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- 875_00【Brain stem脳幹 Truncus encephali】 Collective anatomical term for the rhombencephalon and mesencephalon. The clinical definition includes the basal ganglia, diencephalon, and portions of the 【rhinencephalon】.
→(TAで脳幹は髄脳(延髄)、橋、中脳を脳幹と定義している。かつては、脳を運ぶ際に脳幹をもって運んでいた、脳幹は、脳の柄のような部分という意味で付けられた。日本の神経解剖の教科書では間脳を含める場合や間脳と大脳核を含めて脳幹と称している場合が多いので注意をようする。)
- 875_00a【Vestibular tubercle; Acoustic tubercle前庭結節;聴結節 Tuberculum vestibularis; Tuberculum acusticum】 Area overlying the vestibular nuclei lateral to the sulcus limitans at the beginning of the lateral recess.
→(前庭神経野は境界溝の側方、外側陥凹のはじまるところの隆起で前庭神経核と蝸牛神経核の一部を容れる。)
- 875_01【Medial longitudinal fasciculus; MLF内側縦束 Fasciculus longitudinalis medialis】 Bundle of various fiber systems that enter and leave at different levels. Its fibers interconnect the motor nuclei of cranial nerves and also connect the vestibular apparatus with ocular muscles, neck muscles, and the extrapyramidal system. This serves to coordinate muscle groups, e.g., masticatory, tongue, and pharyngeal muscles when swallowing or speaking; or ocular muscles for movements of the globe.
→(前索の後部には脳幹のいろいろなレベルにある種々な神経核からでる複雑な下行線維束がある。この複雑な神経線維束は内側縦束として知られている。この神経束の脊髄部は同じ名称で呼ばれる脳幹にある伝導路の一部にすぎない。内側縦束の上行線維は主として前庭神経内側核および上核から起こり、同側性および対側性に主として外眼筋支配の神経核(外転、滑車、動眼神経核)に投射する。内側核からの上行線維は主に交叉をし、両側の外転神経核と左右の動眼神経核に非対称性に終わるが、滑車神経核へは対側性に投射する。上核の中心部にある大形細胞は非交叉性上行線維を内側縦束に出し、これは滑車神経核および動眼神経核に終わる。同核の周辺部にある周辺部にある小型細胞は交叉性の腹側被蓋束(内側縦束の外側にある)を経て動眼神経核に投射するが、これは主として対側の上直筋を支配する細胞に作用する。生理学的には、前庭神経核から外眼筋支配核から外眼筋支配核への上行性投射のうち、交叉性線維は促進的に働くが、非交叉性線維は抑制的に働く。内側縦束にはこのほかに、左右の外転神経核の間にある神経細胞から起こり、交叉して上行し、動眼神経核の内側直筋支配部に終わる明瞭な線維が含まれる。この経路は一方の外転神経核の活動を対側の動眼神経核内側直筋支配部へ連絡する物で、外側視の場合に、外側直筋が収縮すると同時に対側の内側直筋が共同して収縮するための神経機構を形成している。内側縦束の上行線維の一部は、動眼神経核を回ってCajal間質核に終わる。これは内側縦束内にうまっている小さい神経細胞群である。前庭神経内側核は対側性に間質核へ投射するが、上核は同側性に終わる。前庭神経二次線維は両側性に視床の中継核へ投射し、その数は中等度で、後外側腹側核に終止する。前庭からの入力を受ける視床の細胞は体性感覚情報にも対応するが、これは視床には特定の前庭感覚中継核がないことを示唆している。)
- 875_02【Medial vestibular nucleus in medulla oblongata前庭神経内側核;内側前庭神経核 Nucleus vestibularis medialis in medulla oblongata】 (Schwalbe's nucleus) Terminal nucleus located lateral to the sulcus limitans that receives afferents from the ampullary crests and the maculae of saccule and utricle. Its efferents travel bilaterally in the medial longitudinal fasciculus to nuclei of the extraocular muscles, Cajal's interstitial nucleus, and into the spinal cord.
→(前庭神経内側核は小型および中型細胞からなり、比較的線維が少ない。これは前庭神経核のうちで最も大きく、舌下神経核の吻側端の高さから外転神経核の高さまで伸び、上方は前庭神経上核と融合する。前庭神経内側核から起こり内側前庭神経核脊髄路を下行する神経線維は反対側の中心頚髄核にも終止する。)
- 875_03【Posterior cochlear nucleus; Dorsal cochlear nucleus蝸牛神経後核;蝸牛神経背側核;背側蝸牛神経核 Nucleus cochlearis posterior】 Dorsal cochlear nucleus. Its efferent projections form the posterior acoustic striae, running beneath the floor of the lateral recess of rhomboid fossa to the midline, then diving deeper and continuing into the trapezoid body.
→(蝸牛神経背側核は腹側核よりやや下方の高さで下小脳脚の背外側に接し、菱形窩の聴結節にある。この核は多くの動物では層構造を示すが、ヒトでも多少その傾向が認められる。)
- 875_04【Anterior cochlear nucleus; Ventral cochlear nucleus蝸牛神経前核;蝸牛神経腹側核;腹側蝸牛神経核 Nucleus cochlearis anterior; Nucleus cochlearis ventralis】 Nucleus that can be subdivided into two parts.
→(蝸牛神経腹側核は発育がよく、下小脳脚の腹外側で、蝸牛神経の根の外側にある。蝸牛神経腹側核はその部位と細胞構築によって、前腹側核と後腹側核の2亜核に分けられる。蝸牛神経腹側前核anteroventral cochlear nucleusは吻側で卵円形細胞が密につまっており、また蝸牛神経腹側後核posteroventral cochlear nucleusは蝸牛神経の脳内侵入部近くにあって種々の形の神経細胞よりなるが、そのうちの主な物は多極性である。これらの亜核には音階的配列があり、音階に応じて連続的に対応している。蝸牛神経の線維は脳幹内に入ったのち、規則正しく順番に分岐して蝸牛神経背側核および腹側核の両方に音快的配列をもって終止する。蝸牛神経核内で線維が次々と規則正しく分岐と分布を行うので全ての亜核内で重なりあった周波数配列が認められる。蝸牛神経核では高い周波数に反応する細胞が背側に、低い周波数に反応する細胞が腹側に位置するが、これは蝸牛とは反対の配列である。)
- 875_05【Root of glossopharyngeal nerve舌咽神経根 Radix nervi glossopharyngei】
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- 875_06【Inferior olivary complex下オリーブ核群;下オリーブ複合体;オリーブ核 Complexus olivaris inferior; Nuclei olivares inferiores; Nucleus olivaris】 Nuclear complex of the inferior olive.
→(下オリーブ核は延髄腹側部にあり、①主オリーブ核(主核)、②内側副オリーブ核(内側副核)、③背側副オリーブ核(背側副核)の三つの部分から成る。主オリーブ核は系統発生的に新しく、ヒトおよびサルなどの高等哺乳類では発育がよい。その形はしわのある袋状をなし、その内側に向けられた袋の口はオリーブ核門とよばれる。そこにはオリーブ核の細胞の軸索が集まって出るところである。オリーブ核からの遠心路はオリーブ小脳路となる。主オリーブ核は系統発生的に新しい小脳の半球皮質と結合し、副オリーブ核は虫部および中位核(栓状核、球状核)と結合する。オリーブ核は非常に広汎な領域からの求心線維を受け、その終枝には局在性が認められる。その起源は大脳皮質運動野、赤核、視蓋前域、不確帯、Cajal間質核、後索核、三叉神経脊髄路核、小脳核(歯状核と中位核)および脊髄などである。)
- 875_07【Raphe of medulla oblongata延髄縫線 Raphe medullae oblongatae】 Seamlike median line at the decussation of medial lemniscus.
→(延髄の縫線は毛帯交叉のなかの正中線。間に神経細胞体が分散している線維束の交叉が特徴。)
- 875_08【Descending root of vestibular nerve前庭神経下行根 Radix descendens nervus vestibularis】
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- 875_09【Restiform body索状体;髄小脳脚 Corpus restiforme; Corpus medullocerebellare】 Posterolateral group of afferent fibers passing to the cerebellum.
→(索状体は下小脳脚の大部分を占める外側部の純求心性線維束である。脊髄から小脳への脊髄小脳線維と延髄から小脳への楔状束小脳線維・網様体小脳線維を含む。)
- 875_10【Spinal nucleus of trigeminal nerve三叉神経脊髄路核;三叉神経脊髄核 Nucleus spinalis nervi trigeminalis】 Long column of cells in the cervical spinal cord that is bounded rostrally by the principal sensory nucleus, and extends caudally into laminae I-V of the posterior horn of the spinal cord. It constitutes a termination site for protopathic afferents.
→(三叉神経脊髄路核は三叉神経脊髄路の内側にそってあり、橋の三叉神経根のレベルから第二頚髄まで存在する。三叉神経脊髄路の線維は全域にわたってこの神経核の細胞に終止する。細胞構築上三叉神経脊髄核は①吻側部、②中間部、尾側部に分けられる。)
- 875_11【Spinal tract of trigeminal nerve三叉神経脊髄路 Tractus spinalis nervi trigemini】 Descending fibers from the trigeminal nerve for pain and temperature stimuli.
→(三叉神経脊髄路は延髄から橋の横断面上にコンマ状に明確に認められる線維束。脊髄路核の各部の第Ⅰ層と第Ⅲ層細胞から起こる。これらのうち、下部と中間部からの線維は同側性であるが、上部からのものは両側性に下行し、後柱に入る感覚性情報を調節し、種々の反射に関係し、さらに三叉神経支配の受容器と脊髄の体性および内臓性効果器を連絡している。)
Gower's tract
- 875_12Gower's tract【Anterior spinocerebellar tract; Ventral spinocerebellar tract前脊髄小脳路;腹側脊髄小脳路;ガワース路 Tractus spinocerebellaris anterior】 Some of its fibers cross from the posterior horns to the contralateral side, ascend to the superior border of the pons, and bend around to the superior cerebellar peduncle. It transmits information from afferent nerves in the lower half of the body about muscle tone and limb position for coordination of lower limb movement.
→(ガワーズ路ともよばれる。前脊髄小脳路は発育が悪い。この伝導路は後脊髄小脳路の前方で脊髄の外側辺縁部に沿って上行する。これは最初下部胸髄にあらわれるが、その起始細胞は胸髄核ほどには、はっきりと分離していない。線維は第Ⅴ、Ⅵ、Ⅶ層の一部の細胞から起こる。この伝導路の起始となる細胞は、尾髄と仙髄から上方へ第一腰髄まで広がっている。前脊髄小脳路の線維は後脊髄小脳路より数が少なく、均一に太く、また、結局すべて交叉する。後脊髄小脳路のように、主として下肢からのインパルスの伝達に関与する。前脊髄小脳路を出す細胞はGolgi腱器官由来のⅠb群求心性線維からの単シナプス性興奮を受けるが、そのGolgi腱器官の受容範囲はしばしば下肢の各関節における一つの協力筋群を包含している。小脳へのこの経路は2個のニューロンで構成されている。すなわち①脊髄神経節のニューロンⅠおよび②腰髄、仙髄および尾髄の前角と後角の基部の散在性の細胞群のニューロンⅡである。ニューロンⅡの線維は脊髄内で交叉し外脊髄視床路の線維の辺縁部を上行する。その線維は橋上位の高さで上小脳脚の背側面を通って小脳に入る。この伝導路の大部分の線維はは対側の小脳虫部の前部のⅠからⅣ小葉に終わる。おの伝導路線維は下肢全体の協調運動や姿勢に関係するインパルスを伝達する。臨床的には、他の脊髄伝導路が混在するために、脊髄小脳路の損傷に対する影響を決めることは結局不可能である。小脳へ投射されるインパルスは意識の領野には入らないから、このような損傷によって触覚や運動覚が失われることはない。Gowers, Sir William Richard(1845-1915)イギリスの神経科医、病理学者。ロンドン大学の教授。ヘモグロビン測定器の発明(1878年)、検眼鏡の活用に尽力し、ブライト病での眼底所見を示す(1876年)。脊髄疾患について記し、このときガワーズ路を記述(「The diagnosis of disease of the spinal cord」, 1880)。彼はまた速記術に興味を持ち、医学表音速記者協会を創設した。)
Flechsig's tract
- 875_13Flechsig's tract【Posterior spinocerebellar tract; Dorsal spinocerebellar tract後脊髄小脳路;背側脊髄小脳路;フレヒシッヒ路 Tractus spinocerebellaris posterior】 Uncrossed fibers traveling to the inferior cerebellar peduncle. Its function is similar to that of the anterior spinocerebellar tract.
→(後脊髄小脳路は胸髄核から出て交叉せずにすぐ側索周辺部の背側部を上行し、下小脳脚を通って同側の小脳の前葉、一部は虫部錐体、虫部垂などの皮膚に達する。脊髄の側索後外側辺縁部を上行するこの非交叉性の伝導路は胸髄核の大細胞から起始する。後根の求心性線維は直接に、または後索を上下行した後に胸髄核に終わる。胸髄核の大細胞は太い線維を出し、これは側索の後外側部(すなわち皮質脊髄路の外側)に入り、上行する。延髄にあってはこの伝導路の線維は下小脳脚に組み込まれ、小脳に入って同側性に虫部の吻側と尾側に終わる。虫部全部では線維は第Ⅰ小葉から第Ⅳ小葉に終わり、後部では主として虫部錐体と正中傍小葉に終わる。胸髄核は第三胸髄から尾方には存在しないから、尾方の髄節からの後根線維はまず後索内を上位の胸髄まで伝達され、それから胸髄核の細胞へ伝えられる。後脊髄小脳路を経由して小脳へ中継されるインパルスは伸展受容器である筋紡錘やGolgi腱器官および触圧覚受容器から起こる。胸髄核のニューロンは主としてⅠa群、Ⅰb群およびⅡ群の求心線維を経由する単シナプス性興奮を受ける。Ⅰ群の求心性線維と胸髄核の間のシナプス結合では高頻度のインパルスの伝達が行われる。一部の外受容器由来のインパルスもまた後脊髄小脳路を経由して伝達される。これらは皮膚の触覚と圧覚の受容器およびゆっくり反応する圧受容器に関係する。後脊髄小脳路は脊髄レベルおよび小脳の終始部において体部位局在性に配列されている。伝導路によって伝達されるインパルスは意識のレベルに達することはない。これらの伝導路によって伝達されるインパルスは姿勢とここの四肢筋の運動の細かい協調作用に役立っている。)
- 875_14【Cerebello-olivary fibres小脳オリーブ核線維;小脳核下オリーブ核線維;小脳オリーブ路 Fibrae cerebelloolivares; Tractus cerebelloolivares】 Fibers connecting the dentate nucleus and inferior olive.
→(小脳オリーブ核線維は小脳諸核から起こり上小脳脚を通った後、交叉して対側に移り中心被蓋路に合流して下行する。起始に対応して主・副オリーブ核に終わる。すなわち前部・後部の核からの線維は背側・内側の副オリーブ核に、内側核からは内側副オリーブ核に外側核からは主オリーブ核に終わる。)
- 875_15【Medullary reticular formation延髄網様体 Formatio reticularis; Substantia reticularis】
→(延髄網様体は系統発生的に脳幹の中で最も古い部分で、脳幹の中心の基質を形成している。菱脳蓋中、迷走神経核、前庭神経核および顔面神経核近くに位置する核。鰓弓および身体の筋肉の調節作用をおこなう。網様体は上方および下方につづいている。)
- 875_16【Pyramid of medulla延髄錐体;錐体(延髄の) Pyramis medullae oblongatae; Pyramis bulbi】 Longitudinal prominence consisting of fibers from the pyramidal tract on both sides of the anterior median fissure. It ends at the decussation of pyramids.
→(延髄錐体は前正中裂両側にある隆起。第一脊髄神経根を越え、錐体交叉で終わる。皮質脊髄路が通る。皮質脊髄路は延髄下端で、外側皮質脊髄路と前皮質脊髄路に分かれる。錐体路の線維の85%以上は錐体交叉により外側皮質脊髄路に入る。)
- 875_17【Lemniscal interolivary layer毛帯オリーブ間層;絨帯オリーブ間層 Stratum interolivare lemnisci】
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