歴史的な偉大な解剖学書
[図658] 手掌(右)の動脈(III) 深掌動脈弓Arcus volaris profundus(5/6)
しかし多くの例で,ことに動脈弓を欠いている場合にはほかの動脈から,つまりほかの動脈が強大になって,すなわち橈骨動脈の浅掌枝,前腕正中動脈,あるいは掌側骨間動脈の強大になったものがその代りを勤めていることがある.
まれに手における橈骨動脈の分枝がほとんど完全になくなっており,この場合は橈骨動脈から出るべき枝がすべて浅掌動脈弓から出ていて,同時に深掌動脈弓はなくなっている.ただしこのように手における橈骨動脈の分枝が欠けていたり,あまり発達していない場合に.やはり付近の動脈,とくに骨間動脈がその代りを勤めていることがある.
少数の例では浅掌動脈弓も深掌動脈弓も作られていないで,中手と指に分布する動脈が直接いろいろな前腕の動脈から発している.
最終更新日13/02/03