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- 931_01【Anterior branch of 4th cervical nerve; Ventral branch of 4th cervical nerve前枝;腹側枝(第4頚神経の) Ramus anterior; Ramus ventralis (Nervus cervicalis IV)】
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- 931_01a【Anterior ramus of spinal nerve; Ventral ramus of spinal nerve前枝;腹側枝(脊髄神経の) Ramus anterior nervus spinalis】 Larger anterior branch of a spinal nerve, which ca. form a plexus with adjacent fibers. In the thoracic region it supplies branches to the intercostal nerves.
→(脊髄神経の太い枝。周囲のものと合し大きい神経叢をつくる。胸郭では肋間神経となる。 (Feneis))
- 931_02【Common carotid artery総頚動脈 Arteria carotis communis】 Artery of the neck without any branches. It runs on both sides of the trachea and larynx and passes deep to the sternocleidomastoid. It arises on the right from the brachiocephalic trunk and on the left from the aortic arch.
→(総頚動脈は頭部に血液を送る血管の主幹。右は腕頭動脈の枝、左は大動脈弓の上行部より出る。そのため左総頚動脈は右のものよりも4~5cm長い。総頚動脈は枝を出さず、気管・喉頭の両側を上行し、甲状軟骨上縁の高さで音叉のような形をなし内・外頚動脈に分かれる。分岐部の後側には頚動脈小体が存在する。また分岐部のないし内頚動脈始部の壁はやや薄く膨隆しており(頚動脈洞)、舌咽神経の枝を介し血圧を感受するという。)
- 931_03【Brachial plexus; Brachial nerve plexus腕神経叢 Plexus brachialis】 Nerve plexus formed by the ventral rami of spinal nerves C5-T1 that supplies the arm and partly also the shoulder girdle. It passes between the anterior and middle scalene muscles to the head of humerus. It can be divided into supraclavicular and infraclavicular parts.
→(腕神経叢は通常第5~8頚神経の全部および第1胸神経の大部分からはじまるが、またしばしば第4頚神経および第2胸神経と細枝で交通する。この神経叢は前斜角筋と中斜角筋との間を通って上内方から下外方に走り、鎖骨の下を通って腋窩に至り、上腕帯および自由上肢部の諸部に枝を与えるもので、脊髄神経叢のなかで最も発育がよい。腕神経叢の出来肩は極めて独特で、まず第5,6頚神経が合して1幹を作り、第7頚神経はそのまま独立に1幹をなし、第8頚神経と第1胸神経と合して1幹を作るが、これをそれぞれ上神経幹、中神経幹および下神経幹という。この3幹はつぎにおのおの前後2枝に分かれるこれらの枝うち、後枝は3本合して1本の後神経束を作り、その延長が橈骨神経となる。前枝は上中2本が合して新たに外側神経束を生じ、下神経幹の前枝はそのまま内側神経束となる。この内外の神経束はおのおの分かれて2枝となり、かくして出来た4枝のなかで中央の2枝が合して正中神経を作り、外側枝は筋皮神経となり、内側枝はさらに分かれて尺骨神経、内側上腕皮神経、内側前腕皮神経の枝となる。腕神経叢をその値する部位により鎖骨上部と鎖骨下部とに分ける。鎖骨上部は鎖骨上窩で胸鎖乳突筋下部の後にあり、鎖骨下部は鎖骨下で大小両胸筋に被われて腋窩に至る。)
- 931_04【Trachea気管 Trachea】 Elastic tube between the larynx and bronchi.
→(喉頭の下に連なる気道の管状部で、第6頚椎の高さにはじまり、気道の前を垂直に下り、第4頚椎の前で左右の気管支に分岐する。この分岐部を気管分岐部という。気管支鏡で分岐部を上から見ると、その正中部に左右の気管支を隔てる高まりがある。この高まりを気管竜骨という。気管壁には、硝子軟骨性の気管軟骨の輪が一定の間隔をおいて重なり、軟骨間は輪状靱帯で結合する。気管軟骨は幅3~4mmで15~20個を数える。気管軟骨は完全な輪ではなく、全周の4/5~2/3を占める馬蹄状を呈する。軟骨性の支柱を欠く部は正中部後壁をなし、膜性壁とよばれる。膜性壁には平滑筋(気管筋)を含む。気管内面は多列絨毛円柱上皮で、絨毛の運動の方向は上向きである。粘膜固有層には弾性線維が多く、粘膜下組織には胞状の混合腺(気管腺)を数多く含む。日本人の気管の長さは10cm前後である。)
- 931_05【Subclavian artery鎖骨下動脈 Arteria subclavia】 Artery that passes with the roots of brachial plexus between the anterior and middle scalene muscles through the scalene space, over the first rib in the groove for the subclavian artery. From the lateral border of the first rib, it continues as the axillary artery.
→(鎖骨下動脈は上肢の主幹動脈の根部をなし、右側は腕頭動脈から、左側は大動脈弓からそれぞれ分かれてはじまり、前斜角筋の後方を通って第1肋骨外側縁で腋窩動脈につづく。胸・頚・上肢移行部の動脈として、多彩な分枝と変異に富むことを特徴とする。分枝はつぎの通りである。椎骨動脈、内胸動脈、甲状頚動脈、肋頚動脈、下行肩甲動脈に分枝し、第一肋骨を越えたところで腋窩動脈となる。)
- 931_06【Right recurrent laryngeal nerve右反回神経 Nervus laryngeus recurrens dexter; Nervus recurrens dexter】
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- 931_06a【Recurrent laryngeal nerve反回神経 Nervus laryngeus recurrens; Nervus recurrens】 Branch of the vagus nerve that extends on the right around the subclavian artery and on the left around the aortic arch. It runs in the groove between the trachea and esophagus to the Larynx. Its terminal portion penetrates the inferior pharyngeal constrictor and supplies the mucosa to about the rima glottis as well as all laryngeal muscles with the exception of the cricothyroid. It communicates with the internal branch of superior laryngeal nerve.
→(右側は鎖骨下動脈をまわり、左側では大動脈弓を回って気管と食道の間の溝にはいる。そして気管に気管枝を、食道に食道枝をそれぞれ送る。さらに終枝として下喉頭神経を、下咽頭収縮筋を貫いて輪状筋以外の喉頭筋と喉頭下半分の粘膜に送る。)
- 931_07【Vagus nerve [X]迷走神経[脳神経X] Nervus vagus [X]】 Nerve arising from the fourth and fifth pharyngeal arches. It emerges from the medulla oblongata together with CN IX in the posterolateral sulcus and passes through the jugular foramen. Its distribution area extends into the thoracic and abdominal cavities.
→(迷走神経は第10脳神経で、上方の舌咽神経、下方の副神経の間で延髄の外側から多数の小根によって起こる混合神経で胸腹部の諸内臓に分布する副交感神経節前神経線維(延髄迷走神経背側核に細胞体をもつニューロンの神経突起)を主成分としている。これらの線維が胸腹部を走行するあいだに、きわめてしばしば自律神経叢を形成してどこに神経の本幹が存在するか不明瞭となるため、迷走神経の名がつけられた。また迷走神経には胸腹部の内臓の知覚を伝える神経線維(その細胞体は迷走神経の下神経節内に存在する)、咽頭下部および後頭の筋への運動線維(延髄疑核に発し、咽頭に分布するものは舌咽神経からの枝とともに咽頭壁において咽頭神経叢を形成したのち筋に分布する)、咽頭下部および後頭の粘膜への知覚神経線維、などが含まれる。後頭に分布する運動および知覚神経線維は下神経節の直下で後頭に向かう上喉頭神経となるか、あるいは胸腔内で迷走神経本幹から下喉頭神経として分かれて頚部を反回神経として上行するかして目的の器官に達する。)
- 931_08【Inferior cervical cardiac branches of vagus nerve下頚心臓枝;下心臓枝(迷走神経の) Rami cardiaci cervicales inferiores; Rami cardiaci caudales】 Branches passing on the right to the deep portion of the cardiac plexus and on the left accompanying the vagus nerve to the superficial part of the cardiac plexus.
→(遠心性(大部分は節前)線維(それとおそらく求心性の線維も?)を、右側では心臓神経叢の深部と心臓神経節へ、そして左側では心臓神経叢の浅部と心臓神経節に送る。)
- 931_09【Right phrenic nerve右横隔神経 Nervus phrenicus dexter】
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- 931_09a【Phrenic nerve横隔神経 Nervus phrenicus】 Nerve arising from C4 with accessory branches from C3 and C5. It lies on the anterior scalene muscle and then passes anterior to the hilum of lung to the diaphragm, with some fibers continuing into the peritoneum.
→(第3~5頚神経から出て頚神経叢を形成し、主に第4頚神経から起こる。頚部では前斜角筋の前面に沿って、また胸腔中では縦隔胸膜と心膜との間を通って、それぞれ走行する。横隔膜にいたる運動神経であるが、壁側縦隔胸膜、心膜、横隔胸膜、腹膜に知覚神経を送り(心臓枝)、腹腔神経叢からの枝と交通する(横隔腹枝)。時に鎖骨下筋神経または腕神経叢の他の神経から小枝が出てて、第1肋骨付近の高さで横隔神経に合することがあるが、これを副横隔神経という。)
- 931_10【Superior vena cava上大静脈 Vena cava superior; Vena cava cranialis】
→(上大静脈は上半身の血液を集める静脈で、上縦隔の中で左右の腕頭静脈が合してはじまり、途中で奇静脈を受け入れながら上行大動脈の右側を下行して右心房にそそぐ。)
- 931_11【Left lung右肺 Pulmo dexter】 The smaller of the two lungs (by 10%).
→(右肺は上・中・下の3葉からなる。各葉の境界には裂け目があって、肺胸膜はこの裂け目の中まで入り込んでいる。右肺の上葉と中葉の裂け目はほぼ水平であるが、他の裂け目はいずれも斜めに走っている。)
- 931_11a【Lungs肺 Pulmones】 The lungs occupy the greater part of the thoracic cavity.
→(肺は胸腔をみたす1対の半円錐形の実質臓器で、呼吸器系の主部をなす。肺においてガス交換が呼吸気と血液の間で行われる。右肺(1200cc, 600g)は左肺(1100cc, 500g)よりやや大きい。肺尖・肺底・肋骨面を区別する。肺尖は鎖骨の2~3cm上方に達する。肺底は横隔面に相当し、横隔膜の円蓋にしたがって陥凹する。肋骨面は胸郭の形にしたがって膨隆する。内側面は左右の胸膜腔を隔てる縦隔に向かう面であって、全体としてややくぼむが心臓に接する部分は深いくぼみをなす。このくぼみを心圧痕といい、とくに左肺に著しい。内側面のうち後方の胸椎に接する部分を椎骨部といい、椎骨部と前述の心圧痕以外の内側面の部分を狭い意味で縦隔部という。縦隔部のうち、ほぼ中央部の肺胸膜におおわれない部分を肺門といい、肺門に出入りする気管支、肺動静脈などは結合織により束ねられて肺根をなし、肺胸膜から縦隔胸膜へ移行する胸膜におおわれるため滑沢であるが、後上方から前下方に走る深い切れ込み(斜裂)がある。右肺ではそのほかに、肋骨面の腋窩腺で斜裂から分かれ、第4肋骨に沿ってほとんど水平に走る切れ込み(水平裂)があり、上葉と中葉が分けられる。各葉の相接する面を葉間面という。左肺を前から見ると上葉に心臓の存在による切れ込みをみる。これを左肺心切痕といい、その下方の上葉前下端の小さい突出部を左肺小舌という。幼児の肺は淡紅色を呈するが、年とともに吸入された塵埃、煙の炭疽粒子などにより、暗赤色に変わる。肺は複合胞状腺の形態を示し、喉頭・気管・気管支およびその枝が導管、肺胞が腺胞に相当する。気管支は葉気管支、区気管支、区気管支枝、細気管支と何回も分支する。細気管支の直径は1mm以下になり、この部にいたると粘膜上皮は多列繊毛円柱上皮から単層の円柱上皮となり、軟骨輪輪は不規則な軟骨小片となる。細気管支はさらに枝分かれして呼吸細気管支になると、気管軟骨はなくなり、上皮は単層立方上皮となる。壁のところどころから肺胞もふくらみ出ている。気道の末端は肺胞管で、多数の肺胞がこの管からふくらみ出ている。その行きどまりを肺胞嚢とよぶ。肺の栄養血管は気管支動静脈で、気管分岐部付近で胸大動脈から直接デル。栄養血管は細葉を最小単位として取り囲む。機能血管である肺動脈は右三室から出て気管支系とともに肺実質内に分布する。胎生期には肺動脈と大動脈弓との間に連絡(動脈管)があるが、出生後閉塞して動脈幹索となる。ガス交換を行った後の血液は肺静脈に集められ左心房に還る。)
- 931_12【Pericardial branch of phrenic nerve; Pericardiac branches of phrenic nerve心膜枝(横隔神経の) Ramus pericardiacus nervus phrenici】 Tiny branch to the anterior surface of the pericardium.
→(横隔神経の心膜枝は横隔神経の枝の一つで、心膜およびこれと隣接する縦隔胸膜に分布する。)
- 931_13【Root of right lung; Right pulmonary root右肺根 Radix pulmonis dexter】
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- 931_13a【Root of lung; Lung root肺根 Radix pulmonis】 It is composed of the main bronchus, blood vessels, lymph vessels and nodes, and autonomic plexuses.
→(肺根は肺門部出入りするすべての構造をさし、胸膜に包まれて脚状をなす。気管支、肺動静脈、気管支動静脈、リンパ管、神経を含む。)
- 931_14【Phrenico-abdominal branches of phrenic nerve横隔腹枝(横隔神経の) Rami phrenicoabdominales nervus phrenici】 Fibers passing on the right through the caval opening and on the left further anteriorly through the diaphragm at the left margin of the heart to the peritoneum. They supply the peritoneum to as far as the gallbladder and pancreas.
→(横隔神経の横隔腹枝は横隔神経の最終枝で運動枝を、横隔膜・口角胸膜・腹膜に感覚枝を送る。)
- 931_15【Phrenic branches of phrenic nerve横隔枝(横隔神経の) Rami phrenici】
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- 931_16【Diaphragm横隔膜 Diaphragma】 Dome-shaped musculofibrous septum dividing thoracic and abdominal cavities. I: Phrenic nerve.
→(横隔膜は胸腔と腹腔との境を作る膜状筋で、胸郭下口の周りから起こる。この起始部を腰椎部、肋骨部、胸骨部の3部に分ける。これらの部から出る筋束は全体として円蓋のように胸腔に盛り上がって集まり、中央部の腱膜につく。これを腱中心という。横隔膜の上面は胸内筋膜および胸膜と心膜、下面は横隔膜筋膜(横筋筋膜の一部)および腹膜(肝臓その他の臓器が接する部分を除いて)被われる。ドーム状の横隔膜は胸腔の床および腹腔の天井となる。閉鎖した筋腱様のしきりは哺乳類の特質である。横隔膜は最重要な呼吸筋である。筋素材は系統発生的に第3~5の頚部筋節から由来し、頚神経叢からの横隔神経(C4(3,5))に支配される。筋性横隔膜は腰椎部、肋骨部、胸骨部から形成される。)
- 931_17【Left phrenic nerve左横隔神経 Nervus phrenicus sinister】
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- 931_18【Thyroid gland甲状腺 Glandula thyroidea】 Produces thyroxine and triiodothyronine, hormones that increase metabolic processes. Pathological enlargement is known as goiter.
→(甲状腺は前頚部の後頭前側にある不規則な楕円形嚢胞からなる内分泌腺で、成人で25~40gである。甲状腺は舌根の上皮が落ち込んで生じた原基が、下の方へ伸びだして出して現在見る位置に落ち着いたものである。舌根の陥入部の名残りが盲孔であり、移動経路に尾を引いて残った原基が発達したものが錐体葉である。この一部が筋組織から成るmのを甲状腺挙筋という(出現率20~30%)。甲状腺挙筋が存在する場合は、舌骨または甲状軟骨から起こって甲状腺に停止している。甲状腺は2種類のまったく異なったホルモンを分泌する。主な甲状腺ホルモンはヨウ素を含むアミノ酸誘導体で全身の物質代謝を亢進させる。1分子に含まれるヨウ素原子の数によって、T4(チロキシン)とT3(3-ヨードチロニン)を区別する。もう一種の甲状腺ホルモンはポリペプチドでカルチトニン(またはチロカルチトニン)という、血中カルシウムイオンの濃度を低下させるホルモンである。ヨウ素をふくむホルモンは甲状腺濾胞を形成する濾胞細胞から分泌され、カルチトニンは濾胞の間あるいは濾胞の周辺に存在する濾胞傍細胞から分泌される。濾胞は甲状腺の構造単位であって中空球状の細胞集団であるが、細胞はその周辺に1層にならんでいるだけで、内腔はコロイドという濃厚な蛋白溶液で満たされている。この蛋白はチログロブリンとよばれ、ヨウ素を含む糖蛋白である。濾胞[上皮]細胞は機能状態によって形が異なり、単層立方または単層円柱上皮が普通であるが、コロイドが極端にたまっているときは、単層扁平上皮となる。この細胞はよく発達した粗面小胞体とGolgi装置をふくみ、糸球体も被い。分泌物はGolgi装置で径150~200nmの小果粒あるいは小胞につめこまれて、濾胞内腔に近い細胞表面の知覚に運ばれる。これは細胞先端部あるいはそのやや下方に集まっていることが多いので、subapical granule(またはvesicle)とよばれる。この果粒は開口分泌によって、その内容を濾胞腔に放出すると思われる。甲状腺が下垂体前葉ホルモンの一種であるTSH(甲状腺刺激ホルモン)によって刺激されると、細胞表面に偽足状の突起が現れて、コロイドを貪食する。そのようにして貪食されたコロイドをふくむ空胞を、コロイド滴という。これに水解小体が融合して、加水分解酵素を得ると、コロイド滴内でチログロブリンが分解され、甲状腺ホルモンであるT4およびT3が生ずる。これらのホルモンは低分子であるから、細胞内を拡散して、基底側に運ばれ、濾胞に近接して分布している毛細血管に吸収されるのである。濾胞傍細胞は動物によって発達が異なり、ヒトでは非常に少ない。細胞質が明るくみえるので、clear cellの略としてC-cellとよばれることがある。これは鰓後体に由来する細胞で、血中カルシウムを低下させるホルモンを分泌する。濾胞細胞のやや外方に位置するが、共通の基底膜で包まれる。しかし、この細胞は濾胞腔に面することはない。径200nm前後の小果粒を多数含んでおり、動物にカルシウムを注射するとこの果粒が著明に減少することから、カルチトニン産生細胞であることがわかった。この果粒は一般のペプチドホルモン産生細胞であることがわかった。この果粒は一般のペプチドホルモン産生細胞と同様に、Golgi装置で産生されて、細胞基底部(基底膜に面する表面)から、開口分泌の様式で放出される。)
- 931_19【Scalenus anterior muscle; Anterior scalene muscle前斜角筋 Musculus scalenus anterior】 o:Transverse process of C3-C6. i: Scalene tubercle of first rib. Elevation of the first rib, lateral flexion and rotation of the neck; divides anterior and posterior scalene spaces. I: Brachial plexus (C5-C7).
→(前斜角筋は、C3-6横突起の前結節から起こり、第1肋骨表面にある斜角筋結節に達する。参考:斜角筋群は主に吸息筋として働き頚椎を動かす作用はむしろ従であるという。)
- 931_20【Superior cervical cardiac nerve上頚心臓神経;上心臓神経 Nervus cardiacus cervicalis superior; Nervus cardiacus superior】 Fibers to the cardiac plexus at the aortic arch.
→(上頚心臓神経は上頚神経節から出て、腕頭動脈(右側)・総頚動脈(左側)に沿って下行して心臓神経叢に入る。)
- 931_21【Superior cervical cardiac branches of vagus nerve上頚心臓枝;上心臓枝(迷走神経の) Rami cardiaci cervicales superiores; Rami cardiaci craniale】 Branches to the deep part of the cardiac nerve plexus. They are given off to by the right and left vagus, sometimes at a very high level.
→(遠心性(大部分は節前)線維(それとおそらく求心性の線維も?)を、心臓神経叢の深部と心臓神経節に送る。)
- 931_22【Pleura胸膜 Pleura】 Serous coat composed of simple serous epithelial cells (mesothelium) and underlying connective tissue. It consists of two sheets that are continuous at the hilum of lung.
→(胸膜は肺を包み、胸膜腔の壁を裏打ちする薄い透明な漿膜。胸腔は胸郭内の空間で、腹部の腹腔に対応する。心臓を含む縦隔と肺とが胸腔の大部分を占めるが、肺や縦隔と胸壁との間に残されるわずかの空間が胸膜腔である。胸膜腔は縦隔によって左右の二つに分かれる。胸膜腔には少量の漿液を含む。胸膜腔の存在により、肺の表面は胸壁と離れて自由に動く。胸膜腔に面する肺や縦隔の表面、胸壁内面をおおう鞘膜が胸膜で胸膜表面は1層の細胞からなる中皮におおわれ、その下に結合組織層がある。これを胸内筋膜という。胸膜のうち、肺をおおう部分を肺胸膜、胸壁内面をおおう部分と壁側胸膜、縦隔の胸膜腔面をおおう部分を縦隔胸膜、横隔膜上の部分を横隔胸膜といい、壁側胸膜のうち肋骨の胸膜腔面をおおう部分を肋骨胸膜という。胸膜腔の上端の円蓋状の部分、すなわち肺尖にあたる部位を胸膜頂といい、この部分の胸内筋膜はやや厚く、これを胸膜上膜とう。また横隔胸膜部の胸内筋膜を横隔胸膜筋膜という。胸膜の折れ帰りで生ずる狭い腔所を胸膜洞といい、横隔膜の外側下方で横隔胸膜が壁側胸膜へ折れ返って生ずる部分を肋骨横隔洞、前胸壁の壁側胸膜が縦隔胸膜へ折れ替えて生ずる部分を肋骨縦隔洞という。肺門部から下方で肺胸膜が縦隔胸膜へ移行する部分をとくに肺間膜という。)
- 931_23【Internal thoracic artery内胸動脈;内乳動脈 Arteria thoracica interna; Arteria mammaria interna】 Artery arising from the subclavian artery and descending along the anterior inner side of the thorax to the diaphragm.
→(内胸動脈は胸骨縁に沿い前胸壁内面を下行し、横隔膜前端を貫いて上腹壁動脈に移行し、腹直筋内で下腹壁動脈と吻合して、前正中線に沿う縦走動脈路を形成する。異常の経過からして縦隔と前胸壁に分布するのに適している。縦隔への枝としては、縦隔枝、胸腺枝、気管支枝さらに横隔神経に伴走する心膜横隔動脈がある。前胸壁への枝としては、胸骨枝、肋間隙を外側に走り肋間動脈と吻合する前肋間枝、肋間隙を貫き乳腺枝を分岐しうる貫通枝、ならびに横隔膜と胸壁下部に分布する筋横隔動脈などがある。なお側胸壁内面を下行する外側肋骨枝がまれに内胸動脈初部からおこることがある。)
- 931_24【Middle cervical cardiac nerve中頚心臓神経;中心臓神経 Nervus cardiacus cervicalis medius】 Branch from the middle cervical ganglion to the deep portion of the cardiac plexus.
→(中頚心臓神経は中頚神経節から下降する交感性節後線維束。総頚動脈の後ろを下行し、左側の鎖骨下動脈あるいは右側の腕頭動脈に沿って心臓神経叢に加わる。)
- 931_25【Ascending aorta上行大動脈;大動脈上行部 Pars ascendens aortae; Aorta ascendens】 Ascending part of the aorta up to its exit from the pericardium.
→(左心室からおこり、肺動脈幹の後ろを上行して大動脈弓にいたる5cmほどの部。基部の内腔は膨らんで大動脈洞(バルサルバ洞)をなし、ここから左右の冠状動脈が出る。(イラスト解剖学))
- 931_26【Left recurrent laryngeal nerve左反回神経 Nervus laryngeus recurrens sinister; Nervus recurrens sinister】
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- 931_27【Cardiac plexus; Cardiac nerve plexus心臓神経叢 Plexus nervosus cardiacus; Plexus cardiacus】 Autonomic nerve plexus formed by sympathetic and vagus nerve fibers at the base of the heart, especially around the aortic arch and at the root of the pulmonary trunk, as well as along the coronary vessels and between the aorta and tracheal bifurcation.
→(心臓神経叢は心肺内臓神経その他の内臓神経の吻合によって形成された広範囲の神経網工で、求心性および遠心性(交感・副交感)の線維を含み大動脈弓や肺動脈を囲んだ後、心房、心室、冠状動脈に分布する。)
- 931_28【Pericardium心膜 Pericardium】 Lubricant-containing sheath enclosing the heart. It consists of a fibrous layer and a double-layered serous coat.
→(心膜は心臓と大血管起始部の被覆と活動のための膜。外層の線維性心膜fibrous pericardiumと内層の漿膜性心膜serous pericardiumの2層からなる閉鎖嚢。漿膜性心膜は心臓表面を直接おおう臓側板(心外膜)と線維性心膜の内面をおおう壁側板にわけられる。線維性心膜は強靱な膜で、大血管の壁につづき、心臓を固定・保持するとともに、その急激な過度の拡張を防ぐ。さらに心臓は心膜腔で囲まれ、潤滑な心膜性心膜で包まれるので、摩擦なく拍動することができる。)