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 神経支配および脊髄節との関係:舌下神経係蹄の枝でC. I~III(Bolk), C. II~IV(Rauber)から来るものによる.

 変異:この筋の起始の近くに(まれに)腱画が存在する.そのような腱画がさらに甲状軟骨の斜線の高さにもあるが,これはいっそうまれである.この筋の鎖骨起始部はかなりに独立性を示すことがあり,けっきょく別の筋となって上方に走っていることがある.両側の筋はその全長にわたって,あるいは部分的にたがいにつずいていることがある.

[図509] 頚部の筋および舌骨上筋III(11/20) 右:鎖骨,広頚筋,胸鎖乳突筋,僧帽筋,大胸筋,鎖骨下筋を取り除き,肩甲舌骨筋の大部分(下腹, 中間腱ならびに上腹の一部)を取り去ってある.左:広頚筋および胸鎖乳突筋を取り除いてある.一顎二腹筋の前腹は両側とも取り除いてあり,顎舌骨筋は切断し反転してある.右のオトガイ舌骨筋は取り去ってある.

4. 胸骨甲状筋M. sternothyreoideus. (図508, 509)

 この筋もやはり扁平であるが,これを部分的に被っている胸骨舌骨筋よりも幅が広い.この筋は胸骨柄の後面と第1肋軟骨の後面から,胸骨舌骨筋の内側で,同時にこれよりいくぶん下方で起る.それゆえ胸骨甲状筋の内側部は頚の下部では胸骨舌骨筋に被われず,甲状腺の上を上方に伸びて,甲状軟骨の斜線に付着している.

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最終更新日13/02/03

 

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