934
- 934_00【Brachial plexus; Brachial nerve plexus腕神経叢 Plexus brachialis】 Nerve plexus formed by the ventral rami of spinal nerves C5-T1 that supplies the arm and partly also the shoulder girdle. It passes between the anterior and middle scalene muscles to the head of humerus. It can be divided into supraclavicular and infraclavicular parts.
→(腕神経叢は通常第5~8頚神経の全部および第1胸神経の大部分からはじまるが、またしばしば第4頚神経および第2胸神経と細枝で交通する。この神経叢は前斜角筋と中斜角筋との間を通って上内方から下外方に走り、鎖骨の下を通って腋窩に至り、上腕帯および自由上肢部の諸部に枝を与えるもので、脊髄神経叢のなかで最も発育がよい。腕神経叢の出来肩は極めて独特で、まず第5,6頚神経が合して1幹を作り、第7頚神経はそのまま独立に1幹をなし、第8頚神経と第1胸神経と合して1幹を作るが、これをそれぞれ上神経幹、中神経幹および下神経幹という。この3幹はつぎにおのおの前後2枝に分かれるこれらの枝うち、後枝は3本合して1本の後神経束を作り、その延長が橈骨神経となる。前枝は上中2本が合して新たに外側神経束を生じ、下神経幹の前枝はそのまま内側神経束となる。この内外の神経束はおのおの分かれて2枝となり、かくして出来た4枝のなかで中央の2枝が合して正中神経を作り、外側枝は筋皮神経となり、内側枝はさらに分かれて尺骨神経、内側上腕皮神経、内側前腕皮神経の枝となる。腕神経叢をその値する部位により鎖骨上部と鎖骨下部とに分ける。鎖骨上部は鎖骨上窩で胸鎖乳突筋下部の後にあり、鎖骨下部は鎖骨下で大小両胸筋に被われて腋窩に至る。)
- 934_00a【Infraclavicular part of brachial plexus鎖骨下部(腕神経叢の) Pars infraclavicularis (Plexus brachialis)】 Inferior portion of the brachial plexus extending from the superior border of the clavicle to the division of the cords into individual nerves.
→(鎖骨下部は腋窩動脈を囲んで3束、すなわち外側神経束、内側神経束および後神経束をつくる。これらの3種類の神経束は後頚三角部を出て鎖骨の後方を下行し、腋窩に達する。)
- 934_01【Anterior thoracic nerves; Pectoral nerves前胸神経;胸神経 Nervi thoracici ventrales; Nervi thoracici anteriores; Nervi pectorales】
→()
- 934_01a【Lateral pectoral nerve外側胸筋神経 Nervus pectoralis lateralis】 Fibers arising from C5-C7 that supply both pectoral muscles. They can arise from the superior and middle trunk or from the lateral cord.
→(外側胸筋神経は第5頚神経~第7頚神経由来の腕神経叢から起こり、大および小胸筋を支配する。)
- 934_02【Pectoralis minor muscle小胸筋 Musculus pectoralis minor】 Lies deep to the pectoralis major. o:Third to fifth ribs, i: Coracoid process. Rotates the scapula, draws the scapula downward and ribs upward. Accessory respiratory muscle. I: see 3.
→(小胸筋は前胸壁にあり大胸筋で完全に被われており、骨性の第(2)3~5肋骨の腹側端からおこり、肩甲骨の烏口突起に停止している。この筋は大胸筋になるものと同じ原基から発生する。正常では、この筋は上肢帯を胸壁と繋ぐにすぎないが、ときに大結節稜に停止する筋の破格が上肢筋の起始に向かっていることがある。作用は肩甲骨を引き下げる、または肋骨を挙上する呼吸補助筋。神経支配は内側胸筋神経。)
- 934_03【Axillary artery腋窩動脈 Arteria axillaris】 Continuation of the subclavian artery that reaches the inferior border of the pectoralis major.
→(腋窩動脈は鎖骨下動脈よりつづく上肢の動脈の本幹で、第1肋骨外側縁の高さで鎖骨下動脈よりつづいてはじまり、大胸筋の停止腱、あるいは大円筋の停止腱の高さで上腕動脈に移行する。これに通常3部を区分し、第1部は、小胸筋の上縁より上方にある部分で、前面は大胸筋鎖骨部に被われ、後方と外側は腕神経叢に接する。第2部は、小胸筋の後面にあたる部分で、この部で腋窩動脈は腕神経叢に貫くため、その後面、内側面、外側面をそれぞれ腕神経叢の後神経束、内側神経束および外側神経束に達している。第3部は、小胸筋の下縁より下方にある部分で、前面は正中神経に、外側は筋皮神経と烏口腕筋に、内側は尺骨神経を介して腋窩静脈に、そして後面は橈骨神経と腋窩神経を介して肩甲下筋と広背筋の停止腱に接する。枝としては、①肩甲下肢、②最上胸動脈、③胸肩峰動脈、④外側胸動脈、⑤肩甲下動脈、⑥前上腕回旋動脈、⑦後上腕回旋動脈)
- 934_04【Pectoralis major muscle大胸筋 Musculus pectoralis major】 o:Clavicle. Sternum. Second to seventh costal cartilages and rectus sheath, i: Crest of greater tubercle. Adduction and medial rotation of the arm. I: Medial and lateral pectoral nerve.
→(大胸筋は上肢の屈筋群から派生したもので、前胸壁にある大きな翼状の筋で鎖骨部、胸肋部、腹部からなる。鎖骨部は上肢帯(鎖骨)から腹側胸壁に広がって上腕骨大結節稜(遠位)に停止する。これは鎖骨の胸骨半、胸骨、および第(1)2~7肋軟骨から起こり、腹直筋鞘の前葉からも起こる。胸肋部と腹部の線維は鎖骨部の線維の下を横切り、大結節稜の近位に着き、鎖骨部は遠位に停止する。広背筋の場合のように、頭側に開き、上腕の外転と前方挙上の際に明らかとなる筋肉のスポットが生じる。上腕を垂れ下げているときは、大胸筋は四角形をしているが、上腕骨が外転されると、三角形となる。外側縁は前腋窩ヒダを形成している。後腋窩ヒダは広背筋の外側縁によってつくられている。大胸筋の鎖骨部と三角筋の間の奥には結合組織腔があり、そこを橈側皮静脈が通る。その隙間は力強い、筋肉の発達した人では非常に狭い。しかし、大胸筋の鎖骨部の発達が弱い場合は、鎖骨に向かって広がり、逆さにした三角形に似ている。その場合、鎖骨胸筋三角という名前が適当である。ここでは皮膚が窪んで鎖骨下窩を形成している。種々の形と大きさの胸骨筋が胸筋筋膜の上に発達することがある。これは肋骨縁に沿って一側または両側に広がっている(ヨーロッパ人の約5%)。もしこの筋が胸筋神経の枝で支配されていれば、これは哺乳類の皮筋の遺残と考えることができる。この筋はしばしば胸鎖乳突筋とつながっており、肋間神経の枝で支配されているかもしれない。広背筋の前縁と大胸筋の外側縁との間には、結合組織の線維(線維性腋窩弓fibrous axillary arch)が弓状に走って両筋を結んでいるが、数%の頻度でここに筋線維束(筋性腋窩弓muscular axillary arch)がみられる。筋性腋窩弓の存在は、生体でも皮膚の上から認めることが出来る。この以上筋束を最初に記載したのはRamsay(1795)であるが、Langer(1846)の広汎な研究以来、ランゲル筋Langer's muscleと呼ばれるようになった。)
- 934_05【Biceps brachii muscle上腕二頭筋 Musculus biceps brachii】 Two-headed muscle that attaches on the radial tuberosity and extends with the aponeurosis brachii toward the ulna to blend into the antebrachial fascia. It acts in elbow joint flexion and forearm supination. I: Musculocutaneous nerve.
→(上腕二頭筋は、長頭が関節上結節に起始し、短頭は烏口突起に起始する。二頭筋の長頭(長いのは腱の部分のみ)は上腕骨頭を越え、結節間滑膜鞘に包まれて、結節間溝へ入る。共通の筋腹の終止腱は、肘窩の奥で、橈側粗面に停止する。腱性の帯である上腕二頭筋腱膜は終止腱から分かれ、前腕筋膜に放散している。肘関節を屈曲すると、上腕二頭筋は特に突出する。なぜならば、この筋は関節から離れて、上腕筋によって前に押し出されるからである。機能として肘関節に作用して前腕をまげる。上腕前面に力こぶをつくる。筋腹の内外両側の溝をそれぞれ内側二頭筋溝および外側二頭筋溝という。前者を尺側皮静脈、後者を橈側皮静脈が走る。長頭の件は滑膜に包まれながら肩関節腔を貫く。また上腕骨の結節間溝を通るところでは、結節間滑液鞘に包まれる。)
- 934_06【Short head of biceps brachii muscle短頭(上腕二頭筋の) Caput breve (Musculus biceps brachii)】 o: Coracoid process. Adduction of shoulder joint.
→(上腕二頭筋の短頭は烏口突起に起こり、橈骨粗面と尺骨に停止する。作用として肘関節の屈曲と回外。その他、肩関節で上腕を前方に上げる。)
Pirogoff's aponeurosis
- 934_07Pirogoff's aponeurosis【Coracobrachialis muscle烏口腕筋 Musculus coracobrachialis】 o: Coracoid process, i: Anterior surface of the middle of the humerus, provides fixation. It acts to ensure contact at the shoulder joint between the head of the humerus and the glenoid cavity. Anteversion. I: Musculocutaneous nerve.
→(烏口腕筋は、発生学的には上腕の腹側筋の筋群(屈筋)に属し、上腕二頭筋と上腕筋のように、筋皮神経によって支配されている。しかし、この筋は肩関節においてのみ作用する。この筋は烏口突起から上腕二頭筋短頭とともに起こり、上腕骨内側面で、小結節稜の遠位に停止する。上腕を垂れ下げた状態では、烏口腕筋は腋窩に隠れている。この筋は上腕の神経血管幹を誘導する筋として働いている。)
- 934_08【Brachial artery上腕動脈 Arteria brachialis】 Continuation of the axillary artery that passes from the inferior border of the pectoralis major in the medial bicipital groove to its division into the radial and ulnar arteries.
→(上腕動脈は大円筋の停止腱の下縁の高さで腋窩動脈よりつづいてはじまり、上腕前面の内側部で上腕二頭筋の内側(内側二頭筋溝)に沿って、正中神経および上腕静脈とともに下行し、肘関節の前面のやや遠位で橈骨動脈と尺骨動脈に分かれる。)
- 934_09【Median nerve正中神経 Nervus medianus】 Nerve formed by the medial and lateral cords.
→(内側および外側神経束よりなる(C6-T1)。(Feneis))
- 934_10【Ulnar nerve尺骨神経 Nervus ulnaris】 Nerve arising from the medial cord that initially travels in the medial bicipital groove, pierces the medial intermuscular septum of the arm, and, after traversing the groove for the ulnar nerve, penetrates the flexor carpi ulnaris.
→(腕神経叢の枝であり、上腕の内側後部を下り肘頭の内(尺)側に達してから前面に近づき、尺側手根筋と深指屈筋(尺骨半)への筋枝を出したのち前腕を下りながら途中で手背尺側半の皮膚に分布する背側指神経および手掌尺側半の皮膚に分布する一つの皮枝を出す。手掌部に達した尺骨神経の本幹は短掌筋、小指外転筋、短小指屈筋、小指対立筋、尺側の虫様筋、短母指屈筋の深頭、母指内転筋、および骨間筋への筋枝を出すほか、総掌側指神経とその末梢側のつづきである固有掌側指神経になり小指および薬指の表面をおおう皮膚に分布する。)
- 934_11【Triceps brachii muscle上腕三頭筋 Musculus triceps brachii】 Three-headed arm muscle with a common attachment on the olecranon and the posterior wall of the joint capsule. Extends the elbow. I: Radial nerve.
→(肘を伸ばす筋。3つの起始のうち、軽く伸展する時は内側頭が働き、強く伸展する時には長頭や外側頭も協同する。長頭は肩甲骨の関節下結節、外側頭は上腕骨上部の後面、内側頭は上腕骨体の後面からおこり、合したのち尺骨の肘頭につく。なお、この筋は肩関節の内転にも働く。神経支配:橈骨神経(C5,C7,C8).動脈:上腕深動脈。(イラスト解剖学))
- 934_12【Long head of triceps brachii muscle長頭(上腕三頭筋の) Caput longum (Musculus triceps brachii)】 o: Infraglenoid tubercle. Retroversion and adduction of the shoulder joint. Divides the triangular (medial) and quadrangular (lateral) spaces between the teres major and minor muscles.
→(長頭は肩甲骨の関節下結節とそれに続く肩甲骨外側縁から起こる。この筋は、広い表層の腱板を介して肘頭に停止する。外側の腱線維束は前腕の筋膜に入り、肘頭が損傷された場合にも予備の伸筋としての働きをする。また、その深層の線維は肘関節の関節包に付着している。これらは肘関節筋と呼ばれている。)
- 934_13【Medial cutaneous nerve of forearm; Medial antebrachial cutaneous nerve内側前腕皮神経;内側皮神経;尺側前腕皮神経(前腕の) Nervus cutaneus antebrachii medialis; Nervus cutaneus antebrachii ulnaris】 Nerve arising from the medial cord, piercing the fascia at about the middle of the arm, and accompanying the basilic vein. It supplies the skin of the medial side of the distal part of the arm and forearm.
→(第8頚神経および第1胸神経由来の腕神経叢の内側神経束から起こり掌側枝(前枝)および尺側枝(後枝)に分かれて、前腕内側の皮膚に分布する知覚神経である。)
Casserio's nerve
- 934_14Casserio's nerve【Musculocutaneous nerve筋皮神経 Nervus musculocutaneus】 Nerve arising from the lateral cord that pierces the coracobrachialis, which it supplies along with the biceps and brachialis. It ends as the lateral cutaneous nerve of forearm.
→(筋皮神経は第5頚神経~第7頚神経由来の外側神経束より起こり、烏口腕筋を貫き、烏口腕筋、上腕二頭筋および上腕筋を支配し、外側前腕皮神経となって前腕外側半部に分布する。皮神経をまとめると、筋枝は上腕前側の屈筋(烏口腕筋・上腕筋・上腕二頭筋)に分布する。皮枝は前腕外側部の皮膚部に分布する。そのほかに関節枝を肘関節に送る。)
Wrisberg, Nerve of
- 934_15Wrisberg, Nerve of【Medial cutaneous nerve of arm; Medial brachial cutaneous nerve内側上腕皮神経;内側皮神経;尺側上腕皮神経(上腕の) Nervus cutaneus brachii medialis; Nervus cutaneus brachii ulnaris】 Nerve arising from the medial cord and supplying the skin of the medial side of the arm via its communication with the intercostobrachial nerve.
→(内側上腕皮神経は第8頚神経および第1胸神経由来の腕神経叢の内側神経束より起こり上腕内側の皮膚に分布する知覚神経で、第2またはときに第3肋間神経の外側皮枝と交通して肋間上腕神経を作る。この両神経は合して1本となることもあり、またそれぞれ独立して起こることもあり、また肋間上腕神経がよく発達して内側上腕皮神経が小さいこともある。)
- 934_16【Latissimus dorsi muscle広背筋 Musculus latissimus dorsi】 o: Spinous processes of T7-T12, thoracolumbar fascia, iliac crest, tenth through twelfth ribs, i: Crest of lesser tubercle of humerus. Retraction, medial rotation, adduction of the arm. I: Thoracodorsal nerve.
→(広背筋は背面に広く広がってる。これは下位6胸椎の棘突起とそれにともなう分節の棘上靱帯から、全腰椎の棘突起と仙骨から胸腰筋膜を介して、腸骨稜から、および第(9)10~12肋骨から起こり、しばしば肩甲骨下角からも起こる。筋線維は斜め上方にすすみ上腕骨における停止に向かって集まり、大円筋の周りで曲がって小結節稜に着く(下縁では大円筋の終止腱と一緒に成長するが、他の部分では滑液包で分けられている。)。一番頭側から起こる線維は骨稜の遠位部につき、肋骨から起こる線維束はもっとも近位に着く。上腕骨に近い筋の部分は、それゆえ、捻れている。この回転は上腕の挙上によって相殺される。これは上腕を挙上した場合、個々の筋の部分が極端に不均等に引っ張られるのを防ぐ。なぜなら挙上された上腕骨においては稜の遠位部がもっとも頭側に位置するからである。広背筋の前縁と大胸筋の外側縁との間には、結合組織の線維(線維性腋窩弓fibrous axillary arch)が弓状に走って両筋を結んでいるが、数%の頻度でここに筋線維束(筋性腋窩弓muscular axillary arch)がみられる。筋性腋窩弓の存在は、生体でも皮膚の上から認めることが出来る。この以上筋束を最初に記載したのはRamsay(1795)であるが、Langer(1846)の広汎な研究以来、ランゲル筋Langer's muscleと呼ばれるようになった。)
- 934_17【Thoracodorsal nerve胸背神経 Nervus thoracodorsalis】 Longest subscapular nerve arising from C6-C8. It runs along the lateral border of the scapula and supplies the latissimus dorsi.
→(胸背神経は第6頚神経~第8頚神経由来の腕神経叢より起こる最長の肩甲骨化の神経。肩甲骨の外側縁を通り、広背筋を支配する。)
- 934_18【Subscapular nerves肩甲下神経 Nervi subscapulares】 Two or three branches arising from the brachial plexus, supraclavicular part, or posterior cord. They supply the subscapularis and teres major.
→(肩甲下神経は第5頚神経~第7頚神経由来の腕神経叢より起こり、肩甲下筋および大円筋へいたる2~3本の枝。)
- 934_19【Teres major muscle大円筋 Musculus teres major】 o: Near the inferior angle of scapula, i: Crest of lesser tubercle of humerus. Retroversion of the arm with adduction and medial rotation. I: Thoracodorsal nerve.
→(大円筋は肩甲骨下角の背側面で起こり、上腕三頭筋長頭の回りを曲がり、広背筋停止腱(下縁で一緒に成長する)の背側で小結節稜に付着する。大円筋は肩甲下筋の分かれたものである。さらに、同じ原基から生じる広背筋と遺伝的にも密接に関係している。大円筋、小円筋、上腕三頭筋長頭の3者によって取り囲まれる三角形の隙間は内側腋窩隙triangular spaceと呼ばれ、ここを肩甲回旋動静脈が通っている。また大円筋、上腕二頭筋長頭、小円筋、上腕骨の4者によって囲まれる四辺形の隙間は外側腋窩隙quadrangular spaceとよばれる。ここは腋窩神経と後上腕回旋動脈が通っている。)
Bell's nerve
- 934_20Bell's nerve【Long thoracic nerve長胸神経 Nervus thoracicus longus】 Nerve arising from C5C7, piercing the middle scalene muscle, and then running on the serratus anterior, which it innervates.
→(長胸神経は第5~7頚神経由来の腕神経叢根より起こり、1本の神経となって腕神経叢および鎖骨下動静脈の後方を下行して第1肋骨の外側面を横切り腋窩に達する。そののち、この神経は前鋸筋へ向かう。『ベルの神経』:1829年、スコットランドの神経解剖学者Sir Charles Bell (1774-1842)が前鋸筋に分布するこの神経を記載した。彼の名は、1811年の「脊髄前根が運動神経で構成される」ことの報告(Bell-Magendie's law)や、1830年の顔面神経の麻痺についての報告(Bell's palsy)にも残されている。)
- 934_21【Subscapularis muscle; Subscapular muscle肩甲下筋 Musculus subscapularis】 o: Subscapular fossa, i: Lesser tubercle of humerus. Medial rotation. I: Subscapular nerves.
→(肩甲下筋は肩関節固有筋で、その腱は回旋筋腱板の形成に加わる。強い筋性の板として肩甲下窩を埋めている。これは肩甲骨肋骨面の筋線に付着する腱性の束から起こり、小結節に停止する、また腱線維のいくらかは関節包にも停止する。神経支配:第五・第六頚神経の腕神経叢後索からの上下肩甲下神経。作用:腕の内旋。持続的に収縮すれば上腕骨頭を関節窩に固定できる。)
- 934_22【Intercostobrachial nerves肋間上腕神経 Nervi intercostobrachiales】 Fibers from T2 and T3 of the lateral cutaneous branch. The fiber bundle passes through the axilla to the medial cutaneous nerve of arm.
→()
- 934_23【Subclavius; Subclavius muscle鎖骨下筋 Musculus subclavius】 o: First costal cartilage, i: Inferior surface of clavicle. Stabilizes the sternoclavicular joint against being drawn laterally. I: Subclavian nerve.
→(鎖骨下筋は体幹から起こって上肢帯に至る腹側の筋で、第1肋骨と肋軟骨の上縁から起始し、鎖骨下面の溝につ付着する。作用として鎖骨を引き下げ、前方に突き出す。神経支配は第5,6頚神経(鎖骨下筋への神経)。動脈は胸肩峰動脈の鎖骨枝から受ける。鎖骨下筋は小さく、烏口鎖骨靱帯によって前方から被われている。)
- 934_24【Clavicle; Collar bone鎖骨 Clavicula】
→(鎖骨は胸骨上縁のところにある棒状の骨。鎖骨の内側端を鎖骨端といい、その内側面には四角形の頬骨関節面があって、頬骨の鎖骨切痕と連結する。また、外側端を肩峰端といい、その外側面には楕円形の肩峰関節面があって肩甲骨と連結する。鎖骨下面の胸骨端の近くには胸鎖靱帯圧痕、肩峰端のすぐ近くには円錐靱帯結節という粗面があり、それぞれ同名の靱帯が付着する。鎖骨は結合組織生骨であり、全身の骨の中では最も早く骨化がはじまる(胎生第5週)が、骨化の完了する時期は25最以後で長骨の中では一番遅い。鎖骨は一般の長骨と異なり髄腔がなく、内部は海綿質でみたされている。哺乳類のうち上肢を歩行以外にも使用する(たとえば、物をつかんだり、からだの前で上肢を交差させる動作など)動物では鎖骨は発達しているが、上肢を前後方向に動かして歩行だけに使用する動物では鎖骨はないか、あっても痕跡的である。したがって霊長目や齧歯目では鎖骨が発達し、食肉目や有蹄目には鎖骨がない。語源はClavis(腱、カンヌキ)の縮小形で小さな鍵という意味。)
- 934_25【Lateral cutaneous branch of 4th intercostal nerve外側皮枝(第4肋間神経の) Ramus cutaneus lateralis (Nervus intercostalis IV)】
→()
- 934_25a【Lateral pectoral cutaneous branch of intercostal nerve胸外側皮枝;外側皮枝(肋間神経の) Ramus cutaneus lateralis pectoralis nervus intercostalis】 Branches in the midaxillary line between the slips of the serratus anterior that pass to the lateral thoracic wall.
→(肋間神経の胸の外側皮枝は肋間神経のほぼ中間から分かれ、斜めに腹側へ向かい、前鋸筋の鋸歯および広背筋の間より表にでる。)
Boxer's muscle
- 934_26Boxer's muscle【Serratus anterior muscle前鋸筋;側鋸筋;外側鋸筋 Musculus serratus anterior; Musculus serratus lateralis】 o:First to ninth ribs, i: Inferior surface of medial border of scapula. Fixes, rotates, and lowers the scapula, draws it forward, and assists in raising the arm above the horizontal plane. I: Long thoracic nerve.
→(前鋸筋は、起始が二次的に体幹の腹外側に移動したものである。このことは人の個体発生でも示される。前鋸筋の起始は上部8ないし9本の肋骨の外側面。停止は肩甲骨椎骨縁(内側縁の肋骨面)。機能として肩甲骨の外転、肩甲骨を固定した場合は肋骨を引き上げる。神経支配は長胸神経。動脈は外側胸動脈から受ける。)
- 934_27【Lateral cutaneous branch of 3rd intercostal nerve外側皮枝(第3肋間神経の) Ramus cutaneus lateralis (Nervus intercostalis III)】
→()