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- 814_00【Spinal cord脊髄 Medulla spinalis】 It extends from the end of the medulla oblongata near the exit of the first spinal nerve to the beginning of the terminal filum at L1 or L2.
→(脊髄は頚部(頚髄)、胸部(胸髄)、腰部(腰髄)、仙骨部または脊髄円錐(仙髄と尾髄)とからなり、それぞれ髄節に分かれ、それに対応して31対の脊髄神経が出る。頚髄では8対の頚神経、胸髄では12対の胸神経、腰仙髄では各々5対の腰神経と仙骨神経とが出る。尾髄からは通常1対の尾骨神経が出る。上肢および下肢支配の神経の出る頚髄下部と腰髄下部は発達が著しく、太くなっており、それぞれ頸膨大、腰部大とよばれる。脊髄下端は細くなり脊髄円錐となっておわる。その高さは成人では第1ないし第2腰椎の高さに相当する。新生児、幼児では低く第3腰椎の高さでおわっている。脊髄円錐の先はさらに細く糸状の終糸となって尾骨の背面に付着している。終糸に沿って走る脊髄神経の束はその形状から馬尾とよばれている。脊髄外側面でその腹側と背側の正中には(前)正中裂および(後)正中溝とよばれる溝があり、脊髄を左右の半分に分けている。前者は後者より深く、そこには前脊髄動脈が走っている。左右の脊髄半の外側面には腹側の前外側溝と背側の後外側溝の二つの溝がある。頚髄の高さの背側面は中心部の灰白質とその周辺の白質から成る。灰白質はそれぞれ前角(柱)、中間質(帯)、後角(柱)がある。灰白質の中央を貫いて中心管が通る。上方は第四脳室に開き、下方は脊髄炎水の所では拡大して終室となる。白質は前外側溝と後外側行と②より腹側の前索と外側の側索および背側の後索の3部分に分けられる。頚髄の高さで後索は後中間溝により内・外の薄束と楔状束とに分けられる。)
- 814_01【Rhomboid fossa; Floor of fourth ventricle菱形窩;第四脳室底 Fossa rhomboidea】
→(菱形窩は菱形をなし、正中溝により左右に分けられ、さらにその外側の境界溝により内外の領域に分けられる。正中口からは外側に向かって第四脳室髄条が走り、これによって菱形窩はさらに上下2部に分けられる。上部では境界溝の内外に、内側隆起と前庭神経野がある。前者の中央には顔面神経丘とよぶ隆まりがあり、そこには顔面神経膝とその腹側にある外転神経核とが存在する。後者は前庭神経核の場所に相当する。前庭神経野の外側にある凹みが上窩で、これより吻側に青斑が帯状をなして伸びている。その内部に青斑核がある。菱形窩の下部の内側は舌下神経核がある。その外側には迷走神経背側核のある迷走神経三角(灰白翼)がある。その吻側端野窩みは下窩とよばれる。)
- 814_02【Pyramid of medulla延髄錐体;錐体(延髄の) Pyramis medullae oblongatae; Pyramis bulbi】 Longitudinal prominence consisting of fibers from the pyramidal tract on both sides of the anterior median fissure. It ends at the decussation of pyramids.
→(延髄錐体は前正中裂両側にある隆起。第一脊髄神経根を越え、錐体交叉で終わる。皮質脊髄路が通る。皮質脊髄路は延髄下端で、外側皮質脊髄路と前皮質脊髄路に分かれる。錐体路の線維の85%以上は錐体交叉により外側皮質脊髄路に入る。)
- 814_03【First cervical nerves; C1 spinal nerve; [C1]第1頚神経 Nervus cervicalis I; [C1]】
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- 814_03a【Cervical nerves [C1-C8]頚神経[C1-C8] Nervi cervicales [C1-C8]】 The eight spinal nerves of the cervical vertebral column.
→(頚神経は第1~8頚神経の総称である。各々の頚神経は前枝と後枝に分かれれる。第一頚神経の後枝は深項部の筋の上部を支配する純粋の筋枝であって、後頭下神経という。また第2頚神経の後枝はとくに強大であって、大後頭神経と名づけられ、深項部の筋に筋枝を与えたのち後頭部の皮膚に分布する。第3頚神経の後枝も比較的よく発達し、第3後頭神経と呼ばれる。第1~4頚神経の前枝は互いにワナをもって連絡して頚神経叢をつくり、第5~8頚神経の前枝も同様にして腕神経叢の主体となる。)
Goll's tract
- 814_04Goll's tract【Gracile fasciculus薄束;ゴル索;内側部(後索の) Fasciculus gracilis; Pars medialis funiculus posterior】 Medial portion of the posterior funiculus. It lies medial to the posterior intermediate sulcus and contains fibers of tactile sensation and deep sensibility from the lower half of the body (coccygeal vertebrae to T5).
→(薄束はゴル束ともよばれる。楔状束(ブルダッハ束)とともに脊髄後索をなす。両側の後索は胸髄上部と頚髄において後中間中隔によって2分される。この中隔はおよそ第六胸髄の高さで認められ、薄束(内側)と楔状束(外側)を分ける。薄束は脊髄全長にわたって存在し、仙髄部、腰髄部、下位6胸髄部の後根由来の長い上行枝を含む。薄束は後索の内側部にある。体の下半分から線維を含む。触覚と深部知覚を伝える。Goll, Frindrich (1829-1903)スイスの解剖学者、チューリヒ大学の教授。脊髄後索の内側部(薄束)について1860年に記述(「Beitrage zur feineren Anatomie・・・」;, Denk. Medchir. Ges. Kanton Zurich, 1860, 130-171).)
Burdach's tract
- 814_05Burdach's tract【Cuneate fasciculus楔状束;外側部;ブルダッハ索(後索の) Fasciculus cuneatus; Pars lateralis funiculus posterior】 Lateral portion of the posterior funiculus. It lies lateral to the posterior intermediate sulcus and contains fibers of tactile sensation and deep sensibility. It begins at the upper half of the body (T4-C1).
→(楔状束はブルダッハ束ともよばれる。楔状束は最初、およそ第六胸髄の高さで出現し、上位の6胸神経と前頚神経の後根の長い上行枝を含む。薄束と楔状束の神経線維は同側を上行し、後索の延髄中継核、すなわち薄束核と楔状束核に終わる。後索系には2部があり、薄束(Goll束)および楔状束(Burdach束)として脊髄の後索を上行する。これらの線維束は太い後根線維の直接の続きであって、延髄の後索核にまで達してシナプス結合する。後索系は主として四肢から起こる線維からなり、系統発生的に新しくて、ヒトでもっとも発達している。ヒトではこの線維の長さは長いもので約150cmである。楔状束は後索の外側部。身体の上半分から起こる線維を含む。ドイツの解剖・生理学者Karl Friedrich Burdach (1776-1847)の名を冠する。以前に同部についての報告はあったが、ブルダッハの正確な報告で知られるようになった。)
- 814_06【Cervical enlargement頚膨大 Intumescentia cervicalis】 Thickened portion of the spinal cord from C3 to T2 due to greater supply needed for innervation of the upper limb.
→(頚膨大は第4頚髄と第一胸髄からできていて、腕神経叢を形成する神経根がおこる。)
- 814_07【Eighth cervical nerves; C8 spinal nerve; [C8]第8頚神経 Nervus cervicalis VIII; [C8]】
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- 814_08【Second thoracic nerve; T2 spinal nerve; [T2]第2胸神経 Nervus thoracic II; [T2]】
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- 814_08a【Thoracic nerves [T1-T12]胸神経[T1-T12] Nervi thoracici [T1-T12]】 The twelve thoracic spinal nerves that emerge below T1-T12, respectively.
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- 814_09【Posterior median sulcus of spinal cord; Dorsal median sulcus of spinal cord後正中溝;背側正中溝(脊髄の) Sulcus medianus posterior medullae spinalis】 Midline groove between the right and left posterior funiculi.
→(左右の後索の間にある浅い縦溝。(Feneis))
- 814_10【Posterior funiculus of spinal cord; Dorsal funiculus of spinal cord; Dorsal column of spinal cord; Dorsal white column; Posterior white column of spinal cord;; Posterior column of spinal cord white後索;背側索(脊髄の) Funiculus posterior (Medullae spinalis)】 White substance between the posterior horns including the posterolateral tract (Lissauer's tract).
→(脊髄の後正中溝と後角との間にある白質をいう。後索はさらに内側部の薄束と外側部の楔状束とに分けられる。いずれもその主体をなすのは後根神経節細胞の上行性軸索で薄束は下半身(T6以下)に由来し、楔状束は上半身(T5以上)に由来する。すなわち楔状束は胸髄上部より吻側に、胸髄下部以下では薄束のみが存在する。後索の線維の配列には身体部位局在があり、下位からのものは内側に、上位からのものは外側を上行する。これらの線維は内層毛帯を出す延髄の後索核におわる。T5以上では外楔状束核におわる線維が走る。その他、後索核に投射する脊髄後角の細胞の軸索も上行する。後索の線維は皮膚、関節、筋に由来し、識別性のある触覚覚、運動覚、振動覚、2点弁別を伝える。後索における後根線維の下行枝はいろいろの離れた所へ投射する。この線維は胸髄核の一部やⅥ層の内側に細胞に終わる。頚髄および上部胸髄で下行する線維束は束間束を作り、腰髄では中隔縁束を作る。後索核の細胞もまた同側の後索に下行性線維を送る。これらは第Ⅳ、Ⅴ層と多分第1層にも終止し、感覚性情報の上への伝達を調節していると思われる。)
- 814_11【Lateral funiculus of spinal cord側索(脊髄の) Funiculus lateralis (Medullae spinalis)】 White substance between the anterior and posterior horn, including their root fibers.
→(脊髄の側索は脊髄白質で前外側溝と後外側溝にはさまれた部分をいう。おおよそ歯状靱帯付着部と後根侵入部との間の部分に相当する。側索と前索の移行部は前側索と称される。側索には脊髄下行路(錐体側索路、赤核脊髄路、網様体脊髄路)、脊髄上行路(脊髄小脳路、脊髄視蓋路、脊髄視床路)および固有束が通る。下行路は灰白質近くの内側部を、上行路は外側表層近くを通る傾向にある。下行路のうち錐体側索路(外側皮質脊髄路)がもっとも背側を通り、その腹側を赤核脊髄路が下行する。さらに腹側でⅨ層の背外側近くを延髄網様体脊髄路が下行する。上行路では後脊髄小脳路が最も背外側の部分を通り、その腹側を前および吻側脊髄小脳路が上行する。脊髄網様体路、脊髄視蓋路を含む外側脊髄視床路は最も腹側の前側索を通る。これら以外に多数の上行性および下行性固有束の線維が混在している。また後角の後外側表層には後外側束がある。)
- 814_12【Spinal dura mater脊髄硬膜 Dura mater spinalis】 Hard membrane forming a protective covering around the spinal cord. It is separated from the wall of the vertebral canal by the epidural space.
→(脊髄硬膜は内外の2枚の膜からなる。外板はやや薄く、脊柱管をおおう骨膜となる。内板は厚く、狭義の脊髄硬膜に相当し、脊髄を包む長い円筒形の嚢を作る。これは上方は大後頭孔縁に付き、下方は脊髄円錐を越えてさらに馬尾を包みつつ下り、第2~3仙椎の高さで急に尖って終わる。なおその続きは終糸の下半分と癒着して細い索となり、尾骨に付く(脊髄硬膜糸)。椎間孔では硬膜は骨と癒着している。内板と外板の間は脂肪に富んだ結合組織、静脈叢などで満たされ、これを硬膜上腔という。内板とクモ膜との間にも内皮細胞で覆われた狭いリンパ腔隙があり、これは硬膜下腔と呼ばれる。)
- 814_13【Lumbosacral enlargement腰仙膨大;腰膨大 Intumescentia lumbosacralis】 Thickened portion of the spinal cord fromT9 (orTIO) to L1 (or L2) due to greater supply needed for innervation of the lower limb.
→(腰膨大からは腰神経叢(第一腰神経から第四腰神経まで)と仙骨神経叢(第四腰神経から第二仙骨神経まで)を形成する線維が起こる。)
- 814_14【Conus medullaris; Medullary cone脊髄円錐 Conus medullaris】 Conical end of the spinal cord that tapers off into the terminal filum at the level of L1 or L2.
→(脊髄円錐は第一または第二腰椎の高さで、先が尖って終わる脊髄の端、終糸へと移行する。)
- 814_15【Twelfth thoracic nerve; T12 spinal nerve; [T12]第12胸神経 Nervus thoracic XII; [T12]】
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- 814_16【First lumbar nerve; L1 spinal nerve; [L1]第1腰神経 Nervus lumbalis I; [L1]】
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- 814_16a【Lumbar nerves [L1-L5]腰神経[L1-L5] Nervi lumbales [L1-L5]】 The five lumbar spinal nerves that emerge below the respective lumbar vertebrae.
→(腰神経は脊髄腰部の両側から対をなして出る5本の神経。)
- 814_17【Cauda equina馬尾 Cauda equina】 Mass of nerves that is formed by all spinal nerve roots from L1 or L2 downward and the terminal filum.
→(caudaは、「尾」を意味するラテン語であり、equinaは、「馬」を意味するラテン語equusの形容詞である。 第一または第二腰椎より下方へ向かう脊髄神経根線維のすべてで、終止の周囲をとりまいている腰仙骨神経根をひとまとめにして馬尾と呼ぶ。)
- 814_18【Fifth lumbar nerve; L5 spinal nerve第5腰神経 Nervus lumbalis V; [L5]】
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- 814_19【First sacral nerve; S1 spinal nerve; [S1]第1仙骨神経 Nervus sacralis I; [S1]】
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- 814_19a【Sacral nerves and coccygeal nerve [S1-S5, Co]仙骨神経・尾骨神経[S1-S5, Co] Nervi sacralese et nervus coccygeus [S1-S5 Co]】 The five sacral spinal nerves and the one coccygeal spinal nerve.
→(仙骨神経は5対あって、それぞれ、前枝と後枝とに分かれる。はじめの3本は仙骨神経叢に、次の2本は尾骨神経叢に入る。)
- 814_20【Fifth sacral nerve; S5 spinal nerve; [S5]第5仙骨神経 Nervus sacralis V; [S5]】
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- 814_21【Coccygeal nervel Coccygeus nerve尾骨神経 Nervus coccygeus】 Last spinal nerve. It emerges between the coccyx and sacrum and communicates with the fourth and fifth sacral spinal nerves.
→(最後の脊髄神経。尾骨と仙骨の間をでて、第四第五仙骨神経と連絡する。 (Feneis))