Rauber Kopsch Band2. 225   

 左右の小陰唇は前方においてそれぞれ2枚のひだに分れている.そのうち側方にあるひだは,左右のものが陰核亀頭の上で弓を画いて合し,亀頭の上方と側方を包んでいる.こうして陰核包皮Praeputium clitoridisを作っている.一方,内方のひだは陰核小帯Frenulum clitoridisをなしている.

 小陰唇をなしている内外の皮膚の板のあいだには脂肪がなくて,多量の弾性線維を含み,広がった静脈をもつ結合組織が存在する.この2枚の皮膚の板には血管乳頭がかなりよく発達しており,また脂腺もあるが,たいてい毛は1本も存在しない.

[図294]女の外陰部(9/10)

 陰核亀頭の粘膜は血管乳頭と神経乳頭をもち,そのなかには触覚小体と棍状小体がある.陰核の粘膜下組織には多数のファーテル小体(層板小体)Vatersche Körperchenがある.脂腺はごく少ない.脱落した表皮細胞が脂腺の分泌物といっしょになって白みがかかつた陰核脂膏Smegma clitoridisとなる.

3. 腟前庭Vestibulum vaginae, Scheidenvorhof(図292, 294)

 左右の小陰唇のあいだにある場所を,腟前庭Vestibulum vaginaeといい,前方は鋭角をなして始まって,陰核亀頭に接しており,後方で広くなり,後陰唇交連の前方でまた少しせまくなる.前庭には腟口と外尿道口が開いている.

 外尿道口はその壁が少し高まっているのがやや目だつ特徴である.そして腟口はそれよりずっと広いことが著しい.

S.225   

最終更新日13/02/03

 

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