Rauber Kopsch Band2. 089   

しかし他の小枝は筋層を貫く.そのさい(Wolf-Heidegger 1942によると).血管の走るぐあいと結合組織の関係との両方で圧力に対して安全なようにできている.そして筋層に分布する諸枝を出した後に,粘膜下組織において平面的にひろがったよく発達した血管網をなす.この粘膜下の網から粘膜じしんに分布する血管がおこる.これはまず粘膜筋板を貫いて,ついで腸腺の底に接してまた平面的にひろがった網をつくっている.この網からリーベルキュン腺や絨毛やパイエル板への動脈がでるのである.筋層内の細い毛細血管は,縦走線維層と輪走線維層とのそれぞれの走り方にしたがった,長い網の目をもった2つの層に分れている.リンパ小節はその縁のところに毛細血管の網をもっていて,これから少数の管が内部に入るが,その中心部までいつも達するとは限らない.

[図131]集合リンパ小節(パイエル板)

 回腸の中央部にて. ×1 このパイエル板において個々のリンパ小節がかなりはっきりと相互のあいだで分れている.幾本かのリンパ管がパイエル板とつながっている.孤立リンパ小節が近くに散在しているが,あまり目だたない.

[図132]集合リンパ小節の一部をその表面に平行した断面でみる 血管に注入してある.×50

[図133]腸筋神経叢(アウエルバツハ神経叢) 新生児の小腸から得たもの.

[図134]モルモツトのアウエルバツハ神経叢の1つの神経節内の細胞を示す.

 aは軸索突起,bは樹状突起で,その一部は交感性の神経細胞をかこんでいる.cは色素顆粒をもつ交感性の神経細胞であるが,メチレンブラウで染つていない.dは神経節相互のあいだを連ねる神経線維束Bのもつ神経線維(A. S. Dogiel,1895)

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最終更新日13/02/03

 

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