦の隆起である。尿同僚の中央部は紡錘状にふくらみ、これを精丘という。精丘には前立腺小室が盲嚢として開く。これは胎生期のMueller管の名ごりで、男性子宮または男性腟ともいう。前立腺小室の両側に射精管が開口し、これより先の尿道は尿路と精液の通路を兼ねる。精丘両側のへこみが前立腺洞で、多くの前立腺管が開口する。つづいて尿道は尿生殖隔膜を貫く。これが隔膜部で、約1cm長。さらに外尿道口までが海綿体部で、12~14cm長。亀頭内の部分が膨大し、ここを尿道腺窩という。その後端上壁に舟状窩弁とよばれるヒダがある。海綿体部の粘膜には陥凹が多数みられ、尿道腺(リットレ腺)が開口する。)
- 804_11【Intermediate part of urethra; Membranous urethra; Pars membranacea urethrae; Pars intermedia urethrae隔膜部;中間部(尿道の) Pars intermedia uretrae; Pars membranacea urethrae】 Part between the prostatic and spongy urethrae.
→(尿生殖隔膜内にある男の尿道の部分。男性の尿道の内で前立腺直下から尿道球直下で尿道海綿体中の尿道にはいるところまでの1cmほどの短く狭い部分。)
- 804_12【Internal pudendal vein内陰部静脈 Vena pudenda interna】 Vein running within the lateral wall of the ischiorectal fossa and passing through the lower portion of the greater sciatic foramen into the pelvis.
→(内陰部静脈は内陰部動脈に伴行するが、主として陰茎(核)深静脈のつづきとしてはじまり、坐骨直腸窩の外側壁に沿って背側へ走り、仙結節靱帯と仙棘靱帯の間を経て、梨状筋下孔から骨盤腔に入り、内腸骨静脈へそそぐ。この間、外陰部、肛門よりの静脈を入れる。)
- 804_13【Artery of penis陰茎動脈 Arteria penis】
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Guthrie's muscle
- 804_14Guthrie's muscle【Deep transverse perineal muscle♂深会陰横筋 Musculus transversus perinei profundus♂】 Trapezoidal sheet of muscle spread out in the pubic arch. I: Pudendal nerve.
→(深会陰横筋は男では尿道球の上に接し、坐骨枝と恥骨の下枝との合する所から起こって横走し、正中線で両側のものがたがいに結合する。起始は坐骨枝で停止は会陰部で対向する反対側の坐骨枝。作用として浅会陰横筋とともに会陰の横走筋を形成しており(縦走筋は球海綿体筋と外肛門括約筋)、会陰ならびに骨盤筋膜を支持して腹圧に対向する。男性では尿道球をも支持する。陰部神経(陰茎背神経、陰核背神経)から支配される。この筋は臨床上重要である。)
Cowper's glands
- 804_15Cowper's glands【Bulbourethral gland尿道球腺;カウパー腺 Glandula bulbourethralis】 Pea-sized mucous gland on the posterior end of the bulb of penis at the level of the deep transverse perineal muscle.
→(尿道球腺はカウパー腺ともよばれる。尿道海綿体球部の後上方、尿生殖隔膜内に位置する。女性の大前庭腺(バルトリン腺Bartholin's gland)に相当する。尿道球の後端両側に位置する径1cmほどのえんどう豆大の粘液腺で、導管は長く、3~4cm、尿道球腺管といい、前方へ走って尿道海綿体部のはじまりの部分で下面に開く。弾性の性的興奮時には、この線の分泌物部が尿道を潤す。1702年にイギリスの外科医・解剖学者William Cowper (1666-1709)が記載したことによるが、これに先だつ1684年にJ. Meryが報告している。)